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わき毛をそらないという選択

わき毛を生やし初めてそろそろ5年がたつ。

そう、私はわき毛をそらない女。それでも5年というのは自己最長記録だ。

女性がわき毛をそらないと、
「衛生的じゃない」「みっともない」「気持ち悪い」「人の目を考えろ」
などと言われる事が多い。

私は「みんながそう思うなら、そうなのかなあ」と特に反論できる理由が見つからず、かといって完全に納得したわけでもない状態のままダラダラと剃ったり剃らなかったりしながら暮らしていた。

特に夏は大変だ。
3日おきくらいに剃らないと薄着ではすぐに目立ってくる。

私は毛深いので、きちんと剃ろうとすると地味に大変だ。
そる間ジッとわきを見続けていたら、激しい立ちくらみに襲われたことが何度もある。時間もかかる。
剃っている最中、お風呂場で体がどんどん冷たくなっていくのを感じながら、「一体なんのためにこんなことを…」とうんざりする。
たまに深ぞりしすぎて血が出ることもある。そった後は肌は赤くなるし、しばらくヒリヒリして痛い。
そり終るとホッとするけど、そこにはなんの達成感もない。
だってどうせ3日後には生えてくるのだ。



日本というアンチわき毛国に生まれ育ち、わき毛はみっともないからそらないとね、というプレッシャーの中、面倒くさいなあ、と思いながらリチギにそっていた。

で、よく考えてみたんです。
「私は本当に自分のわき毛が嫌いでそっているのか?」と。

答えはノーだ。
私は別にわき毛を忌み嫌ってるわけでもなければ、わき毛が生えてる自分を嫌だとも思ってない。

じゃあ、なぜそっているんだろう??

って考えてみたら、「人の目が気になるから」「剃らない事で注目されるのが嫌だから」だったんですね。

いや、ちょっと待て。
私は今まで、社会的に常識なことをやるのが正しいからやっているのだと思っていた。それが常識のある人がすることだと。でもそれはウソだ。
本当は、私が私の身を守るためにやっていることだったのだ。
私は自分で自分にウソをついてまで、嫌なことを自分に対してやってる。

剃るのにかかっている労力、時間、費用に加えて
人の目を気にして自分に嫌なことをやってる自分をとるか。

誰の目も気にしないで、自由な自分になるか。

って考えて、後者を取りました。
どこの誰かも知らない赤の他人よりも、自分自身の体と心の方が大切だなと。

わき毛をそらない事で得たメリット


①そっていた間の自由な時間が増えた

年がら年中そらなくてもいい!
おかげで何も考えずにゆっくり好きなだけお風呂に使ってリラックスに集中できるようになりました!

②ストレスが減った

そっていた間は
「疲れた…でも明日は外出するからちゃんとそらないと…」とか
「明日は暑そうだから、そっておいた方がいいな…でも面倒くさい…」とか
明日の予定を考えて毛をそらなきゃいけない事にうんざりしてたのですが、そういうのが全部なくなりました!ストレスフリー!
もちろん、毛を剃った後の「チクチクする感覚」や「ヒリヒリする感覚」ともおさらばです!

③いい意味で人目を気にしなくなった

「でもやっぱり人目は気になる…」「嫌なことを言われたらどうしよう…」と最初はビクビクしてたものの、

しばらく毛をそらない状態でいるとそれが当たり前の状態になって、
うっかり毛をそっていないということを忘れる

→いちいちわき毛に意識がいかなくなる
→人目を意識しなくなる

の三段コンボで人目が全然気にならなくなりました。慣れともいう。
電車の中で知らない男子から「めっちゃ毛生えてるvv」って言われたけど、
うっせえなー、どうでもいいわ、と思ってたら予想以上に気にならなかった。

④自分の意見を大事にする事で、自分自身に対してポジティブになった
どう考えても人目より私の方が大事だな、と再認識できたこと。
実はこれが一番のメリットでした。
私はもう、自分で自分に対して嫌なことをしたり、自分で自分の意見を否定したりしたくない。
そうすると、自分がどんどん自由になるのを感じる。

自分を大事にするっていうと、
「頑張ったから自分にご褒美を買う」とか
「休みの日には自分をいたわってあげる」とかになりがちだけど、
「自分で自分に対してストレスをかけない」
「社会の意見よりも自分の意見を聞く」の方がはるかに自分を尊重する行動だし、もっと勇気がいる。
でも、だからこそ価値がある。

まだまだ世間的にはまだ女性のわき毛に対する風当たりは強い。
特に男性からは無条件に「女のわき毛とか無理」とか言われそうだし、実際言われたこともある。

「衛生的じゃない」「みっともない」「気持ち悪い」「人の目を考えろ」
というのはその人の意見だから、どうしようもない。

でも本当のところ、私の体は私のもので他の誰にもコントロールできない。
だから、私は私が幸せになる選択をした。

たかがわき毛、されどわき毛。
こんなにたくさんの事を教えてくれたわき毛には抱きしめたい気持ちで一杯である。

ありがとう、わき毛。

これからもよろしく。