【第7回】極めよ、ローカル1800道(仮) | 6/8(土)函館10R 松前特別

待ちに待った夏競馬、やっていきましょう。


コース考察

まず函館1800mに求められる適性をコース形態から考えていきたい。
函館は中央競馬全ての競馬情報の中で最も直線が短い。よって他のローカル競馬場のように先行馬が有利と考える人が多いだろうが、過去のレース結果を見てみると意外にも差しが決まっている事が分かる。一見不可解にも思えるこの傾向はコース形態から説明がつく。向正面の入りから3.4コーナーの中間にかけての約3.5Fにおいて3mの高低差を有する緩やかな上り坂が続く。この上り坂こそが差しを可能にしている要因で、この長い区間において持続的に脚を使わされる事で、タフな洋芝も相まりスタミナの消費が必然的に生じる。結果的にレース質がタフなものとなる事で先行負荷が少なかった差し馬が台頭してくる。また、上り坂が終わった後の4コーナーからゴールに掛けての約2Fの下り坂も差し馬に味方しやすい。コーナーで仕掛けた差し馬を下り坂が更に勢いづける事によって差しが決まりやすくなる(下り坂によって差しが決まりやすくなるのは直線追い風で差し有利になるのと同じイメージ)。
ただ、留意すべきなのは上記の性質によりレースがタフ質になる事で差しが決まるのであり、開幕週等の馬場による負荷が少ない状況においては、短い直線の通り当然先行馬が有利となる。
総じて、馬場や展開によってどれだけの負荷が生じ、レース質がどのようなものになるかという検討が必要で、予想難易度が高いコース形態と言えるだろう。
他のローカル1800mと比べてより求められるのは、先行馬はスタミナ、差し馬には高いコーナリング性能となる。

馬場考察

予想で展開面での狙い目は書いたがローカル1800で重要な要素を忘れていたので追記。函館は14時台南東の風が約5m。これを正面から受ける逃げ馬及び4コーナーから進出する馬は不利となる。よって狙うべき馬は風を馬群の中で回避出来るインの先行、中団の馬。4コーナー終わりから直線では追い風となるので差し馬も多少恩恵を受けるが、直線の短さとコーナー径を考えればかなり能力の高い馬でなければ難しい。

予想・本命

◎6.エープラス
今回逃げ馬が3.7.9.10.16の5頭で先行馬も多く、ある程度ペースが流れる事が予想出来る。しかしながらクッション値は低いものの開幕週であり、差し馬が台頭するよりも基礎スピードが高くペース耐性のある前目の馬が粘る展開がより考えられる。
よって狙い目はハナを取り切れそうな逃げ馬orポジションを取れそうな先行馬となる。その際重視すべき点はテンの早さと安定性、緩みの無い流れへの適性、タフな展開でも残せるスタミナの3つ。
以上の事を鑑みての本命が6.エープラス。
単純に能力が高く、前走を除いて4連続で馬券内に来ているのもその証明となる。どのレースを取ってもハイパフォーマンスで
2走前は本来の適性から若干外れた東京で緩みの少ないラップを前で受けて0.2秒差3着。
3走前も本来の位置取りではない中で高いコーナリング性能を見せて3.4角でインからポジションを上げて2着。緩みの少ないラップで本馬以外が直線のみで差して来た馬と考えると1800mへの適性で考えると最も高いパフォーマンス。
4走前は道中ラチ沿いを通った馬が上位を占める中でそれらより外目を回しての3着。
5走前は風の影響はあったもののラスト5Fが11.8-11.5-11.3-11.3-11.5とかなりのハイパフォーマンスでの2着。
このように高いパフォーマンスを出し続けおり、馬券外となった前走の富里特別、阿賀野川特別に関しても敗因に説明がつく。
前走の富里特別は前日に雨が降りその影響が残る中での開催で、内から乾いていった結果後半戦においては極端な内有利バイアスが発生していた。馬券内3頭は内ラチを追走していた3頭であり、本馬は大外から先行し外3列目を追走した事による負けと言える。状態面も悪かった。
阿賀野川特別は前半800mが45.9とかなり早く、5F目の13.0以外は全てのラップが12秒台前半以下となるかなり厳しいラップ。本来の距離適性から外れた2200mにおいてこのラップを4番手で受けての6着は高いパフォーマンスを示したと言って良い。実際勝ったリビアングラスを除けば先行馬の中では最先着となる。
よって本馬はこのクラスにおいては能力最上位。
今回のポジションについても、外の勢いが早く意図的に下げた3走前を除けばスタートはかなり安定しており、内枠を引けているので良いポジションを取れるだろう。
血統的にもキズナ産駒は函館1800mにおいて単勝回収率100%を超えており、近走の充実ぶりを見ても今が正にトニービンの充実期といった印象となる。函館1800mは新馬戦で負けてはいるもののトニービン前期と後期では話が違いすぎるので今回はこなしてくれるはずだ。
唯一の懸念点は鞍上で、ポジション意識が前か後ろしかなく馬群を捌くのが苦手な永野騎手となるので、そこはそれまでのレースを見て馬場が読めているかの確認は最低限行いたい。読めてそうではいるがやはり技術不足は否めない。
上位人気に疑いのある中でのこの人気は正に狙い目といった所だろう。

