ファイル転送サービスのようにDropboxを使うときの問題点
ポッドキャスト「アシカガCAST」第753回の要約記事です。
Dropboxリンクでのファイル共有にはトラップが
大きなファイルを送る場合などで、ギガファイル便のようなファイル転送サービスの代わりに、Dropboxの共有リンクを使うことをわたしはすすめています。
しかし、相手がデジタル弱者、デジタルに詳しくない人の場合は注意が必要だと感じています。ただファイルをダウンロードしてもらいたいだけなのに、Dropboxにログインしてないユーザーにはトラップが多すぎるのです。
Dropboxは新規ユーザーの獲得やアプリのインストールを促すため、ファイルのダウンロードを直感的に行いづらくしています。これは「ダークパターン」と呼ばれる、ユーザーを誘導するUI設計の一種です。
パソコンではまずダウンロードボタンがわかりにくい
パソコンのブラウザでDropboxの共有リンクを開くと、ダウンロードボタンはアイコンだけで目立っていません。テキストが入った共有ボタンやログイン・登録ボタンが目立つように設計されているのです。
ダウンロードボタンを押しても、すんなりダウンロードはしてくれず、ログインまたは登録を促すダイアログが表示されます。
ログインせずにダウンロードする選択肢は、目立たないテキストリンクとして表示されているのはまさにダークパターンと言えるでしょう。
共有されたファイルをダウンロードしたいだけなのに、トラップが多すぎますね。共有してもらったファイルをダウンロードしたいだけなのに、「Dropboxで他のユーザーと共有」とか言われるのはコンテキストに合ってないと感じます。
スマホではまずアプリの取得に誘導される
スマートフォンのブラウザでリンクを開くと、まずアプリのダウンロードに誘導されます。
こんな画面が表示されれば、デジタル弱者じゃなくてもアプリのダウンロードが必須だと勘違いする人は多いでしょう。
「アプリを取得」ボタンが目立つ一方で、「またはウェブ版の利用を継続」は目立たない色で表示されています。
アプリへの誘導、ログインの誘導を回避するとシンプルにアイコンが並んでいる画面になりました。アイコンにラベルテキストは表示されていないので、ダウンロードアイコンがどれかはわかりにくくなっています。
最後にダウンロード中にも、ユーザー登録への誘導の手は緩めません。
Dropbox Transferを使う手もある
Dropboxには「Dropbox Transfer」という、ファイル転送サービスに似た機能があります。これを使えば、相手にとってわかりやすいインターフェースでファイルをダウンロードしてもらえます。
ダウンロードの有効期限やパスワードの設定も可能ですが、この機能はEssentialsプラン以上でないと使えません。わたしはPlusプランなのですが、ダウンロードされたら通知されるオプションや、閲覧回数とダウンロード回数の確認はできます。
なお、Dropbox Transferはファイル転送サービスと同様に、後からファイルを更新することはできません。Dropboxリンクなどクラウドで共有する大きなメリットは、同じリンクのままファイルをアップデートできることだとわたしは考えています。
苦肉の策でNotion上にDropboxリンクを貼る
これらの問題を回避するため、私が最近編み出した方法は、Notionを介在させることです。Notionでドキュメントを作成し、その公開リンクを相手に送ります。
Notionのページはパソコンでもスマホでも、余計な誘導なしに開くことができます。そのページ上にDropboxのファイル共有リンクを貼り付け、ダウンロード方法の説明を画像付きで記載します。
この方法なら、クラウドで共有するメリットであるファイルの更新も可能で、相手にダークパターンによるトラップを避けてダウンロードする方法を解説できます。
なお、共有するファイルを更新する可能性が低い場合は、直接Notion上にファイルを置く方が、説明の手間が省けて双方にとって楽かもしれません。
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