見出し画像

【9月第三週】ASEANニュースまとめ。「北九州市でタイ人インターン生8割が就職」「タイ、富裕層向けの新ビザ制度」「今ビジネスが盛り上がっている国は?」他8本

2021年9月第三週のアセアンニュースをまとめました。
ビジネスに関連する、東南アジア主要国とインドのニュースのヘッドラインに、ニュースの背景にある「現地事情と解釈」を補足しまとめています。
週に一度目を通すだけで、東南アジアとインドのビジネスのトレンドが把握できるようになります。海外マーケティング担当、経営者、投資家の方向けは当noteのフォローがおすすめです。
(ツイッター https://twitter.com/MANA0220 でも更新をお知らせします)


●タイ

北九州市がタイ大学生のインターンシップ、8割が就職で人材不足解消と海外進出を同時に達成
→この3年で13社にインターン生16人が就職。男女3人を受け入れる坂部さんは「確かなスキルとハングリー精神がある」と感心。
ロボットやデジタル産業が急務なタイの需要と一致で。

タイ、景気回復支援策で富裕外国人100万人の誘致策承認
→約1億円の資産移動又は5,000万円の投資で、労働ビザ含む国内での税制優遇等と長期滞在を認める富裕層誘致計画。はじめて土地の所有権も認める
実際は、中国大陸人にタイ地方の駅前の一等地を買わせるのが目的と考えられます。

●マレーシア

改悪で一般人が申請不可のマレーシア長期滞在ビザMM2H、国内の州からも反発、独自の条件を模索
→一度こういった後出しジャンケンで外国人移住希望者の不信を買った政府は、将来に渡り安心して滞在ができないためマレーシアを選ぶ外国人は少なくなるでしょう。月100万円もの収入を必要とするなどのこの高額な改悪条件なら、欧米移住も視野に入れられますよね。

●シンガポール

東南アジア最大のテック企業「Sea」、共同創業者がシンガポール首位の富豪に
→この元中国大陸人の李CEOは、故郷香港を捨て中国共産党支持を明確にした俳優ジャッキー・チェンを、傘下ECサイトのShopeeのTVCMで大量投下中しアジアの反中層に顰蹙を買っています。ECサイトは中国大陸から殆どの商品を仕入れているため、シンガポールのSEA社も中国共産党のナショナリズム強化方針(中国大陸人しかPRに使ってはいけない新法)には抗えないようです。東南アジアでライバルECであるLAZADAの大元、アリババ社が見せしめになったのは記憶に新しいところです。
日系企業も再度「中国への従順を取るか、資産を引き渡して去るか」の更に厳しい選択を迫られる日も近そうです。



ドイツとブルネイからの2,322名の渡航者にワクチン付き渡航レーン制度によるシンガポールへの入国を許可
→シンガポールでは、先週末にすべての小学校がPSLE(卒業試験)までの間、HBL(Home Based Learning)になったということもあって小学生には家で勉強しろというのにドイツから旅行客を入れることに対しての反発が大きいようです。
このニュースに対する反応は、STのfacebookでの投稿を見るとよくわかって面白いです。

●インドネシア

毎週、ビジネスチャンスに関するニュースが少なく(マレーシアとフィリピン同様に)困るのがインドネシアです。今週は特に目につくニュースはありませんでした。
タイ語ニュースからインドの新聞等、日頃なるべく各国の一次ソースを見るようにしているのですが、やはり東南アジアでは(毛色は異なりますが)安定のシンガポールとタイ、そして開拓市場としてのベトナムとインドのビジネスが盛り上がっている傾向です。
もちろん、業種にも団体にも依り人気の市場は移ろっていきますが現在はこのような傾向のようです。今後も各国のビジネス動向を注視し皆様に共有していきたいと思います。
株クラスタでも中国の低迷を受け、新興国ETFとしての中国からインド、ベトナム、インドネシアETFへの再評価が話題となっていましたが、
・これら新興国ETFの経費率は1%前後と高額
・中国同様カントリーリスク(どたきゃん、隠蔽、紛争等)ありあり

