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【9月第四週】ASEANニュースまとめ。「ASEANで進むフィンテック統合」「ビザ取得は高所得と専門家優遇」「インド人と日本人はキャリア志向が真逆」他14本

2021年9月第四週のアセアンニュースをまとめました。
ビジネスに関連する、東南アジア主要6カ国とインドのニュースのヘッドラインと、その背景にある「現地事情と解釈」を補足しています。
週に一度目を通すだけで、東南アジアとインドのビジネスのトレンドが把握できるようになります。海外マーケティング担当、経営者、投資家の方向けは当noteのフォローがおすすめです。
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●タイ

イミグレ、社員たちのオフィスでの集合写真「マスクあり・なし両方」を要求。提出書類の厚さ4cmにも。
→タイWP保有者の中で話題の、イミグレ職員によるイジメ大喜利大会。
 法人だけでなく個人でも、規定にない書類や原本を突然求められたりします。過去の中国同様、権限を持つ部署は人治主義で袖の下がまかり通っており、まだまだ発展途上国。本社は分かってくれない現地日系駐在の苦労は絶えない。

バンコクやパタヤなど、タイ5都市開放は2021年11月に延期へ
→中国製など打ちたくないタイ人が多く、10月から大量入荷のモデルナ製ワクチンを待っている状況です。

●マレーシア

MM2H条件改悪理由の「安全保障上の問題」とはなにか、政府は詳細説明を=ビザ取得代行業者が求む

タイとマレーシア、適格ASEAN銀行(QAB)認定開始で金融統合加速
タイ・マレーシア・インドネシアとQRコード決済で連携

「両国の企業や消費者のニーズに応える高質な金融商品がより幅広く提供される。ASEAN加盟国間のさらなる金融協力への道が開くことが期待される。
まずタイのユーザーが「ドゥイッ・ナウ」のQRコードをスキャンしてマレーシアへの越境支払いが可能となった。現在、カンボジア、ラオス、シンガポール、ベトナムとも同様のQRコードによる越境決済の連携も進んでいる」
この他にも様々に金融業界のデジタル化が目白押しな週でした。
海外では米nCinoに代表されるような、銀行システム全体のクラウド移行が標準となりつつあります。

●シンガポール


インドとシンガポールのスマート決済システムを相互接続へ
→タイに引き続き、インド間ともPay Nowとの即時・手数料が格安な取引が可能になります。長らく活躍のSWIFTは旧時代のシステムになりそうです。

1~6月期の外国人雇用者、3万人超減少
シンガポール政府発表、1~6月期の外国人労働者数は前期比で3万2,600人減。ビザ厳格化続き。内訳は
・EP(高度専門職やマネジメント向けの労働許可証)は1万100人
・Sパス(中技能外国人向けの労働許可証)は9,800人
・WP(低技能向け労働許可証)は1万2,600人減少。
逆にシンガポール人とPR(永住権保持者)は2万8,500人増。特に情報・専門業などで伸びが顕著、富裕層と専門家が増加


バス会社ウィラー、シンガポールで定額制のエリア内乗り放題サービスを開始。
月約6,000円ほど。今後、台湾、ベトナム、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシアなどへの展開も計画しているとのこと。
→乗り放題の適用範囲が狭く通勤者には使えないように見えるのですが、推移を見守りましょう。

「無印良品」を展開する良品計画のシンガポール店舗で日本産品のフェアを開催する。いちき串木野市の特産品は特設コーナーを設けて売り込む。フェアは3回目。
→当無印良品店舗含め、アジアのショーケースとしてのテストマーケティングの場所があります。詳しくはご相談ください。

武田薬品工業、CO2排出量ゼロのビル設置
2022年完成予定。「太陽光発電パネル660枚超を設置する」「換気状態を見える化するCO2センターやハイブリッド空調システムを取り付ける」「雨水を貯留する」といった取り組みを行う。総工費約15.4億円。

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●インドネシア

パナソニック、インドネシア製二槽式洗濯機を日本初輸出

●ベトナム

ベトナム首都ハノイ、外出禁止措置解除
対して、最大都市のホーチミン市の新規感染は1日当たり5千人を超えており、厳格な外出禁止措置が続いています。

外国人観光、10月再開は困難 フーコック、受け入れ体制整わず
→受け入れが遅れているとはいえ、東南アジア各国への観光客受入スキームが見えてきましたね。

●フィリピン

iPhone13を買うために必要な労働時間 フィリピンが最長で775時間、日本72時間
→最短はスイスで34時間だそうです。

ムーディーズ、比の成長率見通し下方修正、5.8→4.8%に。デルタ株収束見通し厳しく
タイについても21年3.0%、22年が4.5%と下方修正。

●東南アジア

2021年の世界技術革新力ランキング、日本は13位
世界知的所有権機関(WIPO)が発表した2021年版「世界イノベーション指数(技術革新指数、GII)」で、韓国が世界5位、シンガポール8位、中国、日本、香港が20位以内、マレーシア、タイ、ベトナム、インドが50位以内に入りました。世界一位はスイス。

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●インド

インド最大手のオンラインレンタカー事業会社ズームカー(Zoomcar)、ベトナムとインドネシアで事業を開始。
同社が最近行ったフィリピンとエジプトへの進出に続き。
インドと東南アジアもビジネス距離は近いです。

国際キャリアに対する、アジア人の意識の違い(下図)

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海外の日本人労働者の中で話題になったデータ。
「現職に満足してても、いつでも転職したいインド人」と、調査内で最も「不満抱えながらも、行動を起こしたくない日本人」と真逆。
インド人についての理解が進んだと好評でした。

●今週の一枚

いなり巻。

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日本のカレーやラーメンのように、日本食も現地料理とのフュージョンや新解釈が次々と生まれています。

次回は、来週以降のニュースの内容を見て更新します。
当社アジアクリックは訪日インバウンドと貿易輸出の脱中国頼り→東南アジアへのシフトを応援しています。
もっと詳しく知りたい方は mana@asiaclick.jp に気軽にご相談下さい。

アジアクリック 高橋学(タイ・バンコク)
http://asiaclick.jp

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