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MSCベリッシマ再乗船記(2024年2月那覇・石垣・基隆ショートクルーズ)リベンジクルーズ編

はじめに

2023年GWのベリッシマ日本初就航に乗船した我が家は、思うところあって、しばしベリッシマから遠ざかっていた。しかし、やっぱり我慢できなかった。2024年2月18日から22日にかけて行われた沖縄から台湾を巡るショートクルーズに再乗船を果たしたのである。

結論からいえば、今回は実にすばらしい船旅となった。最高だった。

今回の記事は、クルーズの合間にちょこちょこ作成したので、一昨日帰ってきたばかりであるが、この興奮を伝えるべく、早速公開といきたい。例によって無駄に長いが、個人的な旅の記録も兼ねているのだ。ご興味のある方はお読みいただけると幸いだ。

2月19日(月)昼 那覇停泊中のベリッシマのプールサイドにて

プールサイドで執筆開始

ただいま2024年2月19日月曜日のお昼である。私は今、那覇港に停泊中のMSCベリッシマの船上にいる。今日の天気は最高で、すでに初夏の陽気である。子供達は、スライダーの無限ループを楽しんでいる。私は横のカフェでドリンクをいただきながら記事を書きはじめた。

そう。我が家は帰ってきたのだ。あのMSCベリッシマに。GWにちょっぴり悲しい思いをした我が家は、夏に予約していたベリッシマをキャンセルしてしまった。その代わりに勢い余ってバンコクのウォルドーフアストリアに5連泊をかましてやった。やはり素晴らしいホテルだったし、鉄板観光地のタイは楽しかった。

遺跡の前で話題のポーズをとる一家
無駄に広いウォルドーフ・アストリア・バンコクの部屋

しかし、どうしても気になるではないか。あの船のことが。気が付けば、X(ツイッター)でベリッシマを検索している自分がいた。妻も同様のようだ。ベリッシマの最新情報をめざとく検索して報告してくる。果たして、このままでよいのだろうか?

思えばMSCには、いやベリッシマには悪いことをした。私の前回の乗船記は、基本的にネガティブ情報であり、書きっぱなし載せっぱなしはよろしくない。それに、ベリッシマの動向を追っていると、その後かなり改善されている様子が窺われる。むしろベリッシマの魅力に取り憑かれているクルーズファンが多いようだ。

これはぜひ再乗船して確かめねばなるまい。しかし、もう一度ヨットクラブは、万一のときのダメージが大きすぎるし、本来のベリッシマの良さを知るにはむしろ格安クルーズの方がよいのでないか。そういう訳で今回は内側キャビンを予約した。

このプラン、平日のおかげかめちゃくちゃ安かった。遊ぶなら平日に限る。しかも、今回のクルーズでは、あの旅行系ユーチューバーおのださんもオフ会企画とやらで乗船するらしい。これは楽しみだ。ぜひお会いしたい。我が家では夕食時におのださんのベリッシマ動画を流し、気分を高めさせてもらった。予習はバッチリである。

このような次第でMSCベリッシマへ再乗船を果たした訳だが、今のところ、我々はとても楽しんでいる。

妻は今朝は6時から船内探検をして、昼前にはドリンクパッケージのノルマをクリアしたと嬉しそうである。家族みんなでデッキでエクササイズをした後は、ビュッフェでゆっくりと朝食をとった。そして、子供達をプールに連れてきて、いまここに座っているわけである。すでに満足である。ゆったりとしていて、それでいて充実している。

爽やかな朝がきた

前回のGWと比べて、なんだろうこの余裕。これは前向きな乗船記が書けそうだ。まずは、昨日のことから書いていこう。

乗船したのは昨日の夕方である。朝の飛行機で那覇につき、乗船までの間は、ホエールウォッチングに参加した。家族みんな初めてクジラを見て、割と充実したアクティビティとなった。クジラ見物を終えると、ちょうど荷物の預け入れが可能な時間となったので、タクシーで港へ向かった。

那覇空港沖に普通にクジラがいた

実は、事前の案内では、我が家は夜の10時半に乗船せよという指示がなされていた。いくら何でも遅くないかと思うのだが、私はステータスマッチでMSCのダイヤモンドステータスを持っていた。これでアーリーチェックインが可能かを聞いてみると、あっさり手続きに進むことができた。

