従属する安心

正しさが人を救うとは限らない。

むしろ分かりやすすぎる正しさは、無慈悲に相手を殺す為の最大の武器になる。

かつてヒットラーを支持したのは、虐げられていたホワイトカラーの労働階級の人々だった。

彼らは個々の判断において正しいことを行った。

強い言葉に酔い、同調することで温もりを享受し、自分たちを不当に虐げる人々に裁きを与えるべく行動した。

それは、幾らかの正義感からくる行動でもあっただろう、正義は欲望を覆い隠す為のカモフラージュとしてよく利用される。

やがて争いに勝ち、権利を勝ち取った彼らは、今度はそれをけっして手放そうとはしなかった。こうして、かつて忌み嫌った人々と同じように彼らは振る舞うようになり、その正統性を担保する為に、自分たちこそが優良な人間であるという虚無の王座に居座り続けた。

しかし、いつも上司の悪口を言っているような奴が、上司の立場になった時にロクな上司にならないのと同じように、問題の本質から目を逸らし、自分の立場から見える問題ばかりを口にして生きている人は、結局は容易く他人から利用されるだけで、結局は自ら従属される道を選ぶ。

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