11/24金ロー『ノートルダムの鐘』スペース用資料


原作概要

『ノートルダム・ド・パリ』
ヴィクトル・ユーゴー

出版:1831年(本編は1482年)

エスメラルダ
美しく純真なジプシーの娘。フェビュス、カジモド、フロロの3人から思いを寄せられる。16歳。ヤギのジャリを連れている。

カジモド
ノートルダム大聖堂の鐘つき男。捨て子だったところをフロロに拾われたが、背中と眼の上に瘤があり非常に醜い外見から、不完全という意味のカジモドと名付けられ、大聖堂の屋上から外から出されずに育てられる。
育ての親・フロロだけを慕い二人の関係は主人と飼い犬のようであった。20歳。

クロード・フロロ
カジモドの養父。幼い頃から両親から聖職者になるように育てられ、ひたすら学問に励んだ。その甲斐もありジョザの司教補佐の地位を得る。エスメラルダへの愛と神への献身との間で苦しむ。36歳。

フェビュス・ド・シャトーペール
王室射手隊の隊長。颯爽とした美男で婚約者がいるが、エスメラルダにも恋の触手を伸ばす女癖の悪い人物。

クロパン・トルイユフー(英語版)
悪党の巣窟「奇跡御殿(英語版)」の長。

ピエール・グランゴワール
おしゃべりの自称詩人・哲学者。「奇跡御殿」で絞首刑になりかけたところをエスメラルダに助けられ、仮の夫婦となる。26歳。

ジャン・フロロ・ド・モランディノ
クロード・フロロの年の離れた弟。生後間もなく両親と死別し兄に養育されるが、甘やかされ不良学生になってしまった。16歳。

ギュデュール
ロラン塔のおこもり女。ジプシーを毛嫌いしている。幼い娘をさらわれた経験がある。

(wikipediaより)

関連作

映画

『ノートルダムの傴僂男』(原題:The Hunchback of Notre-Dame、1923年、アメリカ、白黒サイレント)
監督:ウォーレス・ワースリー
出演:ロン・チェイニー(カジモド)、パッツィ・ルース・ミラー(エスメラルダ)、ノーマン・ケリー(英語版)(フェビュス)、ブランドン・ハースト(フロロ)
ロイ・チェイニーは特殊メイクを得意として怪奇映画に多数出演した「千の顔を持つ男」。他に『オペラ座の怪人』など。
カジモドは人間を激しく嫌っていて街の人たちを威嚇したりする。映画では唯一エスメラルダ母がちゃんと描かれている。
カジモドを従えてエスメラルダに恋するのは弟ジャン。

『ノートルダムの傴僂男』(原題:The Hunchback of Notre-Dame、1939年、アメリカ、白黒)
監督:ウィリアム・ディターレ
出演:チャールズ・ロートン(カジモド)、モーリン・オハラ(エスメラルダ)、セドリック・ハードウィック(フロロ)
後世のノートルダム関連作に最も参照されたであろう作品。エスメラルダはグランゴワールと逃げ切り、カジモドも生存。
ラストの台詞が "why was I not made of stone like thee."(ああ、おれもおまえのように石で出来てたらよかったのになあ!)
フロロは司祭だがエスメラルダに恋するのはやっぱり弟ジャン。

『ノートルダムのせむし男』(原題:Notre-Dame de Paris、1956年、フランス、カラー)
監督:ジャン・ドラノワ
出演:ジーナ・ロロブリジーダ(エスメラルダ)、アンソニー・クイン(カジモド)、アラン・キュニー(フロロ)
フロロが髪フサフサだったり、カジモドが直毛黒髪で長身細身だったりと他作とは違う造形が見られる。
カジモドは普通に外を練り歩き街角で子供と戯れて(からかわれて?)いたりする。平和か。原作の「カジモドの結婚」をちゃんと映像にしてくれていてありがたい。

BBC『then hunckback of notre dame』1966?76?77?
「カジモドの結婚」こそないものの原作の細かい部分もやってくれてありがたい。

『ノートルダムの鐘つき男/報われぬ愛の物語(英語版)』(原題:The Hunchback of Notre-Dame、1982年、アメリカ、カラー、テレビ映画)
監督:マイケル・タクナー
出演:アンソニー・ホプキンス(カジモド)、レスリー=アン・ダウン(エスメラルダ)、デレク・ジャコビ(フロロ)
冒頭ではフロロ(司祭)がカジモドを引き取った日を映像化していてありがたい。エスメラルダが初めて「外見に惑わされた私がバカだった」と反省してフェビュスを諦める。やっとか。
フロロは壁の突起に突き刺されるという珍しい死に方。カジモドはエスメラルダとグランゴワールを無事に逃がすも、フロロの死体をみて怒になった部下に見捨てられて落下死。最後の言葉が「why…」でこっちもwhy…となる。

