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Rune Quest Glorantha 古の種族―モロカンス

※ この記述は、Rune Quest Glorantha Bestiary p51~p52に基づき作成しています。

モロカントゥス・アンスロポファグス(Morocanthus anthropophagus)
 非人間種族であるモロカンスはプラックスの五大部族の一つと考えられている。短く突き出た物を掴むことができる鼻を持つバクのような知的生物であり、野獣ではないが、獣じみた人間(家畜人)の群れを従えている。モロカンスは、自らが飼育する人間に騎乗することはない。セーブル族と同じく、彼らにとって、氏族の女王は、氏族のカーンよりも重要な存在である。

神話と歴史:モロカンスは、プラックス人の神話と歴史のすべてに関係がある。

概 説:モロカンスは、四足歩行をして、その四肢にはかぎ爪を備えており、その獣皮は、黒色から灰色である。彼らは、夜行性であり、人間よりも夜目が利き、優れた嗅覚を持っている。モロカンスは、本来、草食性だが、宗教的試練の一環として家畜人を食す。
 熊のように、モロカンスは立ち上がり、後足で歩く、あるいは爪で引き裂いたり、道具を使ったりすることができる。しかし、彼らは、それなりの距離を旅する時は、四足歩行でいることを好む。モロカンスの前足は、戦闘や歩行に適しているが、親指にあたるものが欠けているので、細かい操作はできない。彼らの物を掴める鼻は、この問題を解決するのにいくらか役立っている。

文 化:モロカンスは、プラックス人の一般的な文化の様式に従っているが、いくつかの部分で自らの四足歩行の状態に合うようなやり方を取り入れている。例えば、男は戦士であり牧畜を営むが、一方、女性がほとんどの財産の所有権を持ち、庇護者であると同時に癒し手でもある。モロカンスの身体は、家畜人の男であっても騎乗するには巨大すぎるので、見栄っ張りなモロカンスは、家畜人の男に子羊を運ばせたり、荷車を牽かせたりする。
他種族との関係:プラックス以外の地域では、モロカンスは、不当なまでに評判が悪い。よそ者は、モロカンスが悪辣な「人喰い」だと信じている。彼らは、いたずらをする子供を怖がらせるのにモロカンスの話をするが、これは無知に起因するものである。彼らは「生き抜くための盟約」を知らないのだ。彼らはプラックスの荒野での厳しい生活を味わったことがないし、皆が生き延びるために人間や獣が他者の家畜になる危険を冒すまでに至った絶望を知ることもないだろう。
 プラックスの外の者は、プラックスの人間もまた、家畜人を食べたり、利用していることを知らない。よしんば、よそ者が人間の居留地で家畜人を見たとしても、彼らの予断がその目を曇らせてしまう。彼らは、家畜人が人の形をした知性を持たぬ動物であることを知らない。そのため、モロカンスだけが、「人喰い」であるという悪評を受けることになる。
 プラックスの外では、モロカンスは庶民から危険な屠殺者と見なされており、また、闇市場の奴隷商人から大きな儲け口と思われている。最大の例外はルナー帝国であり、彼らはルナーの教えを奉じる者は何者であれ受け入れる。

宗 教:モロカンスは、プラックスの神々を崇拝している。

生息地:モロカンスはジェナーテラの大荒野、特にプラックスのみ生息している。

モロカンスの冒険者の作成
ルーン:モロカンスは、闇のルーンのアフィニティーに+10%のボーナスを得る。

基本技能:家畜人調教(05)、操船(00)、爪(25)、登攀(25)、隠れる(45)、マーシャルアーツ(10)、忍び歩き(20)、穏やかな死(25)、捜索(05)、精霊戦闘(40)、水泳(35)、追跡(25)、群れの獣との意志疎通(20)、あらゆる武器(05)、それ以外はプラックス人に準ずる。

職 業:プラックス人に適するものを使用する。モロカンスは騎乗できないので、〈騎乗〉を〈獣調教〉で代用する。

モロカンスのマーシャルアーツ:モロカンスは、クラロレアやペローリアで教えられている人間のマーシャルアーツに似た戦闘様式を持っている。モロカンスのマーシャルアーツは人間には役に立たないが、逆もまた然りである。〈爪〉と〈マーシャルアーツ〉はモロカンスの文化的武器に含められる(マーシャルアーツは知識分野の技能だが)。

家畜人調教(05)
 モロカンスは、身体が大きすぎて家畜人に乗ることができないため、〈騎乗〉の技能を持たない。モロカンスは、代わりに〈家畜人調教〉という関連する技能があり、モロカンスの主なカルトであるワッハやアイリーサでは〈騎乗〉と同じ扱いになる。〈家畜人調教〉は、家畜人にまだ学んでいない技能を教えたり、戦闘において指示をしたり、使える家畜人を選別する点で、〈騎乗〉と似通っている。
 〈家畜人調教〉では、拳、頭突き、蹴りといった身体武器による攻撃技能を教えるだけではなく、家畜人に投石やこん棒、セスタスを使った攻撃(受けはしない)を教えることもできる。
 また、〈家畜人調教〉は、モロカンスが、10分程の時間で人間と家畜人を見分ける能力の尺度でもある。
 〈家畜人調教〉は、知識分野技能である。

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