恐る恐るチェックインエリアに入っていくと、だいぶ空いている。しかし、油断はならない。息子の顔にも少し緊張が伺える。気になっていたヨットクラブエリアに目を向けると、快適そうなソファーで乗客がくつろいでいる。我々のときは何で集団接種仕様のパイプ椅子だったのだろう。バトラーがシャンパンをサーブしている。妻の目が険しくなる。

奥には快適そうなヨットクラブエリアが広がる

しかし、我々の待機エリアも負けてはいない。十分な数のパイプ椅子が並んでいるし、何より案内がスムーズだ。シールを渡され、呼ばれるまで待機するよう指示される。それにミネラルウォータやティーなどの提供カウンターが設けられている。これで充分だ。しばし待つと直ぐに案内があった。あまりのスムーズさに息子も驚きを隠せないようだ。

受付の女性がチェックインで恒例の写真撮影をしてくれる。タブレット端末で写真データを船に送っているようだが、「Wi-Fiがここは遠いんですよ」と笑いながら、タブレットを頭上に掲げている。タブレットを船に向かって高々と掲げると通信が回復して送信完了になるのだ。何かの儀式のようだが、ちょっと楽しい。かなりノウハウが貯まっているようだ。昨年のGWならこの時点で受付クローズであろう。オペレーションのこなれ具合に期待が高まる。

ベリッシマへの祈りを終えると、クルーズカードがすぐに発行された。もちろんパスポートも預かってくれた。記念撮影を終え、すぐに乗船するよう案内される。驚くべきスムーズさだ。本当に乗っていいの?警戒体制の息子の顔もほころびはじめた。今回はイケてるんじゃないか?ベリッシマの巨大な船体を前に、我が家のテンションはすでに上がりつつあった。

写真撮影する余裕もある

前回バトラーのお迎えはなかったが、今回はもちろんいない。意気揚々と乗船すると、さっそく自力で客室へ向かう。今回はコスパ優先の内側客席だが、中を見て驚いた。めっちゃ広い。入り口とベッドの間に、スーツケースを広げるスペースが十分にあるし、収納も必要十分である。機能的で綺麗だ。外が見れないのは確かに残念だが、価格差を考えると納得である。海を見たければ16階のデッキへGOだ。

今回は男チームと女チームで2部屋に分かれた

部屋をみて皆「いいじゃんいいじゃん」とご機嫌そうだ。乗船までストレスがないとこんなに盛り上がるのか。やはり第一印象は本当に大切だ。今回の船旅は楽しくなる予感しかしないし、早く船内を探検したい。

部屋で一通り盛り上がった我々は、船内をかるく巡ることにした。スワロフスキー階段ではしゃいで、その後デッキへあがって海を眺めながら一息つく。妻が2週間も悩んだ挙句に付けたドリンクパッケージで、早速ビールとマジックアイランドで乾杯である。

乗船して30分後にドリンクパッケージ利用開始

その後は夕食だ。今日は乗船日ということでレストランの指定はない。ヨットクラブレストランとの違いが気になっていたのだが、基本的な味付けは同じであるように私は感じた。食材の違いくらいなのだろうか。なお、クルーズ船の食事は、にっぽん丸がダントツである。しかし、ベリッシマの食事も、外国船としては十分だ。

食事を終えるとスワロフスキー階段での自主撮影会で盛り上がり、カフェでくつろぐ。やっぱりドリンクパッケージをつけて正解であった。娘が前回実は欲しかったというチョコレートを購入し、部屋に戻ると、ショーの時間である。今夜はマジックショーだ。妻は前回見たので、私と子供達だけシアターに向かう。妻は部屋で荷物の整理と役割分担だ。我々にも確実にノウハウが溜まっているのだ。

マジックを楽しんだ我々が戻ると、部屋の整理が完了していた。バトラーがきたのかと思ったが、妻による見事な仕事である。今回のために購入した全身キラキラのドレスに娘を着替えさせ、写真撮影に向かう。気分がよいので子供達のノリもよい。なお、船では夫婦のみの写真も撮られるのだが、カメラマンにもっと寄れ!腰に手を回せ!と指示される。みんな照れているのがとても良い。