相手には▲1.マンクスホップ▲8.タガノチュールを考えたい。
1.マンクスホップは洋芝でのパフォーマンスが高く、前が詰まった石狩特別や、緩みが少なく個人的なラップ評価がかなり高い札幌での1勝クラス、スタート挟まれたものの上がり最速の遊楽部特別と比較的安定している。開幕週としては理想的な最内枠を引いており、先行力も決して低くは無いため2番のテンの遅さを考えるとポジション的にも恵まれそう。
8.タガノチュールは1800mでのパフォーマンスの安定性を評価。特に逢坂山特別のパフォーマンスが高く、坂を考慮すれば緩みの無いラップを逃げて0.4秒差5着はかなり評価できる。メンバーレベルもかなり高く、2.3.6着馬は勝ち上がっており、どの馬も3勝クラスでも十分に戦える能力であったことを考えれば本馬の能力も高く評価できる。新潟でも結果は残しているものの走法的には決して新潟向きでは無く、小気味なパワータイプの走りなので血統的に見ても函館替わりはプラスに働く。中枠を引けており、今回のメンバーの中でも先行力はかなり高い方であるので能力を発揮出来る事を期待したい。騎手もバイアス読めてそう。

各馬雑感

1.マンクスホップ
上記の通り。相手。
2.ディープレイヤー
騎手は良いがスタミナ質差し馬で開幕週は合わない。枠を活かしてどこまでやれるか。
3.ウィステリアリヴァ
逃げ馬の中では最も高く評価したい。緩みのないラップや2000m、タフ馬場の経験も良い。枠も良いので逃げ争いにどこまで巻き込まれるか鞍上次第。
4.フラミニア
前走先行しているように見えるがスタート悪く促してのもの。このメンバーではテンの早さが足りず後方からになりそう。但しコーナリング性能も割とあり、能力は最上位なので枠を活かして乗ればワンチャン。
5.ナックイルシーブ
流石に追走力足りない。
6.エープラス
上記の通り。本命
7.クレバーテースト
2000m質逃げ馬、タフだが若干緩んだ展開で好走が多いので、逃げ馬が多い今回前半から早い展開だと基礎スピードが足りないのでは。
8.タガノチュール
上記の通り。相手
9.コスモフロイデ
先行力は多少あるので何とも言えない。切るか切らないか微妙。能力的にどうか。
10.ユイ
テン自体はメンバーで1番早いが他の逃げ馬の出方が気になる。緩みの無い流れ自体は向くとは思うがどちらかと言うとスタミナ質なので、基礎スピードが足りるかは少し疑問が残る。
11.エゾダイモン
テン自体は早いが巡行力勝負となったレッドバレンティア戦で負けているので1800mの緩みの無い流れは疑問。やはり大箱での末脚勝負が向いている印象。前受けしないにしても開幕週の中枠かつこの人気で他の馬より優先して買う理由は無い。瞬発力を活かして乗ればという感じ。
12.シャドウソニック
スタミナ質差し馬。エピなので巡行力勝負は微妙。外差しするにしても函館は短い。
13.ピンクジン
前走の重賞4着で多少人気するだろうが、開幕週の外枠差し馬を誰が買いたいのという感じ。スタミナ質差し馬なのでもう少しタフな馬場で見たい。人気も嫌だ。
14.ドラゴンヘッド
能力は高く適性もあるがスタートの安定性に疑問があり、早い馬が多い中で外枠となると評価は多少下げなくてはならない。
15.ラファドゥラ
能力最上位。但しテンが早い馬が多い中で大外枠は若干怖くポジションに疑問が残る。丹内の乗り方次第という所だがこの馬が捲る展開が1番怖かったが風によりそれも封じられそう。先行or直線勝負でどこまでといった所だが追える騎手でないので微妙か。
16.パワーホール
能力は高いがスワーヴリチャード産駒の傾向を見ると持続力より瞬発力といった印象で、開幕週の巡行戦となると適性がどうかといった所。大外枠の逃げ馬なので無理にでも出していくと思うが今までのレース質と違う展開になると能力を発揮出来るかは分からない。かなりピンパーな印象で1番人気でも買いたいかと言われると微妙。逃げたら厳しい。瞬発力勝負でどこまで。

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