【第11回】極めよ、ローカル1800道 | 7/7(土) 福島8R 織姫賞 +函館11R 五稜郭S

前回の記事で全頭見解が精度を上げるのに有効だと分かったのでなるべく時間のある時は見解を付記したい。


福島8R 織姫賞

◎5.アームテイル
〇6.ミヤビブレイブ
▲12.ティンク
紐4.10
ワンチャン枠 3.11

函館11R 五稜郭S

◎8.キミノナハマリア
〇14.アスクドゥポルテ
▲10.ホウオウスーペリア
紐1.3.11.12.13

織姫賞 全頭見解

1.ステラヴェルデ

参考材料無し。

2.ビヨンドザリミット

低速馬場での先行粘り込みが好走条件の馬。雨が降って時計がかかったとしても1800m、高速馬場という舞台設定は合わない。

3.マルアズール

地方に行く前のパフォーマンスを見てると馬券内があってもおかしくない。基礎スピードはそれなりにあり、過去走を見ても機動力、瞬発力自体はある。出遅れ癖があった分勝ち上がれなかったものの中央最後の未勝利では先行出来ており成長が見られた。条件的にはベストに近く、枠も良い。もし地方で成長していた場合、ワンチャンがあってもおかしくはない。

4.エンジェリックアイ

前走対抗にして馬単取った馬。未勝利戦の内容が強く、テンが早く道中ラップが12.3前後と馬場的にかなり負荷が高い中スピードを最後まで持続できていたのが評価が高かった。前走も先手を取って12.0前後のフラットのラップを刻み続けたのは評価が高い。マスキュリンには割とあっさり交わされてしまったが、牝馬限定戦という枠で考えれば能力は上位と言えるだろう。懸念点があるとすれば現在の高速馬場で、マイル戦の経験はあるものの2戦とも何とも評価に困る内容なので対応出来るかは未知数。テンは割と早いので最低限の位置が取れそうなのは良い。未勝利戦の内容からタフな馬場の方が強みが活きそうといった印象。蹄の厚さは普通でエピファネイア産駒なのでおそらく雨馬場はこなせると思われ、馬場が遅くなる道悪の方が良いか。

5.アームテイル

回避してしまったがもし高千穂特別に出ていたら本命にしていた馬。その時書いた文章が残っていたので冗長ではあるが供養として貼り付けたい。

勝ち上がってからはかなりの荒れ馬場で行われた2走前以外は僅差の競馬を続けていて、馬柱の見た目程弱くは無い。
この馬の推奨理由は様々あるが、まずはこの馬が勝ち上がってからの4戦を解説しながらこの馬が何故ここで本命であるのかを解説したい。
始めに4走前の中山2200mでの1戦について解説したい。このレースは非常にハイレベルな1戦であった。
この馬自体は5着であったが上位はその後
1着ホウオウサンデーはその後2勝クラスを2着→3着と連続で馬券内と上のクラスでも通用する能力を示した。
2着フロムナウオンはその後1勝クラスを3着→5着→3着と堅実な走りを見せている。
3着インスタキングはその後2勝し現在3勝クラス。
4着アームブランシュは1勝クラスを勝ち上がり2勝クラスでも3着→4着。
6着タイキラフターは1勝クラス2着の後勝ち上がり。
7着コルデニアルはダートではあるが勝ち上がり。
8着ロゼルは1600mに距離短縮後3着から勝ち上がり。
以上のように上位8頭の内勝ち上がっていないのは2着フロムナウオンと5着の本馬アームテイルの2頭のみである。
フロムナウオンが勝ち上がれていない理由とロゼルが距離短縮で勝ち上がった理由は同じ要素から来るものと考えられる。
このレースが行われた第4回中山は野芝のみで行われるため馬場による負荷が洋芝混合馬場と比べると低く、スタミナ質よりもスピード質に適性が寄りやすい。
それ故にロゼルはマイルへの距離短縮でスピードを活かして勝ち上がる事ができ、フロムナウオンは次走の2200mをスタミナ不足で0.8秒差で負けたと解釈できる。
また、アームテイル、フロムナウオン、ロゼルは全員先行して坂で粘る形を取っていたため、坂で伸びてきたその他上位と比べるとスピード質の馬達であったとも言える。
よってロゼル同様にフロムナウオン、アームテイルは距離短縮が良い方に働くはず。
また、アームテイルが坂の最後で伸び負けた事、馬体重が450と比較的小さい牝馬であること、このレースでのインに切り替える反応の速さから考えて、反応及びTSは割と高いがTSが長くは持続しない小型牝馬によくいるタイプただと思われる。
この距離短縮ベストのスピード馬、TSが持続しないというアームテイルに関するこの2つの仮説は次走(3走前)の東京1800mでの1戦である程度の裏付けを得ることとなった。