ですので、ETFとはいえS&P500や全世界投信と同様に考えると中長期であってもやけどしそうです。

追記)
マッシュルームレザーの生産拠点が日本に 
日本は「きのこの培養に関して非常に優れた自動化技術がある」と期待を寄せる。同社が開発したマッシュルームレザー“マイリー(Mylea)”は、東京のデザイナーズブランド「ダブレット(DOUBLET)」が2022年春夏コレクションで用い、ライダースジャケットやミニポーチを来春発売すると発表

●ベトナム

ベトナムから米系企業の2割、他国に一部生産移管

ベトナムへの日本産うんしゅうみかん 10月1日から輸出可能に 農水省
→生産拠点としてもまだ難しいベトナムなので、では発展する経済を背景に貿易推進かと思うのですが、儲かりそうな単純なビジネスはベトナム人クラスタがやってしまいますので、やはり日本はベトナム人が真似しきれない高品質高単価、または文化的サービスが比較的安心かと感じています。
拘りがなければ、初めての海外進出はシンガポールやタイが安心です。比較的に日本人がビジネスするにはルールや商習慣が明確でリスクが把握しやすく、透明度が高いと思います。

●フィリピン

日本のブラック企業が減らぬ理由。タイ・フィリピンよりも劣る労働者の法律知識
→日本人は文句も言わず、やるといった仕事は本当にやりきるので、東南アジアのHR業界でも欧米人や中国人に比べて給料が安い割には比較的評価が高いようです。その反面、討論が出来ない、はっきりモノを言わない、報連相を強要する(=仕事を他人に任せきれない)などは海外でも日本人の特質としてトラブルの原因になっています。

●東南アジア

収益率17%の中国市場を捨て東南アジアへ、日本企業は何を考えているのか—中国人専門家
→発展途上のアセアン市場に、日本の技術やサービスがマッチングしていることも要因ですが、基本路線が反日で何かと文句をつけちゃぶ台返しをしてくる中韓に対し、東南アジア諸国は親日=ビジネスや生活がポジティブに進みやすいというのは中長期視点でも、一海外担当としても重要な要因です。


【日本大使館からテロ注意喚起】
同文のメールが同日、タイ・シンガポール・フィリピンの日本大使館から在住日本人に配信されました。
人が多く集まる場所への自爆テロ攻撃が発生する可能性が高まっているとの情報あり。
2015年にはバンコク中心部の爆弾テロで20名が死亡、125人が負傷するなど、以降タイ中部・南部やフィリピン南部では比較的テロ事件が頻発しています。

画像1

●インド

インドのユニコーン急増 「オンラインBtoB」がけん引
→同国のユニコーン社数は57社で7~8月にユニコーンに昇格した企業はBtoBサービスが5社、オンライン教育が2社、暗号資産交換所が1社、消費者向け(BtoC)電子商取引(EC)が1社。インド人は英米をみているため英米上場のITサービスのジェネリック事業を展開しています。
東南アジアとは異なり、諸規制を開放しているとはいえこれからもメイク・イン・インディアが基本方針なため、我々日本企業団体は中国ビジネス同様現地のインド企業団体と提携しインドの利益一番に事業を進めていくこととなります。

●今週、東南アジアで話題となった一枚



画像2

動画:顧客失ったタクシー「菜園」として活用 バンコク
→ピンクやオレンジの色のタクシーは企業所有のタクシーです。
稼ぐ手段を失ったドライバーや従業員らにとって、ここで作られた野菜は生活の助けとなります。


次回は、来週以降のニュースの内容を見て更新します。
当社アジアクリックは訪日インバウンドと貿易輸出の脱中国頼り→東南アジアへのシフトを応援しています。
もっと詳しく知りたい方は mana@asiaclick.jp に気軽にご相談下さい。

アジアクリック 高橋学(タイ・バンコク)
http://asiaclick.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?