煌びやかな妹を激写する兄

ちなみにMSCの写真はなかなかのクオリティであり、我が家は毎回大量に購入している。ただし、価格設定が毎回よくわからない。今回も前回まであったデータが貰えるパッケージがなくなっていた上、スタッフごとに説明が微妙に異なる。毎回システムが変わるせいでスタッフも大変そうだ。

そういえば2018年のスプレンティダにいたバイトの大学生は、いろんな人に怒られて大変そうだった。「一緒に乗った友達はカジノに配属されてすごい暇らしいです。僕もカジノにいきたいです。。。」と言っていたが、彼は元気だろうか。渡されたDVDディスクをチェックしたら空っぽで大慌てで焼き直してもらったのも良い思い出だ。

さて、写真撮影会が終わると、お待ちかねのパーティである。今日は、屋外プールのあるデッキでサンシャインパーティだ。どこにいたのやらワラワラと乗客が集まってくる。そして、いつもながら見事なMCにより、最初からおおいに盛り上がる。みんなついつい乗せられて、全員で一列になって電車ごっこをしたあとは、みようみまねで踊る。最後はお待ちかねのアレアレ、Magic in the air が流れ、船上の盛り上がりは最高潮に達する。毎度のことながらMCの腕には魅了される。

いきなりアレアレ!

パーティの後は夜のデッキを歩き、ビュッフェからオレンジを持って帰って百均で買ったレモン絞りでフレッシュジュースを作る。ヨットクラブのルームサービスでフレッシュジュースを頼んでもいっこうに届かなかったが、こうして自分で絞ったほうが早いし、息子はこちらのほうが楽しそうだ。ツイッターの叡智に感謝である。

こうして充実の1日目を終えた。夕方から乗ったとは思えない満足感である。

今日はずっと那覇に停泊しているのであるが、我々は船内で体力温存の予定である。これから今回の最重要ミッション、息子の塾の宿題消化とオンライン授業に付き合わなければならない。しばし旅行気分とはお別れである。

2月20日(火)早朝 石垣島へ向かう航海中の船尾にて

おはよう。

今日は素晴らしい目覚めであった。基本的に朝が苦手な私がなんと朝6時にスパッと目覚め、外の様子を見てみようとデッキにあがると、ちょうど朝焼けの時間であった。石垣島に向かう途中で、船はまだ航海中である。

ビュッフェで軽い朝食とコーヒーをもらい、船尾のテーブル席に座る。素晴らしい眺めだ。私はいま、最新鋭の大型クルーズ船から、最高の景色を眺めている。本当にこれは格安クルーズなのだろうか。しばらくすると美しい朝日がのぼる。今日も素晴らしい1日になりそうだ。

成功者(内側キャビン)の和定食

船に戻ろうと船首方向へ歩いていると、向こうから美しい女性が歩いてくる。誰かと思えば我が妻ではないか。何の連絡も取り合っていないのに、妻も船尾で朝日を眺めたい気分だったようだ。調子がいい時は、こういうタイミングも都合よくあうものだ。微笑みあい、久しぶりに二人で自撮りなどしてしまう。自然に腰に手を回しても拒否反応がない。ありがとうベリッシマ。

気分がよいので、妻と再度船尾に戻り、しばしゆったりと過ごしている。さて、昨日の出来事を書いていこう。

昨日の我が息子は頑張った。学校サボってクルーズ船にのるという浮かれた状況において、男子小学生がプールで遊んだあとに塾の宿題と授業動画の視聴という苦行をやり遂げるとは思わなかった。彼は見事やり遂げたのだ。しょっちゅう消しゴムをいじってたような気がするのだが、やったということ自体が重要だ。これで明日の石垣島は遊べるぞ。

いまは新5年生スタートの大事な時期らしい

旧来の発想でいえば、旅行中に約数の勉強をするなど正気の沙汰ではない。しかし、今はリモートワークの時代である。気持ちを切り替えてささっとタスクを処理する力を身につけたならば、きっと役にたつ。大人になっても、こうして旅行ができる男になれるはずだ。彼は今、算数よりも大切なものを学んでいると信じたい。

男二人で現実と戦っている間、妻と娘は船内をウロウロしたり休んだりしていたそうだ。任務を終えて妻の居場所を聞くとビールバーにいるとのこと。どうやらドリンクパッケージのノルマをこなしているようだ。ご苦労なことである。その後は、テーブルサッカーで盛り上がって息子のテンションも戻ってきた。次はショーの時間だ。

