えびすくんと大黒くん

死にたい、と彼は言う。
けれどそんなのはただの言葉遊びだと僕は分かっている。
男にしては長い髪の毛をくるくると指でもて遊びながら、視線をついと僕へ向けた。
その瞳に写った姿を見て思う。
僕では彼の退屈を紛らわすことは出来ないのだ、と。
夕暮れに赤く染まった彼を見て小さく息を吐いた。


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