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「宿題代行業者」が悪なのではない

尾木ママは何故、代行業者に怒っているのだろうか。よく考えてみてほしい。小中学生の宿題を代行するわけだけど、それを依頼しているのは、小中学生本人か?

「宿題代行サービス」作文1枚5000円!? 尾木ママ「れっきとした詐欺罪」「教育犯罪」と断罪
http://www.j-cast.com/2014/08/28214330.html?igred=on

もちろん、そういうケースもあるだろう。だけど、小中学生がぽんぽんと4000円、5000円を出せることなんて、稀だ。そう、これは「親」が望んでいるから、ビジネスとして成り立っている。需要がなければ、ビジネスは成立しない。世の中の多くの親が、「宿題代行」を望んでいる証拠だ。

最近、小学生向けの学習アプリを作っているから、色々な人から意見を聞けたんだが、親が子に勉強を教えるっていう発想がない親も、少なくない。時代が違うかもしれないが、私も親から勉強を教わったことはほとんどなかった。知育アプリや学習アプリの売上が伸びているだけあって、教育に熱心な親は、現在は昔よりは多いんだとは思うが、そうではない親は、まだまだいっぱいいる。

それには色々な理由がある。例えば、シングルの家庭だったら、働きに出ていて子供に勉強を教えている時間がないということもある。子供に勉強を教えるだけの学力がそもそもないということもあるし、頭がいい=教え上手ということも成り立たない。

子供がひとりで宿題をやらないといけない状況なんて、いくらでもある。でも、子供が宿題を一人でやり切るなんて、本当に難しい話で、やっぱり、誰かのサポートや後押し、励ましが不可欠。

でも、どうすることもできない家庭状況はある。宿題をやらずに学校へ行かすかのか。私だったら、「宿題代行」を使ってでも、宿題を揃えて子供に持たせてやりたい。宿題をやっていなければ、教師に怒られるだろうし、同級生たちから馬鹿にされるかもしれないし、親として宿題もさせられないなんて見っともないって思うかもしれない。

何があっても子供を守り抜けるならいい、でも、学校で辛い思いをするのは子供だから、「宿題代行」を使ってでも、宿題を揃えて子供に持たせてやりたい。

こういう背景も十分に考えられる。宿題に意義を見出せず、その時間、子供を存分に遊ばせたいっていう親もいるかもしれない。私は、それが間違っているとは一概に言えないと思っている。

もちろん、良い成績を取りたいから、という目的での利用も少なくないと思う。でも、それは偽りでも、本人の感性よりも紙ペラの成績が良い方が遥かに将来に重要であるという今の教育システムがおかしいわけで、明らかに普段の子どもとの学力、感性と見合わないものでも、それがバレない、もしくは、指摘している余裕が教師にないという状況も、今回の件で見えてくる。学校の宿題よりも受験。これも私が小中学生の頃からの、ずっと変わらない真実だ。

「代行業者」を非難するのはおかしい。「代行業者」を求めた根本は、大本は、一体、なんだ? その背景を考えれば、単純に非難はできないはずだ。

(アシベズヘア/facebook

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