盛り上がるジンベエたち

ショーといえば、前回の最初のショーは正直うーんという感じであった。ロックがテーマのショーであったが、ただひたすら歌っている感じだった。プログラムによれば、今日もロックである。子供達の集中は切れてしまわないだろうかと心配したのだが、今回はすばらしかった。全体としての仕上がりが全く違うし、そもそもこんな人いたっけ?という見せ場もあり、大満足であった。

その後はゆっくりと夕食の時間を過ごす。今日から席と時間は固定である。みなそれぞれリラックスして過ごしている。食事を楽しんでいると、どうやら船が出航したようだ。そうか。こんなに楽しんでいるのに、まだ船は出航すらしていなかったのか。このまま明日下船しても満足できそうだが、船旅はこれからである。自然と顔が綻ぶ。

食事を終えると、妻と二人でダイヤモンドメンバーのパーティに向かう。大人限定のバーなので、雰囲気も少し落ち着いている。オフィサーたちと乾杯し、夜がふけていく。船は最初の寄港地である石垣島に向かっている。

大人の時間

こうして充実の2日目を終え、3日目のベリッシマはまもなく石垣入港というところだが、子供達はまだ夢の中だ。クルーズで石垣に来るのは3回目だが、初回はビーチで遊んだくらいで、2回目はがっつりシュノーケリングをした。今回は石垣島ではレンタカーを借り、割とメジャーどころを回る予定である。娘が楽しみにしているリスザルには会えるだろうか。

2月21日(水)朝 基隆停泊中のベリッシマのカフェにて

おはようございます。割と探しているのだが、まだおのださんに会えていません。そろそろやばいぞ。前回のGWのバトラーなみのレアキャラなのかもしれない。おのださんいなかったねーと娘に言われてしまう。

さて今日は少し寝過ごして、気がつくと基隆についていた。昨日はリスザル超可愛かった。つぶらな瞳をみていると、実家に預けてきた愛犬を思い出す。元気だろうか。旅行で実家に預けるといつも太って帰ってくるので多分元気だろう。犬は良い。旅行を終えるのは残念だが、愛犬が待っていると思うと、ダメージが少ない。

ちょうどリスザルくらいの頭の大きさ

昨日は、はじめて船を降りて観光をしたわけだが、スケジュールにだいぶ余裕を持たせていたので、それほど疲れることなく過ごすことができた。夜ご飯を食べている間に那覇を出て、朝起きたら石垣についているのだから、便利なものだ。ちなみに私はクルーズ以外で石垣に来たことはない。妻は東京にいるころに何度か来たらしいが、鹿児島からだと直行便もないので、割と遠いのである。

10時に石垣港に入港したが、子供達はしばらくプールで遊んでいた。今日も天気が良く気候も良い。ジャグジーも空いていて快適だ。船から下船の状況を確認すると、みんな観光に出発しているが、大きな混乱はなさそうである。万が一にも下船の渋滞に巻き込まれないよう、我々は11時半ころに下船の予定だ。

海も泳げそうな陽気だった

そろそろ時間だということで部屋に戻ると、スパークリングのボトルとマカロンが届いていた。ダイヤモンドメンバーの特典のようだ。ダイヤモンド初心者相手にこんなことしてくれるなんて誠に申し訳ない。妻にボトルの到着を報告し、いよいよ石垣上陸である。下船口はガラガラで、並ぶことなく石垣の地を踏んだ。

ありがとうございます!でもマカロン買っちゃったよ!

船の外では、市街地へ向かう巡回バスとタクシー待ちの長い行列ができていた。我が家はそのどちらも並ばすに駐車場に出ると、レンタカー屋のお兄さんが出迎えてくれた。どうやらレンタカーを駐車場まで持ってきてくれているようだ。てっきり店舗までピストン輸送するのかと思っていたのだが、停めてあるレンタカーに乗せられ、車内で書類にサインすると、そのまま出発できた。快適だし時間の無駄がない。

石垣島での予定は、川平湾でグラスボートに乗るのと、やいま村でリスザルと戯れるくらいだ。おそらく3時くらいには帰れるであろう。旅では無理をしないことが肝要だ。グラスボートは、いままでたくさんシュノーケリングしてきたので、正直そこまで期待はしていなかった。ウミガメもクマノミもたくさん見たことあるし、なんならクマノミは自宅で飼育している。

しかし、船にのって海中を観察するというのは、思いの外良かった。体力を消耗しないからずっと見ていられそうだ。船だと日光が遮られて肝心の海中が影になるのが残念だが、青い珊瑚礁など見事なものだ。息子も久々の海を見て、今年の夏も奄美へ行きたいと言い出した。今年もクイーンコーラルにのるべきだろうか。

今年も潜るぞ!