3走前は東京1800mでの1戦。逃げの手を打ったものの、直線で差されて0.5秒差の7着。
しかしながら逃げたラップとしてはかなり優秀で道中最も緩んだ区間でも5.6F目12.2-12.2と殆ど緩みのないラップで高い基礎スピードを示したと言える内容であった。
血統的にもAngelic Song、Devil's Bag
のクロスを持つダノンバラード産駒で、如何にも米血的な機動力、基礎スピードに優れた血統という印象でローカル1800mがベストに近い。

今回も逃げ馬の隣かつ内枠という最高の枠が引けたので高く評価したい。

6.ミヤビブレイブ

ハービンジャーにキンカメ、Princely Giftなのでおそらく直線下り坂の方が良い。負けたものの前走のラップは割と優秀。持ち時計も2位で函館ではあるが小回り1800mも全て連対と、今の高速福島は適性が合っているはず。能力は割と高いが、函館での未勝利の2戦で減量があった割に勝ちきれておらず、今回減量が切れるのでこのクラスで勝ち切れるかどうかといった所。蹄は割と薄めなので雨馬場はこなせる程度。メンバーの中でも高い基礎スピードを活かしたいので雨は降らない方が良いか。

7.パララヴィクトリア

能力足りない。

8.テンペスト

基礎スピード高いマイラーといった印象。マイラーなので現状の高速馬場はプラスなのだが、それよりも距離が厳しい印象。東京1800mでの未勝利戦では雨が降ったのもあったが巡行質のレース内容で位置の割に伸び損ねていたのは距離なのかなといった印象。東京1800mでの1勝クラスも巡行戦で完全に伸び損ねていたのでやはり距離に懸念が残る。蹄は若干薄めか普通ぐらいで滑るような走りなので雨は降らない方が良いか。

9.シロノクミキョク

ある程度の基礎スピードはあるものの1800m以上になると明確に成績が落ちる。同舞台での負けもあり、外伸び馬場で内を回ったとはいえ前の馬を1頭も交わせなかったのはやはり能力不足か。高速馬場が合えばという所だが、テンの速さも並。

10.グレイトクラウン

第5.5回で本命にした馬。勝った未勝利戦は4~6Fの中間ラップが11.7-11.5-11.5と早めに踏む形となったタフな1戦で、それを内から上手く立ち回って差しきったのは器用さとローカル1800への適性を示したと言って良い。前走は東京マイルでの1戦で直線でのキレ負けなので度外視して良い。弱点を上げるとすればテン自体がそこまで早くないので立ち回りの上手さを活かすために内枠が欲しい。中枠になったんで斤量を活かして木幡騎手頑張って欲しい。

11.キュベリン

短距離馬。この距離での能力は未知数だが…

12.ティンク

基礎スピード高く、コーナリング性能も高いが中山の坂で伸び負けている馬。母系の奥の方にNever Bendが入りレース映像を見る限りでも坂が苦手そうなので、勾配がぬるくなる福島に変わるのは良い。ただ、直線坂なのは変わらないので他馬に対して伸び損ねて勝ちを逃す可能性は充分考えたい。テンの速さはそれなりだが、近走は後方からの競馬となっているので騎手の位置取り意識や厩舎コメントは確認しておきたい。走法的に道悪はこなせる。

