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TM NETWORK「DEVOTION」②社会性の強い作品

個人的な解釈でいいと思うので、書き連ねてみようかと。

「devotion」=献身 だそうです。
40周年の感謝のしるしと考えていいのかな。前置きというか、はじめに伝えるべく言葉としては相応しいのかも。
しかし、このアルバムに収められている曲は、強い社会的メッセージのあるものが多いかなと。

「レジスタンス」 これも、問題意識を持っているが故に、素直にハイハイ何でも受け入れちゃうのでなく、本当にこれでいいの?と立ち止まって考える過程を含むわけでしょ?タイトル・歌詞云々じゃなく、音としてのメッセージを感じる。

「We Love the Earth」は、能天気なメジャーアレンジではなく、マイナー調にリアレンジされている。手放しでPEACEを喜べない状況にあることは言わずもがなでしょ。イントロのとげとげしく引っかかる音からして警鐘を鳴らしている印象は受ける。私は、メジャー調のアレンジは発表された当時、それでよかったんだと思っている。しかし、今はアップデートされて、そんな場合じゃないだろと表現されているような気がする。

「KISS YOU」は、当時から問題作だったから、今更言うまでもないだろうけど、このザラザラと歪んでいる感じが皮肉っているイメージをより一層強くしているような気がする。

「Time To Countdown」 これは賛否両論、ありそうだね。
私は、こういう選択肢もあったんだ!と今更ながら、全くの新曲として受け入れている。確かに「リズムレッド」でのあの強烈な印象を持つ疾走感のアレンジは、極めていく以外に考えられないが、もうそれとは全く別物として存在しているんだと、自分は切り離して考えている。これは、終末時計がどんどん進んでいるような印象を覚えることから、「We Love the Earth」と連動しているんじゃないかとも。

「How Crush?」 新曲であることからこのアルバムに入っているのは分かるけど、新曲は何を伝えようとしているか?を考えれば、外せない曲なのかも。これは、TMが再起動することの意味を示しているというか、サビのメジャー調でジャーンと華々しさを印象付けながらも、本筋ではマイナー調に転じるところに、概要をつかみ取ることができるのではないかと。

「君の空を見ている」 これは、「Nights of the Knife」をすぐに思い出した。アルバムのインターミッション的な位置に置かれながらも、実はハイライトでもあるという、TMの三角形のバランスをきちんと示しているというか、これがなかったら小室哲哉のソロアルバムになってしまうというか、TMを象徴する曲であることは確か。また、この曲があることで、よりこのアルバムの示すテーマが強調されているようにも感じる。

「Please heal the world」は、もう言うまでもないかな。
Pleaseと言われてしまいましたね。どんなにか傷ついている状態なのか、ザラザラ、カツカツになってしまっているのか、あなた気づいてますか?ですよ。小室哲哉の示す意味とは違うかもしれないけど、私はこう受け止める。

「End Theme of How do you crash it ?」
これは、楽曲の作品として素晴らしいの一言。どんなシチュエーションにも当てはまりそうな印象さえ覚えるけど、これはこれで何も言わなくていい気がする。

「intelligence Days」このintelligenceとは、何を示したかったのか?
ファンからの情報収集ということらしいが、一方通行的なファンへのストリームではなく、その逆のベクトル、ファンからのベクトル、そこで双方向を示す、ライブがそうタイトルにされていたように、「Devotion」で始まり「intelligence days」で終わる構成は納得。

ボーナストラックが「TIMEMACHINE」とされており、
アンコール的な意味合いもあるわけでしょ?ラストグルーヴがそうであったように、幕を下ろす曲という意味でも、スタジオレコーディングされてなかった意味でも、懐かしい意味でも、原点という意味でも、木根バラな意味でも、バランスを取る意味でも、ここに据えられているのは、彼らに応える私たちの感謝でしかないと思いました。

そういったこれらのことからも、何気に完成度の高い、おめでたくてマヌケなニッポン人的な印象は全く無い、世界の舞台で披露できるレベルというか、恥じる隙もない作品だと、聴くごとに強く感じる。
「ラヴソングなんかが出てくるわけない」のは、きっとあなたも理解できたでしょう。
だから、マスコミやメディアも全然知らん顔するわけよ。
しかし、伝わる人には伝わる。
私には、こんなにも伝わってきた。
ファンだからじゃなく、何か私の考えることに通じるところがあったからで、それがたまたまTM NETWORKだったということ。

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