ボートを降りて川平湾で記念撮影を終えると、次はいよいよリスザルに会いに行く。写真を見ていて可愛いというのは知っていたのだが、本物の可愛さは予想以上であった。なんというか動きが可愛い。腕に乗ってもらいたい娘がずっとラブコールを送りつづけ、ようやく乗ってもらった時にはもういい時間になっていた。

手触りもよかった

予定通り3時頃に船へ戻った。レンタカー屋のお兄さんは相変わらず爽やかだ。レンタカーを降りてそのまま船に乗れるのだから、ずいぶんスムーズである。評価を書いてくれると嬉しいとのことだったので、ここでも紹介しておこう。石垣を快適に巡るなら、MamRexレンタカーさんでレンタカーを借りよう!

さて、船に戻り、デッキでパソコンを広げて仕事を片付けていると、妻からラインが届く。子供達を昼寝させることに成功したので、夫婦でビアバーへ行こうとのお誘いである。これはよい。1時間ほど寝かせておけば、子供達は夜も機嫌良く過ごすであろう。

夫婦水入らずでゆっくり過ごしていると、今夜もショーの時間となる。今日は、ライブフロムMSCベリッシマだ。昨年のGWに最後にみて感動したやつだ。期待して見に行ったわけだが、これまた期待以上であった。やはり以前と仕上がり具合が違うように思う。本当に無料で見てよいのだろうかというレベルだ。

観客も大盛り上がりのショー

ショーが終わると食事である。今日の夕食は、妻と娘チームと私と息子チームに別れることになった。私はどうしてもステーキが食べたくて有料レストランを予約したのだ。前回はせっかくのヨットクラブレストランがあるので、有料レストランには行かなかった。

なお、2018年のMSCスプレンティダでは、火鍋とステーキにハマってそれぞれ2回ずつ行った。有料レストランのレベルは、明らかに無料より高い。今回のステーキも実にうまかった。そういえばクルーズ前日にジビエを食べる会に誘われてクマとシカとイノシシを食べたのだが、やはり肉は牛に限る。

フィレ肉8オンスを平らげた息子

レストランの店内は、台湾人だらけであった。一族郎党を連れて大きなテーブルでガンガン高級ステーキとシャンパンを頼んでいる。こうなるとMSC的には台湾人のほうがありがたいだろうなと思う。カジノも日本人はせいぜいスロットをするくらいで、テーブルでディーラーと真剣勝負をしているのはほとんど台湾人のようだ。がんばれニッポン!

食事を終えると、妻と娘と合流し、カメラマンに写真を撮ってもらい、前回大混雑でできなかった息子念願のビンゴゲームにも参加した。ただ、子供達にとっては、日本の忘年会みたいなノリのにっぽん丸のビンゴ大会のほうが性に合うようだった。

そうこうしてるうちにホワイトナイトの時間だ。プールサイドのデッキでやるのかと思ったら、船内のプロムナードでやるとのこと。人がどんどん増えていく。明日下船の台湾人が最後の夜を楽しもうと皆参加したのか、大変な混雑だった。ガラガラよりはいいのだが、ちょっと狭い。

大混雑のアレアレタイム

パーティがはじまるも、あまりの混雑に我が家はちょっと盛り上がるタイミングを逃してしまう。しかし、後半なんとか場所を見つけて一緒に盛り上がる。そして最後は、恒例のアレアレだ。アレアレが終わると、音楽が続いてみな一列に並んで音楽にあわせて進む。すれ違う皆とハイタッチする。台湾人も日本人も老若男女みな最高の笑顔だ。ありがとうベリッシマ!

この電車ごっこみたいなのは何ていうんだろう?