『the hunckback of notre dame』1986
アニメ(米・オーストラリア)
子供向けらしくフロロがガチガチの悪の僧侶。カジモドに対して「心の美しさ」がはっきり言及され、諦念したカジモドをエスメラルダが励ます図式が誕生。

『The Secret of the Hunchback』 (Video 1996 2/28)
子供向けミュージカルコメディだが設定改変がすごい。フロロが強欲貴族(?)でグランゴワールがカジモドと親友になる。最後は雨樋から落ちたカジモドに羽根が生えて天に帰っていく。なんでだよ。
カジモドが広場で鞭打ちされるとき、石像が静かに涙を流す演出は良かった。

『ノートルダムの鐘』(原題:The Hunchback of Notre Dame、1996年、アメリカ、カラー、アニメ映画)
ディズニーの長編アニメーション作品。
監督:ゲイリー・トルースデール(英語版)、カーク・ワイズ(英語版)

『ノートルダム』(原題:The Hunchback、1997年、アメリカ、カラー、テレビ映画)
監督:ピーター・メダック
出演:マンディ・パティンキン(カジモド)、リチャード・ハリス(フロロ)、サルマ・ハエック(エスメラルダ)
エスメラルダがフェビュスに恋せずグランゴワールと普通に両想いになる。フロロ(司祭)は印刷機推進派の大臣を殺害してエスメラルダに罪を着せるという変化球パターン。
カジモドが最初から最後まで天使の化身か?ってくらい心優しい。

オペラ

『ラ・エスメラルダ』(La Esmeralda)
音楽:ルイーズ・ベルタン(フランス語版、英語版)
初演:1836年11月14日(パリ国立歌劇場)
台本:ヴィクトル・ユーゴー
ユゴー本人が書いたオペラ。エスメラルダとフィーバスの悲恋が中心らし
い。

ミュージカル

『ノートルダム・ド・パリ』
作詞:リュック・プラモンドン、作曲:リシャール・コッシアンテ
1998年9月16日にパリで初演を迎え、ヨーロッパを中心に世界各国で上演された。

『Der Glöckner von Notre Dame 』
作曲:アラン・メンケン、作詞:スティーヴン・シュワルツ、脚本:ジェイムズ・ラパイン
1999年6月5日ベルリン初演。ディズニーアニメ版をミュージカル化(さらにドイツ語に翻訳)したもの。まだ3匹のガーゴイルはいる。

『ノートルダムの鐘』
作曲:アラン・メンケン、作詞:スティーヴン・シュワルツ、脚本:ピーター・パーネル、演出:スコット・シュワルツ、
出演:マイケル・アーデン(カジモド)、シアラ・レネー(エスメラルダ)、パトリック・ペイジ(フロロ)、アンドリュー・サモンスキー(フィーバス)、エリック・リーベルマン(クロパン)
ディズニーの楽曲を使いながらユゴーの原作に近いシナリオを実現。フロロは原作通りの司祭に戻り、他キャラクター達も掘り下げが半端ない。ネームドガーゴイルは消え漠然と「石像たち」となる。
控えめに言って最高傑作。スタジオレコーディングアルバムがある。
2014年にアメリカで初演、改訂を加え2015年に再演。
日本では劇団四季公演として、2016年12月11日に初演。

作品論

鹿島茂『大聖堂物語 ユゴー「ノートル=ダム・ド・パリ」』(NHK出版、2019年8月)
元版は「100分de名著」2018年2月度 放送テキスト

ディズニー版概要

監督:
ゲイリー・トルースデール
カーク・ワイズ
制作:
ドン・ハーン
音楽:
アラン・メンケン
作詞:
ステファン・シュワルツ(スティーブン・シュワルツ)
公開日
1996年6月21日 アメリカ
1996年8月24日 日本

カジモド:
演トム・ハルス(『アマデウス』モーツァルト)
絵ジェームス・バクスター(ベル・ラフィキ)

エスメラルダ:
演デミ・ムーア(『ゴースト/ニューヨークの幻』モリー)
絵トニー・フシール(アラジン・ムファサ)

フロロー:
演トニー・ジェイ(『美女と野獣』院長)
絵キャシー・ジエリンスキー(蛇ジャファー)

フィーバス:
演ケビン・クライン(実写『美女と野獣』モーリス)
絵ラス・エドモンズ(アラジン・フィリップ・カーラ)

クロパン:
演ポール・カンデル
絵マイケル・サレー(ターク・レイ・ティモン)

ユーゴとビクトル:
絵デイビット・プルイクスマ(ポット婦人・サルタン)

ラヴァーン:
絵ウィル・フィン(コグスワース・イアーゴ)

ストーリーボード:
ポール・ブリッツィ&ガエタン・ブリッツィ(Brizzi Brothers)
bells of notredame, hellfireなど映画の象徴になるシーンを多く手掛けたフランスの双子アーティスト

バックグラウンドスーパーバイザー:
リサ・キーン(美女と野獣、ラプンツェル、アナと雪の女王、)