Rune Quest Glorantha 1582年~1625年の年表

※ この記述は、Rune Quest Gloranthaコアルールブックp29~p44に基づき作成しています。

【1582年】
古ターシュ:サーターのターカロール(Tarkalor)王とその妻である羽馬の女王(the Feathered Horse Queen)がプラックス人、エスロリアの傭兵、志願兵を率いて、古ターシュ(流民国)とともにルナー帝国と戦う。帝国は、赤の皇帝(Red Emperor)自らが親征し、両者は灰色熊の峰の戦い(the Battle of Grizzly Peak)において激突したが、ルナー軍が卓越した魔術師の力で古ターシュ・サーターの連合軍を一掃した。ターカロール王と女王はともに討たれた。
※ 羽馬の女王:ドラゴン・パスの北西に位置する騎馬遊牧民の王国グレイズランドの女王。当時の女王は「国の母の君」と思われる。
※ 流民国:ドラゴン・パスの北方に位置するターシュのイラロ王朝がルナーの女英雄ホーン・イールにより簒奪された際、反ルナーに与した者達(主に大地の寺院)の勢力
※ 赤の皇帝:ルナー帝国の不死の支配者。死しても転生し復活する。

【1597年】
エスロリア:ルナーの暗殺者が、聖王国のサーターの王族を殺害する。多くの人々が殺人と報復の連鎖に巻き込まれた。

【1602年】
サーター:帝国は、皇帝自らが軍を率いて、サーター王国に侵攻し、高い代償を払いながらも勝利した。難攻不落と思われた首都ボルドホーム(Bpldhome)は陥落し、王国の結束を示すサーターの炎はかき消された。
※ 当時のサーター王はサリナーグ(Salinarg)

【1603-1604年】
サーター:ボルドホームの戦役の後、ルナー帝国がドラゴン・パスを支配した。帝国は、サーター諸部族間の旧き争いを蒸し返し、お互いに殺し合うように仕向けた。
※ 当時のルナーの指揮官は、ライバンス(Raibanth)のアシディ(Assiday)家の貴族、“太っちょ”ユーグリプタス(Euglyptus the Fat)

【1605年】
エスロリア:ルナー軍はエスロリアを攻撃し、聖王国に兵を向けた。神王ベリンター(the god-king Belintar)の強大な魔力による反撃は、ルナーに決定的かつ屈辱的な敗北を与え、侵攻を押しとどめた。
※ 神王ベリンター:1318年にエスロリアを支配し、転生により生き続ける聖王国の支配者。1616年に転生すべき肉体を失い消息不明。

【1608年】
プラックス:ルナー軍は、プラックスに侵攻した。軍はオアシスを辿って進撃したが、途中襲撃されパップス(Paps)に達する前に和議を結ばざるを得なかった。帝国は勝利を喧伝したが、実際の勝者は遊牧民であった。
※ パップス:プラックスの遊牧民の聖地、祭神はアイリーサ。

【1610年】
プラックス:ルナー軍は、前回以上の戦力を準備してプラックスに軍を進め、遊牧民達を戦闘で打ち破り、パヴィス市を降して占拠した。
ルナー・ターシュ:ルナーの半神、“剃刀”ジャ・イール(Jar-eel the Razoress)がターシュを訪れ、モイラデス王(King Moirades)を憂き世の業から解放した。彼女は後にモイラデス王の息子を産むが、ターシュ王には、王の年長の息子ファランドロス(Pharandros)が即位した。
※ このルナーとプラックス遊牧民の戦いがムーンブロスの戦い(the Battle of Moonbroth)
※ モイラデス王:ルナー・ターシュの王。1579年に即位し、羽馬の女王「涙しらずの君」と婚姻してドラゴン・パス王にもなった。1610年に退位。彼とジャ・イールの息子、ファージェンティスが後に赤の皇帝となる。
※ “剃刀”ジャ・イール:ルナー帝国の公式聖英雄、月の息子の第4の霊感、一軍に匹敵する戦闘力を有する。

【1613年】
サーター:帝国が国土に居座ることへの怒りと焦燥から、サーター人は、大規模な反乱を引き起こしてルナー軍を一時的に駆逐した。再編成したルナー軍は、“博識”ファザール(Fazzur Wideread)将軍の指揮下に反乱を徹底的に鎮圧した。赤の皇帝は“博識”ファザールをドラゴン・パスの属領地軍司令官(Governor-General of Dragon Pass)に任命した。
※ “博識”ファザール:ルナー・ターシュの高名な軍人、オリンドリ氏族(the clan of Orindori)の族長。

【1615年】
グレイズランド:グレイズランド人とルナー人との些細な諍いが、戦争に発展した。鉄の蹄王(King Ironhoof)と獣人たちに助けられ、農民たちは、2つの強大な侵略軍を辛うじて逃れ、その企図を挫いた。
※ 鉄の蹄王:獣の谷(the Beast Valley)の王であり、半獣半人のセントール。

