書店におけるレジ袋について

●雑誌を買っても紙袋に入れてくれないのね
昨日(2021.03.03)、『東京人』4月号 特集「シティ・ポップが生まれたまち」を買おうかな、っていうつもりで有楽町・交通会館に入っている三省堂書店に行った。江口寿史の表紙絵もいいし、特集内容も興味があった。よーし。とはいえ雑誌を買うのは久しぶり。もちろん文庫本も含めて単行本はたまに買っていて、どの書店でもカバーはつけてくれていたので、紙の袋にぐらいは入れてくれるのだろうと思っていた。で、カード払いを済ませたんだけど、カウンターの店員は「挟んでおきますね」とレシート類を雑誌に差し込んで、そのまま渡そうとする。げ。なに。お前、雑誌を裸で渡すつもりか。おい。読み捨ての週刊誌じゃないんだぜ。950円もする雑誌を裸でもって帰らせようってことか。

●なので買うのをやめたよ今月の『東京人』
ザックは背負っているけどいろいろ入っている。その中に入れたら雑誌の角がつぶれるだろうし、表紙だって擦れちまう。そんなで持ち帰りたくないよな。もちろんスーパーのレジ袋はもってたけど、こちらは何度かリサイクルだから、野菜だの魚の汁がこぼれてついてるかも知れない。そういうなかに、買ったばかりの雑誌を入れたかないんだよ。なので、咄嗟に「買うのやめる」と口にしてしまった。「は?」な顔になって一瞬かたまってた店員。呆気な表情から気を取り直してカードの取り消し手続きをしようとしてあたふた。どうも手順が分からない様子で、背後から先輩らしき店員がやってきて、処理を遂行してくれた。というわけで、『東京人』買うのは、やめた。

●書店は経費削減できてウハウハか
スーパーレジ袋がインチキ環境問題のせいで有料になったのは知っている。書店のプラ袋が欲しかったわけでもない。むしろプラ袋より紙の袋の方が好きだし。紙なら環境にも抵触しないだろうから、紙袋を復活させているのかなと思ったのだ。顧客サービスの観点から考えたら、「当店は環境問題を考慮して紙袋を無料提供するようにしました」と訴えた方がメリットは大きい、のではないかと思うんだけど、そうはしなかったようだ。ってことは、これまで無料で配布していたプラ袋にかかる費用はすっかり浮いて、書店にとっては大きな経費節減になってるってことか。それって、筋違いじゃないのか。レジ袋の有料化に便乗して、利益率を上げてるだけだろ。

●むかしは雑誌もカバーしてくれてたぞ
雑誌には冷たい書店も、単行本にはこれまで同様紙のカバーを巻いてくれている。だったら、雑誌にも紙を巻けよ。でないと包装の観点から見て、間尺に合わないだろ。なんていうと、「単行本はカバーをしても袋にはいれませんから」みたいな屁理屈をいってくるかも知れない。でも、そりゃちがうだろ。雑誌は袋に入れないという理屈を通すなら、単行本もカバーせずに裸で渡さないと、扱いは同じにならんだろ。紙のカバーは本の損傷をガードする役目も果たしてるし、ずいぶん昔は、『東京人』だの『キネマ旬報』ぐらいの、読者が永く保管するかも知れないような雑誌には、ちゃんとカバーしてくれていたぞ。

●こんな対応してちゃ本も雑誌も買えんな
そもそも書店カバーは、自店のPRと顧客の囲い込みのために書店がはじめて、いつのまにかあたりまえのように習慣化させたものだぞ。お前らが自慢気にはじめて客を中毒化させておきながら、あるときから「環境対策」とかいいだして「カバー要りますか?」なんて訊くようになって。それでも細々ながら提供してきたシステムのはず。それを自分たちの都合をコロコロ変えて、ついにはプラ袋有料化に便乗して紙袋の提供もせず、しれっと知らんふり。だったらもう、書店で雑誌なんか買わないよ。雑誌なんか買わなくたって我慢できるし、こちらの経費節減にもなる。なーんて抵抗してる客は少ないだろうけど、なかにはいると思うぞ。本が売れない。雑誌はもっと売れない。その首を絞めているのは、あなた方自身ではないのかね。と思ったりした昨日の出来事だった。(2021.03.04)

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