なぜ地方のタイ女性はバンコクに出稼ぎに来るのか?(貧困の根本原因) #SDGs
タイの農村部の女性や子供の貧困問題
タイ王国にはバンコク都含め77県がありますが特に東北部イサーンや、チェンライ等北部では特に女性や子供など弱者の貧困と出稼ぎによる家族離散が長年問題となっています。
GDPの約2割を観光業が占めるタイにおいては、風俗産業は年間7,100億円規模・100万人以上が従事していると言われています。
皆さんの中にも夜の水商売をされている地方出身の女性とお話しされた方も多いでしょう。そして夜の店で働く女性の8割以上がシングルマザーと言われています。
彼女たちは、自分の子供を含めた実家の家族を養うためにバンコクに出稼ぎに来ているのです。
また、タイ国内に両親いずれかと暮らしていない子どもがおよそ300万人もいると言われており、親に捨てられたり扶養できず預けられた子どもたちが暮らす孤児院も多数あり、中には生まれたときからHIVに感染している赤ちゃんたちも多数保護されています。
(写真は一般財団法人CHANGアジアの子供財団ホームページより。この施設では約350人(男女比57:43。うちHIV感染児童が20人)の孤児が暮らしています。0才児から高校生くらい迄の子どもたちは元気に、また礼儀正しく明るい環境なのが印象的でした。
なぜ地方のタイ女性はバンコクに出稼ぎに来るのか
このようにタイの地方の若い女性が、家族のためにバンコクに出稼ぎに来なくてはいけない主な理由としては、「父親に扶養の力がない、逃げた」事例が大多数を占め、またタイには「子供が親を養う」という価値観もあるのですが、それらの根本的な原因として
1、そもそも地方には産業がない。
プーケットやパタヤなどリゾート地は観光業で成り立っていますが、四季もなく熱帯である地方にはこれといった観光地もなく産業もありません。
2、農業従事者の収入が大変低い。
①農作物の政府の買取価格が非常に低い。JAがない。
②米や果物、野菜にも地域によって栽培できる農作物に差がある。
③政府の支援もないためケミカルなど高価。
④かつてはアジア全域に米を販売していたが政府の支援がないため国外販売できていない。
つまり未だ中進国であるタイの政府は、十分に地方の支援ができている状況ではないのです(それがタイで頻繁に起きているデモ活動に通じます)。
世帯収入が低ければ、都市部の子供に比べて教育格差が広がり、将来の所得格差も根本的な解決ができません。
※イサーン地方の農家と風景動画
貧困を減らすための解決方法
このような背景によって、農家は収入が少ないため若者はバンコクの夜の産業や工場、韓国など国外へ出稼ぎに行っています。
解決方法として考えられるのは、
・地方の観光資源の発掘
・OTOP(一村一品運動)の支援
・工場等企業誘致
・起業支援、技術支援、マイクロファイナンス
等現場を学び知恵を出し合えば、いろいろな解決方法が見つかるはずです。
またはK-POPに代表される通り、人材やサービス等ソフトパワーでのブランディング。
タイの東北地方ブリーラム出身のBLACKPINKのダンサー・LISAは、地元にダンススクールを作る計画があるそうです。
貴団体のSDGs活動に、タイを加えてください。
以上、この記事をきっかけにタイ地方部の貧困問題に興味を持っていただければ幸いです。 私も折に触れここタイから現状をお知らせしたいと思います。
SDGsに基づき、タイの貧困問題や社会課題をもっと詳しく知りたい方は、団体・個人関わらずお気軽にご連絡ください。
私たち日本人を微笑みで迎えてくれたタイ人たちに、お返しして行きませんか。
アジアクリック代表 高橋学(タイ・バンコク)
mana@asiaclick.jp
https://asiaclick.jp
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