13.シルバーニース

ダート馬。芝でも好走歴はあるが、低速馬場でのもの。今回の条件は合わない。

14.ルーチェロッサ

前走のラップは割と優秀。ただ、割と成績の起伏があるのは母の血にNever Bendのクロスがある事から坂が苦手なのかなという印象。そういった意味では前走から3kgの斤量増加と直線坂がある福島に舞台が変わるのは明確にマイナス。テンはそれなり。

15.ウインネモフィラ

タフな馬場が好走条件。今回の舞台は距離馬場共に合わない。

16.エバーハンティング

タフな馬場が好走条件。今回の舞台は距離馬場共に合わない。

五稜郭S 全頭見解

1.フィアエールング

前駆の蹄は普通~厚めで稍叩きつけの強い走法、かつ後駆は曲飛かつ寝繋ぎ、蹄厚めなので雨馬場はおそらくこなせる。
馬場適性は問題無い。ただ問題点は追走力の低さにあり、勝った3レースは全て低速馬場でスタミナを活かしての好走といったイメージ。ラップ的にも前半から早く淡々と刻む流れよりも中盤緩む流れの方が合致していそう。
今回、3勝クラスのローカル1800戦とあり、強力な先行馬の存在からある程度締まった流れになりそうで、この馬に向くかと言えば微妙。ただ内馬場が活きているので枠は良さそう。

2.ニューノーマル

週中はこの馬本命だったが天気によって泣く泣く評価を下げざるを得ない。
蹄が薄く良馬場ベスト。近走は惨敗が多いが能力がかなり高い馬。弱点はソラを使う点で、併せの形にならないと走る気がないとかいうレベル。レース映像を見てもらえれば首の動きで明確に他馬を気にしている事が分かるはずだ。1勝クラスで6連続馬券内なのも分かる。
能力的には勝っておかしくなかった壇ノ浦Sでも外から勝ち馬が被せてから初めて伸びてきており、能力での負けには見えなかった。
他馬に対して併せやすくポジションを取りやすいという意味では内枠を引いたのは大きい。
適性的に今回買うかどうかは別として今後も追いかけたい1頭。

3.インスタキング

前駆の蹄は普通~厚め、後駆は直飛かつ普通の繋ぎ、走法的には接地までに脚が伸び切るタイプなので雨馬場、道悪は苦手でも得意でもないと言った所か。
前走のラップは評価できる。テン自体はそこまで早くないが二の脚でといったタイプ。
枠も良いし能力も悪くないが馬場適性面が普通なので殊更に推す理由も特に無い。

4.タシット

前駆の蹄は普通~薄め、後駆の蹄は普通~薄め、飛節はどちらかと言えば曲飛気味、繋ぎは若干寝気味、走法的には叩きつけがあまり強くなく滑るタイプなので、総じて雨馬場、道悪は得意でもないがそこまで苦手でもないと言った所か。
かなり高い基礎スピードを持ち、2000mでも好走できるスタミナを持ったローカル1800m向きの馬。
なのだが今回は道悪での開催になりそうで、適性的に基礎スピードの高さもそこまで活かせなさそうなのがあまり良くない。
良馬場での基礎スピード勝負がベストといった所なので今回はそこまで買いたくない。

5.エープラス

前走は本命。
前駆の蹄は普通~厚め、後駆の蹄は稍薄め、飛節はどちらかと言えば直飛気味、繋ぎは普通、東京でも走れるようなクビが低い走法で蹄も広く見えるので重馬場ベストといった感じには見えない。
前走同舞台を勝利したように適性は高い。前半の早いペースにも対応出来ており、スタートの安定性からも大崩れはしないだろう。ただ、外目を回した分とはいえ今回出走してくるニューノーマルには五色沼特別で敗れており今回の舞台で頭争いをできる能力にあるかは馬場適性を踏まえても疑問。

6.ダークエクリプス

前駆の蹄は普通~薄め、後駆の蹄は普通~薄め、飛節は曲飛気味、繋ぎは普通、特に走法的な特徴も無いので雨馬場、道悪適性は苦手かこなせる程度。
能力自体は高く、おそらく良馬場の高速条件がベストと見ていたが、それにしても敗因がよく分からないレースが多かった。
おそらく気性面の問題でレース映像を見る限り、外から来た馬に抜かされたら手応えが無くなり走る気を無くしているように見えた。
気性面でのリスクや馬場適性からしてあまり買いたくない。

