おならの話

夫のおならの回数がすごい。

本人曰く、「メタバリアex」というサプリを飲んでいるかららしい。

回数が多いので、音も多彩である。

その音を口で真似して鳴らしてみる、というのが私の暮らしの一部である。

それを夫はすごく嬉しいらしく、より一層おならをするようになった。

おならの連鎖である。

音もすごいが、会話の途中、本当に話している最中におならを出す時がある。

私もおならはするが（夫の前ではなるべくしない。母の前ではする。）、ちょっと力む必要があるというか、とにかく喋りながらするのは難易度が高いように思う。

夫は寝ているときも、等間隔で寝息を立てながら、リズムを乱すことなくおならを発することができる。

これはなかなかの高等テクニックなのではないだろうか。

先日、私は実家に帰省していた。

その時、父がおならをするのを何度か耳にした。

昔から私の父もよくおならをする。

それがすごく嫌だった。

食事中にされたりしたら最悪である。

無言で席を立ち、しばらく時間が経過するのを待ったりしていた。

しかし今回の帰省で父のおならを耳にするたび、思ったのは、「今の音、すごいな！」とか「そんな連発できるんや！」という感嘆が多くあった。

もちろん、臭かったら嫌だな、とは常に思っているが。

しかし、なかなかの音色を奏でられる父でも話しながらおならを発することはなかった。

やはり一息ついたときにしかできないと思われる。

こんな考察をしていると、なんだか夫のおならへの寛容から、私の心の広がりを感じることができた。

私を人として成長させてくれた、夫のおならに感謝なのである。