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座右の書・丸山眞男集(学生時代の思い出)

※丸山眞男について、まったく論じていません。私の苦しかった学生の思い出です。

わたしにとって、『丸山眞男集』は、一生の課題書である。

大学1年の基礎演習で出会った。「論文の読解」のときである。

丸山眞男「超国家主義の論理と心理」1946年。

丸山眞男集〈第3巻〉一九四六−一九四八


授業内容は、この難解な論文を読んで、議論することである。先生からのアドバイスは一切ない、補助プリントもありません。

その頃は、インターネットで調べることもしなかった。Windows98世代かな。
チャットGTPもありません。

青天の霹靂(へきれき)。

先生はたぶん、進級するうえでの根性を見たかったのであろう。

昔の先生というものは、何も教えてくれなかった__「俺の背中で、仕事で覚えろ」的な指導方法。

それが許されるかどうか、教育の問題になるだろうか。
学生の性格も転換期であったから、脱落する学生も多かった。
もはや、超・災害レベル。

丸山眞男さんは、先生の先生である。
戦後の日本政治思想史という分野を確立した方で、「丸山眞男を読み直す」という本が出る位、研究に値する大研究者。

そのようなこともまったく知らない、調べようとすらしない、あの頃の私。


次の課題書は、

丸山眞男『日本の思想』岩波新書、1961年。

丸山眞男集〈第7巻〉一九五七−一九五八


丸山眞男さんの一連の著作は、ストレスだった。人生の節目で、難題となっていた。
ゼミの進級、大学院の進学、就職の時、「かくしごと」になった今。


先生にまた言われるだろう、あのことば!

「君はぜんぜん分かっていない。ダメだね。」

いまも耳に残る。これが悔しくて、いまに至る。

あの時があったからこそ、研究に生きる今がある。


初めての給与で、大人買いしました。学生の頃は、コピーでした。

『丸山眞男集』全17冊(全16巻・別巻1)
『丸山眞男講義録』全7巻

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