2月22日(木)夕方 那覇港停泊中のベリッシマのラウンジにて

もう那覇に着いてしまった。ただいま下船の順番待ちでプロムナード側のラウンジの椅子でくつろいでいる。我々の下船時間は結構おそいのだが、席は空いているし、飲み物を飲みながら待てばよい。妻はもうずいぶん飲んでいるが大丈夫だろうか。ドリンクパッケージはもう十分元が取れているはずだ。

これは朝の9時です

さて、クルーズ旅もいよいよ終わりである。あとは下船して、飛行機で自宅に戻るだけだ。本当に楽しかった。

基隆からはウーバーでポケモンセンターに向かった。30分ほどで到着すると、ポケモンセンターは大変に賑わっていた。デパートの3階にあるのだが、他のテナントはガラガラなのに、ここだけ人が多い。さすがはポケモンである。日本文化のパワーを感じ、すこし嬉しくなる。日本経済に貢献すべく、子供達の無駄遣いに付き合うこととした。

ポケセンに向かう息子

お昼は、知人の台湾人と合流して一緒に食事をした。彼は鹿児島在住なのだが、旅行関係の会社をしており、たまたま台北に仕事に来ていたのだ。忙しいところ、時間を割いてわざわざ来てくれた上に、たらふく小籠包をご馳走になってしまった。まことにありがたい。

ちなみに台湾人の日本旅行熱は、今とても高いらしい。今回のベリッシマも台湾人の方が多い。というか台湾国内は高いから日本に行くそうだ。円も安くなり、昔は1台湾元に3をかければよかったのが、今は5をかけて計算しないといけない。どうにも残念な話だ。がんばれニッポン!

台北から基隆への帰りは、知人の勧めでバスをチョイスした。これまで基隆・台北間の移動では、電車・タクシー・ウーバーと色々利用してみたのだが、バスが一番快適で、なにより安上がりであった。基隆では台湾人が新たに乗船するので、入り口が混雑するのではと心配したが、きちんと動線が分離してあり、すんなりと船内に戻ることができた。

KEELUNGにスシローが映り込むのはどうなんだろうか

基隆を出航したのは夕方5時だった。まだ外は明るいので、せっかくならとデッキで出航を見届け、いよいよ最後の夜となった。ドレスコードはエレガントということで、娘はドレスに着替え、またまた写真撮影である。そろそろ子供達がいい加減にしろという顔をしている。しかし、娘のドレス姿は何枚とっても撮りきれないものだ。

ドレスを脱ぎたがる娘を説得し、食事会場へと向かう。メニューをチェックすると、残念ながら今回のクルーズではロブスターは登場しなかった。みんなダブルポーションやりすぎて食材が切れたのではなかろうか。X投稿によれば、モッツアレラも材料切れらしい。もう一度乗れということであろうか。わかりました!

気合の入った衣装でレストランに向かう

さて、最後のディーナーであるが、嬉しいサプライズがあった。食事も終わろうかというころ、スタッフが突然ハッピーバースデーを歌い始めた。おお誰かの誕生日かと思って拍手していると、ケーキをもったスタッフがこちらに向かってくる。ケーキとの距離が1メートルくらいになったところで、思い出した。そういえば私の誕生日だわ。

慌てて立ち上がり、拍手をしてくれるみなさんに頭を下げる。誠に照れくさいが、今までの誕生日でこれほど拍手をもらったことはなかった。妻に聞くと、他の人がサプライズしているのを見て、娘がパパにもやろうと言い始めたという。私のために、妻と娘が準備してくれたのだ。私の目の前には、女神と天使がいる。さらに顔がほころぶ。ありがとうベリッシマ。ありがとう女神様。ありがとう天使ちゃん。

私は前世でどれだけ徳を積んだのだろう

それにしても、上記の妻の話には重要な情報が含まれている。娘のパパをお祝いしたいという気持ちに疑いはないものの、万が一にも単にケーキが欲しかった可能性もある。しかし、娘がパパの誕生日を覚えていたという事実は揺るがない。娘の記憶には、確かに私の誕生日が祝うべき日としてインプットされているのだ。ありがとうベリッシマ。

思わぬイベントにすっかり気をよくしたまま、ご機嫌でプロムナードに向かうと、あの人がいた!おのださんではない。いつも館内放送やショーでおなじみのMCノリコさんである。コスタネオロマンティカでのご活躍も拝見していたのだが、初めて声をかけさせていただき、一緒に記念撮影をさせていただいた。やはりノリコさんの声を聞かねば外国船に来た気がしない。とても素敵な方だった。

