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人は環境で簡単に変えられてしまうよね。

マクドナルドのデリバリーを受け取った時にふと思ったんだけど、人って簡単に環境によって変えられてしまうよね。

10代の頃、まあ今でもさほど変わらないんだけど、すごい無愛想で、近所の人とか知り合いとかに、会ってもすれ違ってもまったく挨拶もしないガキだった。

あるとき、大学からの帰りの電車で、いつもはすごい警戒して絶対に寝ないんだけど、思いっきり寝入って、終電に着いてもまったく起きなかった。

その時、全然知らない女の人が肩を揺らして起こしてくれて、これはどこでもよくある風景なんだけど、自分にとっては凄い衝撃的だった。他人と起こすだけであろうとも関わろうとすることが。その人にもちろん感謝はしててお礼も言ったんだけど、それ以上に、今まで無視して来た人たちに物凄い申し訳なくなって、人が変わったみたいに挨拶するようになった。

大阪に出てきて一人になって一年くらいの間は近所の人たちに率先して挨拶してた。工事とか清掃の人たちにも挨拶してお礼を言ったりして。

でも、みんな無視するんだよね。すごいうざそうな顔もするし。挨拶を返してくれる人はほとんどいない。みんなどこか警戒してる。まさに今の閉ざされた世なんだよ、一人暮らしの周囲にコミュニティなんてない。

昔の自分はこうだったんだよなーと思ってるとその人たちがどこか微笑ましかったんだけど、一年で心が折れて、いつしか挨拶しない自分に戻ってた。

それから8年くらいたった今になって、また挨拶するようになった。少しだけだけど。相手を選んでだけど。

最近、近所の商店のお爺さんを見かけなくなって、たぶん、お爺さんは死んだんだと思う。かなりよぼよぼだったから。でもそれが聞けない。死んだと思いたくない。

自分が挨拶しなくなって、その何年の間、唯一、声を掛けてくれたのはこのお爺さんだけだった。うざそうな顔してたかもしれないけど、今思うとかなり自分的に嬉しかったみたいで、忘れられない。

挨拶するのが本当の自分なのか、しないのが本当の自分なのか。ちょっとしたキッカケでコロコロ変わってるな、変わっちゃうよなって、ふと、マクドナルドのデリバリーのにいちゃんの嫌味のないスマイルに、思った。

(アシベズヘア/facebook

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