俳優たちが安心して演技出来る為の存在、インティマシーコーディネーター

インティマシーコーディネーターという職業。
この人たちの活躍がカギになる時代だと僕は思った。

先日僕はテレビで偶然インティマシーコーディネーター(長いので以後IC)という職業がある事を知った。テレビや映画などに存在するセックスシーンや裸になるシーンについて、監督や俳優と調整をする人たちだそうだ。

何気なく見ていたがテレビドラマなどで俳優らがキスをしたり、抱き合ったり、ベッドシーンを演じるものが結構あったりする。いずれの作品にも監督が存在し、その人が思い描いた世界観を表現出来そうな俳優を選んで撮影しているだろう。だが選ばれた俳優たちは自分が演じるシーンを何処まで許容して演じているのだろうと僕は昔から思っていた。

僕は男性俳優側の事がとても気になっていた。キスシーンや性的なシーンを演じるとなると男性の場合、特に気にしなければいけない事がある。

それは不意に勃起してしまうかもしれないという事だ。
演技とはいえ実際にキスをしたり、セックスをしているかのように見せるシーンではある程度接触が必要となる。それに加えてほぼ全裸に近い姿で撮影する事になるだろう。そうなると俳優であるとはいえ、性的な感情を全く無にして演技する事は難しいだろうと僕は思っている。

仮にもドラマの中の人物は相手に恋心を抱き、好意を持ってキスをしたりセックスをしている訳だから、その感情や想いが俳優にも流れてくる事だって十分あり得る事だ。一部例外の暴力的セックスシーンもあるのだろうが、感情的になるという点では同じだと考える。

男性俳優からすれば勃起した姿を相手の女性俳優に見られる事や、周囲のスタッフに見られてしまう事は精神的に大きな負担になってしまうだろう。
人前でキスや疑似セックスをする事はたとえ俳優であっても恥ずかしいし、何より素肌を晒した上に勃起をした事を見られてしまえば今後の演技に支障をきたすかもしれない。

女性俳優の場合もやはりドラマの撮影とはいえ、男性とキスをしたり体を触れられるシーンがあると不安に感じる事はあるだろう。
自分が望んでいない事を相手にされたり、監督の要求を拒めず過剰な性的シーンを演じさせられてしまうかもしれないという事は十分に有り得る話だから。

最近では監督、男性俳優によるパワハラ、セクハラを告発する女性俳優が増えているのでICという人たちは欠かせない存在になってくる。
ICがいる事は同時に男性俳優自身を守る事にも繋がってくる。
それだけICという存在はとても重要だと僕は考える。

俳優たちが性的なシーンによって自身の尊厳を傷付けられたり、精神的に苦痛を味わう事が無い様に最大限配慮をして欲しいのだ。
俳優になった事を後悔するような事だけは起きて欲しくない。
俳優になって良かったと思えるになって欲しい。

俳優自身が自分で演じてもいい演技のさじ加減を申告出来るのはとても大事な事。俳優あっての作品作りなので、俳優の意志を尊重しながら素晴らしい作品作りをしていただければと僕は思っている。

ICという存在は監督の想い描いたものに限りなく近付ける為、
そして俳優を守る為に必要不可欠な存在になってくる。

全ての俳優たちが安心して演技に取り組める環境をきちんと整えて欲しいと僕は願う。

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僕は性的な話が絡んでいる時、男性側の立場で考える事が多い。
これには理由がある。

大手メディア等は性的な話が絡んでいる時、女性側から見た立場の想いを
僕たちに伝えてくれる事が多い。
それはそれだけ女性側が性的被害を受けやすいという事でもある。
その事実はしっかり受け止めなければならない。

だが男性でも女性と同じような性的被害を受けている人はいる。
性的被害が無いにしても、嫌な想いをしている人たちは確かにいる。

女性の被害者が圧倒的に多いのは事実だが、
その中に埋もれてしまっている男性の被害者の事も考えて欲しい
、という想いから僕は男性側の立場に立って想いを書いている。

僕はこれからもそのスタンスを貫いていこうと思う。

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