その後は、最後のパーティに参加する。今夜はスペースパーティだ。今回も会場はプロムナードで、なかなか場所が取れず、後方で参加することにする。息子とアレアレしていると、息子が何か言っている。聞き返すと「また旅行いこうよ!」と叫ぶ。前回は2日目に帰りたかった息子だが、今回はクルーズを満喫したようだ。宿題やるならいいよ。

どの辺かスペースなのかというとダンサーが光っているのだ

夜のデッキを歩き、今回のクルーズを振り返る。とても楽しかった。すばらしいクルーズの余韻に浸りながら、最後に船をぐるっと一周し、おのださんを探す。しかし、いない。やはりレアキャラだ。

翌朝めざめると、まだ船は沖縄に向かって航行中であった。着港はお昼過ぎを予定しており、午前中に余裕があるのはありがたい。2023GWのように朝はやく部屋を出ろと言われることもないのだ。船尾で航跡をながめながら、朝食とコーヒーをいただき、スーツケースに荷物を詰める。

沖縄に向かって航行中

下船の準備ができても、まだ余裕があるので、子供達をプールに連れていく。妻は最後のバー巡りだ。毎朝通っていたら顔と名前を覚えられたらしい。そうこうしているうちに那覇港に到着した。これで今回のベリッシマの旅は終了である。

今回の旅は天気に恵まれ、今日も気持ちのよい晴れ間が広がっていた。もう一度船尾のほうでゆっくりドリンクを飲むことにした。バーを離れて、下船の状況を確認していると、息子が「パパ!いた!いたよ!」と走ってくる。クジラでも見つけたのかと振り返ると息を切らせた息子が「おのださんいたよ!」と報告するではないか。

なんとこのタイミングでおのだチャンス到来である。あわててバーのほうに戻ると、人だかりができている。オフ会企画で乗船した皆さんとおのださんで、記念撮影をしていたのだ。しかも、我が家が座っていたテーブルの横でである。奇遇ですねー!

記念撮影が終わり解散すると、おのださんはまだその場に残って何やら数名の人と話をしている。名刺交換してたりして、ひょっとしてビジネス中かもしれない。邪魔をしてはならぬと思いつつも、熱い視線を送っていると、おのださんがこちらのほうを見てくれた。これは話かけてもいいですよのサインに違いない。こういう芸当ができるのは根っからのいい人だ。

妻がこの機を逃すまいとおのださんに駆け寄り声をかける。いいぞ。さすが私の妻だ。そして、念願のおのださんにご挨拶ができた。いい人そうだなと思っていたが、本当にいい人だった。握手してもらって、一緒に写真も撮らせてくれた。これでミッションコンプリートだ。

このあとおのださんのオフ会の記念撮影が後ろで始まった

そして今は、最後のドリンクタイムである。広いソファーでゆっくりと下船の時を待つ。妻はご機嫌でスタッフに声をかけまくっている。英語一ミリも喋れないのに、どうして意思疎通ができるのか不思議だ。ひょっとしたら、できていないのかもしれないが、楽しそうだからよしとしよう。そろそろ真面目に英語の勉強すりゃいいのに。

油断してたら英検の面接予行が始まった息子

2月22日(木)夜 自宅リビングにて

自宅に戻ってきた。マジで大変だった。その顛末を話そう。念の為に言っておくとベリッシマのせいではない。

船を降りるまではよかった。特に混むこともなく下船口を通過し、途中で船体をバックに記念撮影もした。妻は「ちどりあしー」といいながらご機嫌でふらふらする真似をして、子供達も一緒に真似をしている。実に微笑ましい状況であった。

タクシー乗り場を見ると、結構な行列だ。しかし、市街地行きの巡回バスの列は空いているようだ。そこで、バスで県庁前へ行き、そこからタクシーかモノレールで空港に向かうことにした。お金も節約できるし、ちょうどよい。今回は何もかもうまく行く。ところが、バスに乗りこんで数分後、ふと妻に話しかけると、なんだか彼女の様子がおかしい。

