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【9月第一週】ASEANニュースまとめ。「10月からバンコクで外客受入の方向」「フィリピンECで売れる商品」「フィリピン航空が破産法申請」「アジアのゲーム市場規模」他10本

2021年9月第一週のアセアンニュースをまとめました。
ビジネスに関連する、東南アジア主要国とインドのニュースのヘッドラインに、ニュースの背景にある「現地事情と解釈」を補足しまとめています。
週に一度目を通すだけで、東南アジアとインドのビジネスのトレンドが把握できるようになります。海外マーケティング担当、経営者、投資家の方向けは当noteのフォローがおすすめです。
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●タイ
タイ観光大臣は2021年10月1日からの国境開放を支持
→タイ経済は年間4000万人の外国人観光客に頼っていたため、政府も市民の懐具合も待ったなしの状況です。連日1.5万人前後の新規感染者、250人前後の死者数ですが、9月1日からは店内飲食やショッピングモール再開、ゴルフや釣りも可能になり、10月1日からバンコクやパタヤ、フアヒン、チェンマイなどでインバウンドを再開する予定です。

スマホアプリでローンのタイのモニックス、1年で融資額30億バーツ(約101億円)
→またも中国系タイ企業の躍進です。このコロナ禍でバンコクの両替所も、プロミスに変わっていますよ。タイ等東南アジアでも、アメリカで話題のBNPLサービス(今買って後で払え、手数料ゼロ。Amazonアメリカ等が採用)が主流になってきたら、国はその負債額を把握しきれないので消費者版リーマンショックが起きやすく心配です。

●マレーシア
泰馬国境のタイソンクラー県、マレーシア人入国緩和サンドボックス計画

●シンガポール
静岡県、シンガポールからドローン遠隔操作できる体験イベント、訪日旅行でのリベンジ消費の獲得を目指す
→東南アジアでも、インバウンドから貿易まで様々なオンラインイベントが開催されています。

日本アセアンセンターがシンガポールにおける非出資型貿易に関する報告書を発行:コロナ禍におけるフィンテック、データセンター産業、およびバイオ医薬品産業を促進

●インドネシア
活発化する韓国の対インドネシア直接投資、2019年以降急増、金融と自動車が牽引
→K-POPなど文化攻勢を背景に、韓国の力が着実に上がっています。アジアにおいて韓国ビジネスにあって日本に足りないものは、スピードと挑戦(貪欲さ)、そしてオシャレさと感じます。

●ベトナム
21年世界平和度指数ランキング、ベトナム50位/163か国中
→1位:ニュージーランド(1.253ポイント)、2位:シンガポール(1.347ポイント)、3位:日本(1.373ポイント)、10位:ベトナム(1.835ポイント)、最下位159位:イラク(3.257ポイント)。

コンビニ以上、5年で47→1919店舗に急拡大の小型スーパー躍進の鍵はデジタル売上4割増
→出店地選定・スピード・デジタルが成功の鍵だそうです。現在、厳しいロックダウンが敷かれているホーチミン市では、アプリやECサイトでの販売が主流です。(Photo by tambao)

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●フィリピン
ナショナルフラッグのフィリピン航空、破産法の適用申請

国内トップのフィリピン大、世界大学ランクで601~800位のグループに後退

Shopee、フィリピンへの越境EC対応へ 成功する可能性のある商品は?
ヘルスケア&パーソナルケア、化粧品、ホビー&文具、玩具、ベビー用品、家庭用品、ゲーム機器、食料品が狙い目と記事。フィリピンでは今週、粉ミルク、コーヒー、インスタント麺など生活必需品10品目の小売価格が値上げされました。これらを大多数の貧困層を狙い規模のビジネスで大量投資するか、裕福層向けに高品質・高価格な生活快適・課題解決型のニッチ商品か。いずれにしてもフィリピン以外の市場を比較検討することが、転ばぬ先の杖です。
越境ECサイトの記事なのでここでは触れられていませんが、フィリピン消費者に対し確実かつ一番売れそうなのは「訪日インバウンド」です。

●カンボジア
タイセブンイレブンがカンボジア首都プノンペンに第一号店を今週出店
→前述のベトナムのスーパーもこちらも、商品はタイCP製が多いようです。

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●東南アジア
新興アジア諸国のゲーマーは欧米や中国の数倍となる50億人!ただし課金はあまりしない
→記事タイトルの新興アジア諸国には中東や中南米も含まれます。
東南アジアでのゲームを通しての表現とその受け取られ方は、大きくムスリム国とその他に分かれます。またゲーマーのクラスタも、スマホゲームのライトユーザーと、Nintendo SwitchからPS5などコンシューマー機を持つミドル~ヘビーユーザーに分かれます。更に自作PCユーザーも一定数おり、SNSなどで各クラスタは盛り上がりを見せています。

●インド
米アップルがインドで反トラスト訴訟に直面、アプリ内決済問題で
→中国だけでなく、インドの国内事情を反映した急な規制やちゃぶ台返しは、一枚岩でなく各州の自治権が強いインドモディ政権にも言えることです。リスクヘッジの合言葉は「メイクインインド」ですね。

史上最高値を更新するインド株はバブルか? HSBC投信は強気
→GDPの大幅増を受け、インド株インデックスも過去最高値を更新です。記事のデータの通りインド小型株のアウトパフォーマンスが合理的であるならば、経済成長の基盤が整ってきているということですね。米S&P500におけるGAFAMの高比率と度重なる規制議論のように一喜一憂しないような、インド版GAFAMのような強い企業が育つ素地となることを世界の投資家は期待しています。
しかし一般的には、他にはまだ透明性のより高い選択肢が数多くあることからインド中小個別株への投資はまだ早いと思います。

●今週、タイで話題となった一枚

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タイのプラユット首相の辞任を求め、軍政に対してのデモがバンコク中心地のアソーク交差点で数日に渡り行われています。
(Photo by @KartuPos media)

次回は、来週以降のニュースの内容を見て更新します。
当社アジアクリックは訪日インバウンドと貿易輸出の脱中国頼り→東南アジアへのシフトを応援しています。
もっと詳しく知りたい方は mana@asiaclick.jp に気軽にご相談下さい。

アジアクリック 高橋学(タイ・バンコク)
http://asiaclick.jp

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