【1616年】
エスロリア:聖王国からの大軍がディターリの蛮族に奇襲され虐殺された。同じころ狂戦士ハレック(Harrek the Berserk)と彼の海賊団「海の狼(Wolf Pirates)」が、聖王国の海軍を沈めた。神王ベリンターは姿を消し、運命と死の支配者の競技会(the Tournament of the Masters of Luck and Death)による新しい肉体への再誕に失敗した。
プラックス:バイソン族の農奴達の間に白き牡牛の結社(White Bull Society)が広がり、プラックスの全ての部族から大勢の人々がその結社に加入しようと押し寄せた。
※ 狂戦士ハレック:ラソレラの熊の民出身であり、「海の狼」の首領。戦闘力は、“剃刀”ジャ・イールと互角。
※ 神王ベリンターの復活の際に、“剃刀”ジャ・イールが介入、妨害したとされる。

【1618年】
 ソランシの将軍グレイメイン(The Solanthi warlord Greymane)が強大な軍を率いてディターリを抜け、聖王国の深部に侵攻した。彼らは、略奪の限りを尽くしたが決定的な戦は避けた。
※ ソランシ:エスロリアの南西、ウェネリア群島内に位置する国
※ グレイメイン: 灰色のたてがみの異名をもつ老将軍。西マニリア人の間でもっとも名高い野盗。

【1619年】
エスロリア:ルナー軍はヘンドレイキ(Hendriking lands)を攻め、カーシー市(the city of Karse)を獲得した。ヘンドレイキのブライアン王(King Broyan)は、郎党とともにホワイトウォール(Whitewall)の城砦に撤退して籠城し、同市を奪取しようとするルナーのあらゆる試みに抵抗した。
サーター:皇帝に歯向かう者を恐怖に落とすために、クリムゾンバット(Crimson Bat)がドラゴン・パスに派遣された。
※ ヘンドレイキ:ヒョルトランド北方、聖王国の一部
※ ブライアン王:聖王国に抵抗していたヴォルサクシ(Volsaxi)の部族連合の王
※ クリムゾンバット:赤月の女神に従う混沌の怪物

【1620年】
エスロリア:ルナー軍はマルコンウォル軍(the Malkonwal Army)を撃破し、その降伏を受け入れた。ヘンドレイキの王とその郎党たちは、クリムゾンバットを含むルナー軍のあらゆる攻撃を跳ね除け、ホワイトウォールを固守した。
※ マルコンウォル:見えざる神(Invisible God)の預言者マルキオンがこの世界を去る前に住んだ最後の都、その場所は不明。エスロリアのマルコンウォルは、ここがその場所であるとして、虎心王リカード(Rikard the Tigerhearted)が建国した王国。
※ この時のホワイトウォール攻囲軍の指揮官は、“目潰しの”ジョーカンドロス(Jorkandros Blinder)

【1621年】
プラックス:巨人のゆりかごが、ゾーラ・フェル川を下り海原に出た。ゆりかごを奪い取ろうとするルナー軍の企ては、ゆりかごの守護者たちによって阻まれた。
エスロリア:2年以上の包囲攻撃と血、財貨、魂の途方もない浪費の後に、ホワイトウォールの城砦とオーランス人の守備兵達はルナー軍の攻撃により陥落した。
全域:大神オーランスと大地母神アーナールダの死が宣され、大いなる冬(Great Winter)がドラゴン・パス、聖王国、プラックスを覆った。赤の皇帝は、1年間の祝祭を布告した。
※ ゾーラ・フェル川:プラックスを南北に流れ、大廃都(the Big Rubble)を二分する大河

【1622年】
全域:赤の皇帝は、“博識”ファザールに代えて、“聡明なる”タティウス(Tatius the Bright)をドラゴン・パスの属領地軍司令官に起用した。ブライアン王が再び姿を現して、彼に従うヘンドレイキ族(Hendriking tribe)も叛旗を翻し、多くの義勇兵がそれに身を投じた。
サーター:ジャブの女王(the Queen of Jab)と呼ばれる混沌の半神に率いられたスコーピオンマンの大群がラーンステイの足跡(Larnste’s Footprint)より湧き出した。
サーター及びエスロリア:大いなる冬は、ブライアン王率いる反乱軍が、僅かに甦らせたオーランスとアーナールダの力によりルナー軍を奇襲し打ち破ったオーロックスの丘の戦い(the Battle of Auroch Hill)まで続いた。親ルナー派のエスロリア女王は、武力蜂起により退位させられ、内乱が全土で勃発した。
※ オーロックスの丘:サーターとヘンドレイキの境にある丘陵

