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アジアサッカー市場調査:タイ編

こちらの記事はASB(アジアサッカービジネスサロン)のコンテンツ『アジアサッカー市場調査』のサンプル記事となります。ASBではアジア各国・各地域のサッカー市場を調査しお届けしています。
ご興味のある方は https://twitter.com/asbsalon1111をご覧ください。

現在、AFC(アジアサッカー連盟)には47の国と地域が加盟しています。
アジアサッカー市場調査では、各国のサッカー事情をご紹介していきます!

第1回目、本日ご紹介する国は『タイ王国』です。

タイの基本知識

正式名称:タイ王国
面積:51万4,000平方キロメートル(日本の約1.4倍)
人口:6,641万人(2018年)(タイ内務省)
首都:バンコク
民族:大多数がタイ族。その他 華人、マレー族等
言語:タイ語
宗教:仏教...94%、イスラム教..5%
(外務省ホームページより)

国の特徴:
東南アジアに位置する南国で、平均気温は29℃と1年を通して温暖な気候です。昨年の時点でタイに住む日本人は8万1,187人、バンコクだけでも5万8,783人もいます。日系スーパーや飲食店も充実しており、日本人学校もあるため、場所によっては日本の方でもそこまでのストレスなく生活することができるのではないでしょうか。

観光スポットとしては、仏教国ならではの美しい寺院が各地にあるほか、ビーチや国立公園など自然を楽しむスポットも充実しています。夜になるとナイトマーケットが出現し、美味しいタイ料理が安価で楽しめます。

懸念事項:
国民によるデモにより駅などが占拠される事がありますが、近年は怪我人が出るような暴動にはなっていません。日本の様な地震はない代わりに雨季になると地方では洪水などの水害が起こり、被害が広がることもあります。

首都であるバンコクは道路渋滞が多いことでも知られているため、時間帯や抜け道、車線を理解して上手く回避する事が大切です。

タイのサッカー事情

組織構成:
・タイサッカー協会
・タイリーグ

組織については日本とほぼ同じ構成と考えて良いと思います。
A代表、ユース代表、女子代表を組織するタイサッカー協会(代表:Korrawee Pritsananantakul氏)、リーグとクラブを管理するタイリーグ(代表:Somyot Poompunmuang氏)があり、今回のコロナ禍のような有事の際には共に協議を行うなど連携をとりながら運営されています。

代表チーム:
監督:アレシャンドレ・ポルキン
所属組織:アジアサッカー連盟、ASEANサッカー連盟
FIFAランキング:122位
FIFA内AFCランキング:22位

今後の主な国際試合:東南アジア選手権(AFFスズキカップ)

カタールW杯予選は2次で敗退。今年9月に、それまで代表を率いていた西野朗氏に代わりアレシャンドレ・ポルキン氏(愛称マノ)が新たに代表監督に就任することが発表されました。

今後の主な試合としては、12月に東南アジア選手権(シンガポール開催)を控えています。タイ代表はAブロックに入り、ミャンマー、フィリピン、シンガポールと戦います。

リーグ構成:
・タイリーグ1部(T1)...16チーム(3+1+∞)
・タイリーグ2部(T2)...18チーム(3+1+1)
・タイリーグ3部(T3)...75チーム(3+0+0)

※括弧()内は外国人枠の数。左から「国籍が関係無い外国人枠」、「アジアサッカー連盟の管轄内のパスポート保持者のアジア人枠」、「アセアンサッカー連盟の管轄内のアセアンパスポート保持者のアセアン人枠」。

シーズン期間(2021/22シーズン):
・タイリーグ1部...2021年9月3日(金) 〜 2022年5月21日(土)
・タイリーグ2部...2021年9月3日(金) 〜 2022年4月30日(土)
 (プレーオフ)2022年5月8日(金) 〜 2022年5月29日(金)
・タイリーグ3部...2021年9月4日(土) 〜 2022年2月27日(日)
 (プレーオフ)2022年3月12日(土) 〜 2022年4月24日(日)

