ソーシャルディスタンスって?

またまた新型コロナの話です。

文筆家の北尾トロさんはこまめにメールマガジンを発行しているんだけど、今年7月22日に配信された分に、こんなことが書かれていました。

「飯能のとりえは始発ってことで、しかも空いているからゆったり座れるけど、途中からは席を立つ。隣に誰か座ったらもう立つと決めている。コロナみたいなわけのわかんないものに対しては自分なりのルールを作手つぉれを守るのはいいような気がしてるからだ。ルールは自分で決める。外を歩いていて近くに誰も歩いてなかったら危険じゃないからマスクなんてすぐ外すよ。あたりまえのことだろう。」

物事に対して自分なりに判断し、行動するのはよいことだと思います。それが皮膚感覚のもので、生理的に感じたことによる反応だとしても。とはいえ、誤った情報を信じて判断しているとなると、話は別です。極端なことを言えば、海外からの移民は嫌いだ、だから近くにいたら離れる、なんていうのはオカルトレベルだと思います。

北尾さんがいまも同じように、隣の席に人が座ったら立っているのか、街を歩いていて近くに人がいなければマスクを外すのか、は分かりません。このときから考え方やルールが変わったのか、知りたいと思います。とくに、近くに人がいなかったら、の場合の「近く」をどのぐらいの距離と考えているのかなと、興味があります。

そもそもソーシャルティスタンスは、始めのうちは1メートルと言われていて、そのうち1.5メートル、今では2メートルと言っているところもあります。海外では6フィートですから、1.8メートルでしょうか。飛沫の及ぶ距離や、空中浮遊する可能性などもあって、まだ研究・実験中なんだと思いますが、これだ、という決定打はないようですね。

ところで、街を歩いていて、他人が1メートル以内に接近することは、まあ、まれです。新宿や渋谷の、昼間の駅構内でも、そんなには接近しません。しかもみなさん黙って口をつぐんでいるから、息がかかることはないでしょう。そのうえに、いまではみなさんマスクをしているから、こうなるとソーシャルディスタンスも何もないですよね。

個人的には、街中でマスクは必要ないと思っています。住宅街や公園はもちろん、繁華街でもおそらく感染リスクはほとんどないのではないのかなと。とはいえ、なかにはブツブツしゃべりながら歩いている人もいるし、とつぜん、向かいから来る人がクシャミをする可能性もありますから、絶対に大丈夫、とはいえませんけどね。

7月のある日、秋葉原の近くにあるギャラリーを覗いた時のことです。作家の女性がいたので質問しようと思い、一歩、彼女に近づきました。すると、彼女は押さば引け、のように一歩後ずさりました。こちらも相手もマスクをしていたし、距離も2メートル以上離れていたんですけどね。これで、話をする気力が萎えてしまいました。

いつのまにか、マスクをしていてもソーシャルディスタンスを確保しなくてはいけない、という頭になっている人が増えているようです。心理的なものだと思うのですが、マスコミや学者の、マスクは必須、というアナウンスで、そうなってしまっているような気がします。


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