Rune Quest Glorantha キャラクターメイキング その1 ホームランド及びパッション

※ この記述は、Rune Quest Gloranthaコアルールブックp23~p27に基づき作成しています。

キャラクター作成の手順

 8つのステップに従い冒険者(プレイヤーキャラクター)を作成する。

ステップ1:生まれ故郷(Homeland)の決定―作成する冒険者の生まれ故郷を選ぶ。

ステップ2:一族の歴史―作成する冒険者の一族がどのような歴史をたどったか、そして、冒険者自身も冒険に出る前はどのような生い立ちだったのかを決める。

ステップ3:関係するルーンー作成する冒険者のルーンを選ぶ。これにより、作成した冒険者と特定のルーンのつながりが数値で表され、冒険者の個性や社会的衝動の指標のひとつになる。

ステップ4:能力値―作成する冒険者の能力値と二次属性値を決定する。

ステップ5:職業―作成する冒険者の職業を選択する。

ステップ6:カルトー作成する冒険者のカルトを選択する。

ステップ7:技能ボーナス 作成する冒険者に技能ボーナスを割り当てる。

ステップ8:その他の情報―作成する冒険者の名前、性別、装備、一族の家宝など、必要なその他の情報を決定する。

ステップ1:生まれ故郷の決定
 どんな冒険者にも故郷があり、それは、最初の習慣、言語及び信仰を決める手がかりになる。冒険者の生まれ故郷は、ゲームマスターが予め決定していたり、いくつかの候補を提案したり、特定の地域について制限したりする場合がある。
 生まれ故郷になり得る地域により、縁の深いルーンの修正、文化に基づく技能の修正や扱いに習熟しやすい武器が決まる。文化に対する典型的イメージ(Cultural stereotypes)は、その文化に属する人間を部外者がどのように認識しているのかを、プレイヤーが理解できるように提示されている。プレイヤーは、望むなら、そのようなステレオタイプに拠らずに、自由にプレイするべきである。
 地域によって与えられる修正値(Local Modifiers)は、冒険者の生まれ故郷を決定した後、既存の技能に追加できる修正値である。

サーター
 丘陵地に住み嵐の神々を信仰する部族民達に推戴されたサーター王家により統治される山岳王国である。サーターは、ごく最近、ルナー帝国の支配を自らの手で打ち破ったが、その戦いの中で、英雄戦争が勃発した。現在、かの地はカリル・スターブロウが治めているが、魔法的な探求、狭量な確執、そして英雄たらんとする野心家で溢れかえっている。
文化に対する典型的イメージ:サーター人は好戦的で、命知らずであり、非常に独立心が強い。男は、感情の起伏が激しく、しばしば暴力的なまでに情熱的で、意見や感情が目まぐるしく変化する。女は、狡猾かつ実務的であり、活力に満ちている。サーター人は、オーランスとアーナールダを篤く信仰しており、ルナー帝国への激しい憎しみに燃えている。
一般的なカルト:オーランス、アーナールダ、バービスター・ゴア、チャラーナ・アローイ、ユールマル、フマクト、イサリーズ、ランカー・マイ、マーラン・ゴア、ストーム・ブル、イェルマリオ
推奨される職業:農夫、貴族、司祭、戦士

エスロリア
 この豊かで文明化された土地は、母権制が支配的な社会制度である。“大地の母”アーナールダ信仰の一大拠点であり、大地崇拝の中心地である。首都ノチェットは、グローランサでも最大級の都市であり、女王により治められている。
文化に対する典型的イメージ:エスロリア人は文明化されており、物見高く、贅沢と官能を嗜む。彼らの社会様式は、ドラゴン・パスを含む多くの国々において、従うに足る規範として扱われている。また、国際色豊かであり、遠国についても多くの知識をもっている。彼らは戦争を厭い、闘争よりも交渉を好む。エスロリア人の女性は、誇り高く、野心的で、詐謀に長け、非常に実利的である。男性は、感情的で、忠誠を重視し、命知らずで好戦的である。
一般的なカルト:アーナールダ、アーガン・アガー、バービスター・ゴア、チャラーナ・アローイ、ユールマル、イサリーズ、ランカー・マイ、マーラン・ゴア、オーランス
推奨される職業:癒し手、商人、司祭、書記、盗賊

