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レジデンス日記(15)浅川奏瑛四季シリーズ Spin-off 冬-デイサービス楽らく-

1月31日(水)晴れ


何も変わらない穏やかな晴れの日。
午後の活動を少し早めに切り上げて、今日は誕生日会が開かれた。
99歳のお誕生日を迎えたTさんと、78歳のお誕生日のTさん(母娘の年齢差!)
前にテーブルが置かれ、レイを2つ首にかけ、お誕生日おめでとうの名前入り看板と手作りのくす玉、そして可愛いケーキが用意された。
スペシャル演出として皆さんのバースデーソングに合わせてひと踊りすることに。アーティストが誕生日会に遭遇すると大体こうなるらしい。

Happy Birthday to you
Happy Birthday to you
Happy Birthday Dear ○○さん〜、○○さん〜
Happy Birthday to you!!

ケーキのろうそくを頑張って消し、誕生花の紹介、いつも一緒の送迎車の方からのプレゼント、一言コメント、そして記念撮影。
99歳のTさんは普段はお茶目な方で、話を振られてもやだよ〜と笑って誤魔化したりするのだけど、一言コメントは素晴らしいもので、周りの方への感謝を丁寧に伝えてくれた。
記念撮影の時にホロリと泣いていて、もらい泣きしてしまった。「ここにいられて幸せだよ、」と。
これからも元気に幸せに過ごしてほしい。

今日は泊まらずに自宅に帰る日。
夜、母にデイサービスの演奏会の様子を録音していたものを聞かせながらこれまでにあったことを話した。加山雄三さんの『君といつまでも』はじいじ(母のお父さん)が好きな曲だったそう。
じいじは去年亡くなって、あーちゃん(母のおばあちゃん)もその2年前に亡くなった。今も元気に生きていたらTさんと同い年だったね〜って。
利用者さんが私に孫のことや昔の思い出をたくさん話してくれるように、あーちゃんもデイサービスで色々なことを話していたのかな。
もっとたくさん話したかったな。
たくさん話していてもそう思ってしまうんだよね。
2人して大号泣した夜。
なんの涙かは正直わからなかった。
でもきっと、いい涙。


もうすぐレジデンスが終わる。

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