7.ハウゼ

前駆の蹄は普通、後駆の蹄は普通~薄め、飛節は普通~若干曲飛、繋ぎは若干立ち気味、あまり脚が上がらない走法ではあるがパワーはあり雨馬場、道悪適性はこなせる程度。
思いっきりNever Bend肩なので直線下り坂の函館は良い。基礎スピードはそこまで高く無いので前半負荷が大きくなる形だと好走は不可能。中盤が緩む形がベストであるとは思うがスピカSの内容を見る感じ前半が早くない流れを後方からならやれそうではある。能力はそれなりなので買うかは相手関係次第。

8.キミノナハマリア

重馬場適性については実際雨馬場をこなしているので適性ありで省略。叩きつけるような走法で重馬場適性が高いのも納得出来る。
衣笠特別等元々能力を高く評価していた馬。2000mで若干足りていない感じや野芝の紫苑での好走から元々1800mの馬ではないかと疑っていた馬。重馬場のスローではあるが同コースは新馬勝ちとコース適性は高い。
前走は落馬の影響を受け度外視。しかしながら位置を取らずに序盤から抑えていた点は気になり、今回も後方からの可能性はあるので厩舎コメントには注目したい。

9.マイネルエンペラー

雨馬場、道悪馬場適性はショウナンバシット戦で証明済み。ただ、ショウナンバシットといった叩きつけの強い走法の馬と比べると伸ばしてから接地する走法となるので適性は劣る印象。
好走条件は上がりがかからずやや時計のかかる条件。典型的な中距離馬といった印象なので、中盤緩まない条件や基礎スピードが求められる条件では厳しそう。
今回想定される重馬場では求められる基礎スピードは低下するのでその点では良いが、
高速2000mをこなしたという実績も無いのはやはり気になる。

10.ホウオウスーペリア

雨馬場、道悪適性は証明済み。
広い適性があり条件を問わず好走できるのは能力の証。鞍上もローカルでは心強い丹内騎手でここでも大崩れはしないはず。

11.ポットボレット

雨馬場は六社Sで経験があるが本質的に距離不適であったので参考外。
前駆の蹄は普通、後駆の蹄は若干厚め、飛節は曲飛、繋ぎは普通、恐らく道悪はある程度得意そう。
基礎スピード高く距離適性がありそうなのは良いが、ジャスタウェイ産駒で大跳びなので枠的外を回されそうなのが懸念点。テン自体はそれなりに早いので内のホウオウスーペリアに付いていけばある程度の位置は取れそう。

12.ミスフィガロ

雨馬場は経験があり、馬体、走法的にも道悪はある程度こなせそう。
去年の3着があるように基礎スピードも高く適性自体はある。
後方からの脚質となるので安定性がどうかという点や去年に比べて馬場がそれ程荒れていないという点を考えれば上位評価は難しいか。紐で考えたい。

13.カヨウネンカ

雨馬場、道悪適性は証明済み。
同条件のかもめ島特別においてシンティレーションに勝っているように適性は高い。基礎スピードも高く、展開の如何に関わらずある程度の脚は使ってくる。ただし、出遅れ癖があり後方からの大外ぶん回しが常なので良馬場だとそもそも届きにくい。馬場が渋れば適性の高さもあり、差し切りが可能となるので雨が降ればといった形。で雨が降ったので紐で考えたい。

14.アスクドゥポルテ

雨馬場、道悪適性は証明済み。かなり前駆の叩きつけの強い走法なので柔らかい函館の馬場での道悪では特に高い適性を持つと考えられる。
コーナリング性能もかなり高く、楽にコーナーでの位置を押し上げる事が可能でその意味では大外枠はあまりマイナスにならず、動きやすさで言えばプラス。
新馬以降経験していない距離なので基礎スピード面での心配があるが能勢特別での緩みの少ないラップの経験や、セオが勝った未勝利戦では高い持続力を見せていたので、道悪で必要な基礎スピードが低下した馬場では適性の範囲内として考えたい。近走は成績が振るわないが道悪馬場においては明確に能力上位だと考えたい。

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