グレイズランド
 グレイズランドは、グレイズランドの馬飼い達が住む、牧草の茂る丘と谷の地域である。この半遊牧の部族は、馬を集め、エスロリア、サーター、ターシュの農民を奴隷として支配している。彼らは、代々、強力な大地の女祭である羽馬の女王に支配されている。
文化に対する典型的イメージ:グレイズランドの馬飼い達の社会は厳格かつ家父長制的であり、誰もが年齢と出生により社会的地位と役割が固定される。部族は、12の氏族で構成されており、氏族の長が、庶民から選ばれることはほとんどない。馬飼いの人々は、自分たちが「地べた這い」よりも本質的に優れていると考えている。
一般的なカルト:イェルム、アーナールダ、フマクト、イサリーズ、オーランス
推奨される職業:牧夫、貴族、戦士

プラックス
 この野蛮な遊牧民達は、ドラゴン・パスの東のステップの平原に住んでいる。それぞれの部族は、騎乗する獣にちなみ、バイソン族、ボロ・リザ―ド族、ハイラーマ族、インパラ族、ライノ族、セーブル・アンテロープ族、そして馬に騎乗するポル・ジョニ族である。馬は、プラックス人の大半にとって禁忌である。
文化に対する典型的イメージ:プラックス人は誇り高く、好戦的な遊牧民であり、部外者はもちろん、遊牧民相互でも猜疑し合う。彼らを混沌を徹底して憎悪し、文明化した信仰を忌避する。彼らは、大荒野で常に争い続ける苛酷な生を生きており、自らを取り巻く敵意に満ちた環境でどう生き抜いていくかを考えている。プラックス人の中で人気のある格言は「現し世、これ戦」である。
推奨される職業:祈祷師見習い、牧夫、戦士(軽騎兵あるいは重騎兵)

バイソン族
 バイソンライダーは、その生活を鈍重な彼らの騎獣に依存している。自らの騎獣と同じく、バイソンライダーの体格は雄壮であり、動きはゆったりとしていても、威圧感がある。
一般的なカルト:ワッハ、ダーカ・ファール、アイリーサ、ストーム・ブル、オーランス

ハイラーマ族
 ハイラーマ族は、五大部族の中では最も規模が小さいが、最も強力な部族に数えられる。彼らの騎獣は、他のプラックス人の騎獣に対し、抜きんでており、敵を迅速な散兵戦で追い詰めることができる。彼らは、平野において恐れるものなしと言われている。
一般的なカルト:ワッハ、ダーカ・ファール、アイリーサ、ストーム・ブル

インパラ族
 インパラライダーは、プラックスで最も人口の多い部族であることから、自らの貧弱な体格を数で圧倒することで補っている。彼らは、生き延びるために自らの騎獣の脚の速さと俊敏性を頼りにしている。
一般的なカルト:ワッハ、ダーカ・ファール、アイリーサ、ストーム・ブル、イェルマリオ

ポル・ジョニ族
 ポル・ジョニは雑多な部族であり、ドラゴン・パス出身の騎馬民である。彼らはかつて戦いの中、平原に進出し、そして今、生き残るだけの魔法と武力を持っている。彼らはサーターの部族と見なされることもある。
一般的なカルト:オーランス、フマクト、アイリーサ、ストーム・ブル

セーブルライダー
 セーブル族は、曲がった角を持つ大型のアンテロープに騎乗している。ルナー帝国がプラックスに侵攻したとき、セーブル族は、他のプラックス人に背いて、ルナーに加担した。セーブル族は、後にルナーに背き、プラックス人との同盟は一時的なものに過ぎないという証左のひとつになった。
一般的なカルト:ワッハ、七母神、アイリーサ、イェルマリオ

ルナー・ターシュ
 ターシュ王国は、ルナー帝国の属州の一つであり、その支配層や都市部の住人は、帝国中核州(Lunar Heartlands)の文明化された文化と宗教を採り入れている。
文化に対する典型的イメージ:ルナー・ターシュ人は、誇り高く傲慢であり、つい最近までドラゴン・パスを支配していた。赤の皇帝と赤き月の女神に忠誠を誓っているが、現在、ファランドロスに従う王党派と彼の叔父であり、偉大な将軍である“博識”ファザールの党派との間で分裂している。
一般的なカルト:七母神、アーナールダ、チャラーナ・アローイ、フマクト、イサリーズ、ランカーマイ、イェルマリオ
推奨される職業:貴族、司祭、書記、戦士