移籍期間(2021/22シーズン):
タイリーグ1部&2部&3部...
・前期:2021年5月5日(木) 〜 2021年7月27日(水)
・後期:2021年12月8日(木) 〜 2022年1月4日(水)

昇格・降格条件:
・タイリーグ1部...下位3チームが降格
・タイリーグ2部...上位3チームが昇格、下位3チームが降格
・タイリーグ3部...上位3チームが昇格

昨年の新型コロナウイルスによる長期休止などの影響を受け、タイリーグは今シーズンより9月開始の秋春制に移行しました。リーグ戦の他に、タイFAカップ、リーグカップ、リーグ戦王者とFAカップ王者が戦うタイランド・チャンピオンズカップがあります。

昨シーズンのリーグ王者はタイ中部パトゥムターニー県に拠点を置くBGパトゥム・ユナイテッドで、同チームは今年のACLでベスト16に入りました。

タイのACL枠は「2+2」で本戦から2クラブ、プレーオフから2クラブが出場できます。

視聴方法:
・タイ国内...AIS Play
・タイ国外...日本での放送はなし。Facebook内でミラー放送を見るのが今のところ一番簡単な視聴方法です。下部リーグはクラブの公式FacebookやYouTubeでライブ配信されている場合もあります。

主な日本人選手:
松村 亮(BGパトゥム・ユナイテッド)
小野 悠斗(サムットプラカーン・シティFC)
坂井 大将(サムットプラカーン・シティFC)
エスクデロ 競飛王(チェンマイ・ユナイテッド)
佐藤 大介(スパンブリーFC)
伊藤 卓(プレー・ユナイテッド)
片野 寛理(トラートFC)
本間 和生(サムットプラカーンFC)

日本人選手と外国人選手の状況

近年、日本人は減少傾向にあり、一時期20人近くいたT1の日本人選手は現在では5人にとどまっています。

というのも、タイリーグは秋春制に移行した関係で、選手が加入しやすいタイミングはシーズン直前の7〜8月となります。Jリーグは春夏制でこの時期はシーズン真っ只中のため、クラブ所属している選手は移籍が難しい状況です。

現に、今季タイリーグ1部でプレーする坂井大将選手、エスクデロ選手はいずれもフリーの選手、松村亮選手はT2からの昇格、佐藤大介選手はASEAN枠、小野選手は昨年(シーズン移行前)に加入し今年2年目と、新たに加入してきた選手はいません。

そうなると同じ秋春制をとるヨーロッパリーグから来る日本人選手を...ということになりますが、ヨーロッパでも下部のリーグ(リトアニア・エストニア・マルタ)でプレーする選手はクラブも欲しがらず、逆に5大リーグも含めUEFA20位前後のチームでプレーしてる選手はヨーロッパ志向が強いため、若い選手はタイリーグを選択肢に入れない傾向にあります。

最近では同じアジア枠を韓国人選手、中東の選手が入っています。

韓国はJリーグとほぼ同じ日程の春夏制を取っていますが、文化としてシーズン途中の解約を厭わない傾向にあります。また、中東はヨーロッパとスケジュールが同じなため、こちらも移籍はしやすいです。

今後の展望

タイはJリーグを見習った組織づくりをしており、Jリーグのアジア戦略でも中核的な役割を担っています。国民の間でもサッカー(特にプレミアリーグ)人気が強く、ASEAN国の中でも成熟したサッカーカルチャーが根付いています。

上位リーグのオーナーレベルになると英語が話せる人も多く、選手だけでなくスタッフとして働く日本人もいるため、新しいビジネスを始めるにも比較的話を進めやすい土壌があると言えます。治安も安定しており、遠征にも持ってこいの場所です!

当サロン内では、この様に毎週色々な国のサッカー事情をご紹介していきます。

次回は『ベトナム』です。お楽しみに!

こちらの記事はASB(アジアサッカービジネスサロン)のコンテンツ『アジアサッカー市場調査』のサンプル記事となります。ASBではアジア各国・各地域のサッカー市場を調査しお届けしています。
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