『自由の庭』シリーズ/加藤基之

手についた土をパンパンと小気味いい調子で叩いて落とす。
最近は少しだけ学校に来るのも楽しいのだ。加藤はみずみずしく生えたハーブに手をやると小さく笑った。
「お茶でも淹れようかな」
そうすれば、きっと彼は涼やかな目元を微かに丸く見開いて小さく息を吐くのだ。
仕方がないというように。


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