古ターシュ
 古ターシュは、ケロ・フィン山の麓に集住する部族の連合体であり、ルナー化した現ターシュ王朝を認めず、「揺るがすもの」の女祭への忠誠を保っている。かつては、ターシュ王国の中核であった古ターシュの諸部族は、疎んじられ、狩りや襲撃により細々と生をつないでいる。
文化に対する典型的イメージ:古ターシュ人は貧しいが、誇り高く苛烈である。彼らは自らこそターシュの正当な支配者だと自認しており、ルナー・ターシュ人を一時的な簒奪者であるとみなしている。また、復讐心が強い一方、寛大さでも知られている。
一般的なカルト:マーラン・ゴア、オーランス、アーナールダ、オデイラ
推奨される職業:野盗、牧夫、狩人、戦士

ゲーム開始時のパッション(感情)
 グローランサの叙事詩は、異なる大義や死によってしか贖えない確執、そして激しい感情につき動かされるキャラクターに満ちている。このゲームは、冒険者の情動を定量化するパッションをゲームシステムを採用しており、このパッションという資質を通してグローランサのテーマを遊ぶことを推奨している。パッションとは、単なる喜怒哀楽の感情ではなく、冒険者を行動に突き動かす情熱や激情、執念、あるいは望まなくても従わねばならない規範を示している。
 生まれ故郷により、冒険者は、60%のパッションを3つ付与される。これは、この後の一族の歴史を決める際に増減する可能性がある。また、さらに新しいパッションを獲得することもある。

パッションに関する説明
 ここでは、いくつかの共通的なパッションについて説明する。帰依(神)や忠誠(部族)のように、括弧書きで何らかのカテゴリーが示されている場合は、そのパッションの焦点となる実際の対象を当てはめる。例えば帰依(神)については帰依(オーランス)、忠誠(部族)については忠誠(コリマ―部族)などである。

帰依(神):神への献身は、グローランサにおける宗教的行動の一般的な形態であり、己の人生を神への奉仕に捧げることも含まれる。

恐怖(類型や個人):恐怖は、憎悪や愛情と同様に、強い動機になりえる。恐怖を覚えるような類型について例示すると、混沌、ドラゴン、海、アンデッド等がある。恐怖は、冒険者がその対象を克服しようとするか、あるいは逃げ出そうとするように動機付けることができる。

憎悪(集団や個人):憎悪は、グローランサの多くの人間を行動に駆り立てる。グローランサにおいて憎悪される対象について例示すると、獣人、混沌、ドラゴン種、ドワーフ、特例の個人、ルナー帝国、他の氏族や部族、トロール、タスクライダー、アンデッドなどがある。

名誉:名誉は傑出した戦士の美徳であり、個人が持つ誠実さ、誇り、そして尊厳に代表される規範である。名誉を重んじる冒険者は、それが例え不愉快に思える場合であっても自らの言葉を違えることはない。

忠誠(寺院、指導者又は集団):忠誠は、血縁以上の社会全体の基盤となる。寺院、指導者、氏族や部族などの血族集団又は都市などに対する忠誠は、社会的組織の基盤を形作する。冒険者は、自らの忠誠の対象を選択する。
 忠誠(寺院)は、冒険者とカルトの組織及び忠誠を捧げる他の崇拝者との結びつきの尺度である。
 忠誠(氏族や部族)は、冒険者と特定の氏族や部族との結びつきの尺度である。それは、一般には、共同体やその成員に対する侮蔑や危害に対する復讐の義務も含んでいる。
 忠誠(都市)は、自らの都市で暮らし、戦い、そして死ぬことへの積極性の尺度である。それが、いわゆる都市の市民権というものが持つ明らかな特徴である。
 忠誠(個人)は、冒険者と王、族長、または他の庇護者といった特定の個人との結びつきを表す尺度である。例えば、戦士は、死すとも彼らの棟梁に対して自らの忠誠を捧げる。棟梁は、彼らの服従に、褒賞、支援、又は他の特権をもって報いる。
 愛情(個人や集団):一族や恋人に対する愛は、あらゆる年齢や文化において人類共通の自然な感情である。
 愛情(一族)は、グローランサのほとんどの社会において、最も近い近親の家族及びそれが属する最重要な共同体を対象とする。一族は、お互いに支え守り合い、加えられた危害に対しては復讐することが求められている。一族間の争いは、考え得る限りの最悪の悲劇とされている。
 愛情(個人)は、他者に対して感じている深い感情と魅力を示している。それは、報われない無償の愛を含む場合もあるが、通常は肉体関係まで指している。

※ 生まれ故郷(Homeland)に関する詳細な情報は、コアルールブックp99~p136を参照して下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?