悪夢の始まりである。

この顔は見覚えがある。お酒の飲み過ぎだ。千鳥足は真似事ではなく、本物だったのだ。実に面倒臭いことになった。船を降りた瞬間に酔い始めるとはどういうつもりであろうか。今から疲れた子供2人と大荷物をかかえて鹿児島に帰らねばならないのだ。船なら部屋で寝てればよいが、あいにくさっき下船したばかりだ。それにしてもひどい顔色だ。誕生日サプライズをしてくれた私の女神様はどこに行ったのだ。

這々の体で空港に着くと、元女神はどうやら少し回復した様子である。ところが「なんか急に良くなってきた。私のアルコール分解能力すごくない??」「私すごい」とウザ絡みしてくる。どうみても彼女は未だアルコールの影響下にあるのだが、自覚がないようだ。面倒だが、否定するともっと面倒なので、あまり反論しないことにする。

その後も酔っ払いは絶好調で我々を振り回し、家に帰ると同時にダウンした。お腹が空いたとコンビニで食料を買い込んだくせに、「何も食べられない」「もうお酒飲まない」と言いながら犬を抱えて寝室に消えて行った。お酒は悪くない。お前が悪いのだ。ドリンクパッケージをつけたのは失敗であった。

そういうわけで、私は今疲労困憊で自宅のリビングにいる。テーブルの上には、なぜか倍量の麺が投入された鍋焼きうどんが手付かずで残されており、子供達は大音響でアレアレを流しながら風呂に入っている。子供達が戦利品を取り出したため、床にはスーツケースの中身が散らばっている。カオスである。

本当は締めの記事は、空港のラウンジにて、宿題に取り組む息子の隣で、優雅に書き上げる予定だったのだが、とてもじゃないがそんな余裕はなかった。よもや我が家のオペレーションが破綻するとは思わなかった。ともあれ、気を取り直して、今回のベリッシマの総括といきたい。

まとめ

今回のベリッシマの旅は誠に素晴らしかった。スタッフの習熟度は向上し、オペレーションもこなれていた。全てにおいて余裕があった。あのGWは何だったのだろう。私はたしかに前回の記事で「なんとかするだろう」と書いた。MSCは本当に何とかしたし、仕上げぶりも見事である。ベリッシマの全スタッフに心よりの拍手を送りたい。もう一度乗りたいし、これなら自信をもって人に勧められる。

特にGWに初めてクルーズに乗ったみなさんは、ぜひ再挑戦してほしい。ベリッシマはリピートすべき船である。ベリッシマはあなたを迎える万全の準備を整えており、2回目だと乗客のほうも勝手がわかっていてお互いにとってハッピーである。内側キャビンで十分なので、みんなでベリッシマに乗ろうではありませんか。

船はよい。乗船しただけで非日常感を味わえるし、ドレスアップしてショーを見たあとは食事を楽しみ、踊り狂って眠れば、次の寄港地に着いているのだ。考えただけで楽しいだろう。時間とお金が一定程度必要だが、時間さえ工面できれば、それほど高いものでもない。お金が理由で乗らないのは勿体無い。

奇しくも今日は、日経平均株価の終値がバブル最高値を超えた日である。喜ばしいが、単に現金の価値が下がった結果に過ぎないようにも思われる。お金は使うものであり、溜め込んでいる場合ではない。いつまでも家族で旅行ができる訳でもない。今すぐベリッシマを予約しようではありませんか。

もし私が明日死ぬとしたら、多分走馬灯のBGMはアレアレである。死ぬ時にアレアレが流れるなんて最高ではないか。妻は道中「明日死んでも悔いはないかもしれない」と言っていたが、それくらい充実していた。彼女は今、早くも死にそうになっているが、もし明日起きてこなくても悔いはあるまい。今頃アレアレが頭の中で流れていることだろう。

思えば良い時代に生まれたものだ。船で優雅に遊んで飲んで海外を含む各地を巡るだなんて、昔はそれこそ貴族でもない限り無理だったろう。貴族でも無理かもしれない。今の時代にベリッシマに乗らないなんて、火星旅行ができる時代に、ただ宇宙船を眺めているようなものだ。その船、乗れますよ?

ぜひみんなにベリッシマに乗ってほしい。私は自信をもっておすすめする。一生の思い出となる最高の体験があなたを待っている。ただし、飲み過ぎにはご注意を。

ドリンクパッケージには気をつけよう!

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