【1623年】
エスロリア:新しいエスロリアの女王サマスティナ(Samastina)は、落ち延びてきたブライアン王と彼の残余の軍と同盟を結び、侵攻してきたグレイズランドの騎馬軍を打ち破った(羽馬の女王は、そのあとすぐ自らの親衛隊の手にかかり落命した)。エスロリアに侵入したルナー軍は、ノチェット市に篭るサマスティナ女王とブライアン王を包囲した。
サーター:ドラゴンパス北方では、トロール、トロールキン、巨大昆虫や闇の生物の途方もない大群が、鉛の城(the Castle of lead)に向かう途中、ドラゴン・パスを横断した。
※ サマスティナ:古き大地の同盟(the Old Earth Alliance)の指導者
※ 鉛の城:トロールの王土、ダゴーリ・インカースの首都

【1624年】
全域:破滅と変化の予兆とされる新しい惑星(舟星(the Boat Planet)と呼ばれる)が空に現れた。
エスロリア:“狂戦士”ハレックと彼の率いる海賊団「海の狼」は世界を航海したる後、聖王国を訪れた。彼らはサマスティナ女王およびブライアン王と同盟を結び、ペンネル浅瀬の戦い(the Battle of Pennel Ford)においてルナー軍を敗走させた。戦いの間、オーランスは地界から解き放たれ、オーランスの輪と呼ばれる星座が多くの星々ととともに現れ、速やかに天頂へと昇った。
プラックス:ペンネル浅瀬の戦いの後、ハレックの同盟者で新パヴィスのサーター人であるアーグラスは、少人数の仲間たちとサーター―プラックスの間の国境へと旅し、プラックス人の半神であり、白き牡牛(White Bull)として知られる英雄、“黄金の牙”ジャルドン(Jaldon Goldentooth)を召還した。
エスロリア及びサーター:冬、ハレックとブライアンは、驚異の都(the city of Wonder)を略奪した。また、ボルドホーム(Boldhome)において、ルナーの傀儡、僭王テマーティン(Temertain)がフマクティにより弑された。
※ ペンネル浅瀬:マルティン川(the Mathin River)下流の町の近くの浅瀬
※ “黄金の牙”ジャルドン:プラックスのバイソン族出身の英雄、“牙傑”ジャルドン(Jaldon Toothmaker)とも呼ばれる。死して後も、幾度か甦る。
※ テマーティン:1613年の反乱の際に、ルナーが擁立した傀儡のサーター王

【1625年】
パヴィス:白き牡牛の結社を従えたアーグラスは、パヴィスをルナー帝国から解放し、自らをパヴィス王と号した。アーグラスは、プラックス人の同盟者を率いてドラゴン・パスに向かったが、ルナーの魔術によって打ち破られ、パヴィスに撤退した。同じころ、ブライアン王もルナーの魔術により殺害された。
サーター:ルナー帝国は、新しい昇月の寺院を完成させ、グローラインでドラゴン・パス全域を覆うために何千もの魔術師、司祭、貴族を集めた。カリル(Kallyr)によって率いられたサーター人のヒーロークエスターの一団は、ルナーの儀式に潜入し、寺院の地下に真のドラゴンを召還した。ドラゴンは、寺院と儀式の参集者を貪り食い、瞬く間に、帝国は、属領地における軍事力と強大な魔術の大半を喪失した。
 その後、ドラゴンは、その途方もない巨体(数Kmはあったという)で空に舞い上がった。ドラゴンは、中空の赤の月に向かって飛翔した。ペローリア、ラリオス、クラロレラそして西の果て(the Far West)などジェナーテラ中の何百万もの人々が、「竜の形をした黒雲」が赤の月を覆い隠すのを目撃した。間近にいた者は、それ以上のものを見、そして聞いた。ワームの友邦帝国(the Empire of Wyrms Friends)以来眠っていた、ドラゴン・パス中の、古の竜の力と意思が覚醒した。帝国の首都グラマーにおいて、赤の皇帝は、自らのおびただしい魔力を犠牲にして、赤の月に向かう真の竜を退けた。竜は、ドラゴン・パスそして、ケロ・フィン山を旋回して、かつて新しい昇月の寺院が建っていた巨大な裂け目へと戻っていった。
 カリル・スターブロウ(Starbrow)はボルドホームに進軍し、自ら「サーターの君(Prince of Sarter)」を名乗った。“博識”ファザール将軍に率いられたルナー・ターシュ属領地軍(Lunar Tarsh Army)は、混乱しながらもサーター自由軍(the Free Satar Army)と戦った。ファランドロス王(ターシュの王でありファザールの甥)が、ファザールの縁者や支援者を殺し、有能な将軍を作戦から退けたことをファザールが知ったことにより、ルナー・ターシュ属領地軍はサーターから撤退した。ファザールはダンストップに退き、彼に加担する者達を呼び集めた。古ターシュにおいては、揺るがすもの(the Shaker)の女祭達が、ファザールの息子オンジュールを王に戴くことを良しとせず、新王を擁立した。
※ “聡明なる”タティウスは、真のドラゴン出現時に、他の参集者とともに貪り食われ死亡
※ カリル・スターブロウ:サーター王家の地を引くケルドン部族の女族長。1613年のサーター蜂起の首謀者であり、ルナー帝国への抵抗を続けていた。                                                                                    


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