トップマウントプレートの話(TKL)
最近トップマウントTKLが欲しくなったので、満足できるものを探すためプレートのデザインと種類について少し調べてみました。
現在持っているトップマウントTKLにもある程度満足しているのですが、バックスペースあたりのPing音が気になったり、USBポートのデザインが好みじゃなかったり…
あとF12 WKLが欲しい
トップマウントのプレート
トップマウントプレート(主にTKL用)のデザインは、2010年前後には大まかに完成しており、現代の製品でも当時のプレートデザインをそのまま使用したり、それをベースにアレンジを加えたりしたものが数多く存在します。
歴史の長いマウント方式のため多様な種類のプレートがありますが、ここではそういった初期OGキーボードのプレートを中心に書いています。
プレートの種類
トップマウントプレートは、マウントポイント(ケースに固定される箇所)の数と位置によって大まかに分類することができます。
➀マウントポイント×7
トップマウントTKLの中でおそらく最も採用率が高いポイント数
配置は上4個-下3個のタイプがほとんど。
OTDプレート(OTD 356.2, 360C, 456GT, etc.)
OTD wikiで「OTD Unified Plate」と呼ばれているOTDのスタンダード?なプレート
単にOTD Plateと呼ばれたりもする。
スペースバーの打鍵感が固くなることを防ぐため、マウントポイントはスペースバー真下部分を避けて配置
また60%部分とその他を区切る十字のリリーフカット、スペースバー部分のアコースティックカットは現在のキーボードにも多く採用されているものです。
逆に左コントロールや矢印キー付近などにある謎のカットは最近のプレートではほぼ見なくなりました。
スペースバーのスイッチ部分の下部がカットされているのもOG韓国カスタムのプレートに見られる特徴の一つ(⬜︎ではなくΠ形になっている)
これによりスペースバーを押し込んだ時の硬さが多少緩和されるようです。
→最近はスペースバーの鳴りを良くするためにプレートのスイッチ穴周りを切り外すModなども見るので、もしかしたら打鍵感だけでなく音への効果もあるのかもしれません。
Koalaプレート(OTD Koala, TGR Jane v2, Lin Whale, etc.)
トップマウントTKLプレートの中でおそらく最も有名かつ普及しているもの。
もともとはKorellas Koala(2011)のプレートでしたが、後にTGR Jane v2やLin Whaleなどの人気キーボードにも採用され、今ではトップマウントTKLプレートのスタンダード的存在になっています。
OTDプレートと同様にスペースバーの真下を避けたマウントポイントの配置をしています。
また、マウントポイントの形状が〇型ではなく切り欠きのあるU型になっており、これによってキーを押し込んだ際の硬さが軽減されるとか。
〇型と触り比べたことがないので実際の効果は不明ですが、柔らかい素材のプレートなら差を感じ易いかもしれません。
このように、トップマウントの構造上硬くなりがちな打鍵感を緩和するため、初期の頃から色々な工夫が凝らされていたことがわかります。
※他にも356ESや356Lなど、7ポイントプレートは種類が豊富
➁マウントポイント×8
LZなど昔の韓国カスタムに多いタイプですが、7ポイントと比べると最近は目にすることが少なくなりました。
上4-下4タイプ(LZ-CLS, Matrix 8XV 1.2og, etc.)
マウントポイントの配置が上下対称のものとそうでないものがあります。
ポイントの数が8個と多く、特にスペースバーの真下にポイントがあるタイプは、打鍵感がより硬く感じるそう。
前述の上4-下3タイプとの違いとしては、下側にポイントが多い分、左CTRLなど端のキーの打鍵感や音が安定しているという意見を散見します。
自分はこのプレートのTKLは触ったことはないですが、所持者の声を聞くと結構好みが分かれている印象
※8ポイントは他にも上5-下3のタイプなどがありますが(Syryan Brick TKLなど)、上4-下4に比べると少数派です。
③マウントポイント×10
初期〜中期の韓国カスタムに多く、8ポイントと同じく今ではほとんど見かけなくなりました。
上5-下5タイプ(KMAC, LZ-F, Duck Orion, TGR Jane, etc.)
上4-下4タイプと似てポイント数が多く打鍵感が硬いため、ユーザーは一部のポイントのみを使用したり、ハーフプレートにしたりと工夫をしていたみたいです。
硬そう
④その他(最近のキーボードとか)
マウントポイント×9
上4-下5タイプ(KBDfans KBD8X MKII, Baionlenja Gehirn, etc.)
上より下にマウントポイントが多いタイプ
Gehirnのプレートはマウントポイントの多さからくる打鍵感の硬さを調整するためか、全体的にカットが多め。
スペースバー下のマウントポイントは避けています。
先日の天キー Vol.7にて、FFのtakashioさんが所有するGehirnを触らせていただく機会があったのですが、スタンダードな7ポイントと比べても硬いといった感じはなく、感触も音も非常に完成度の高いTKLでした(あと裏のデザインがとてもかっこいい)。
余談:
コミュニティの声を聞いていると、キーボード全体の「硬い⇔柔らかい」 の評価において、スペースバーの感触が占める割合がとても大きい気がしています(おそらく一番使うキーだから)。
そのため打鍵感が固くなりすぎることを避けようと、初期の頃からスペースバー下にマウントポイントを置くことを避けたプレートのデザインが多いです。
一方でスペースバー下のポイントさえ避ければ、Gehirnのようにポイントの数を多少増やしても、感触への影響はそこまで大きくないのかもしれません。
分割タイプ
GeonworksのGlare TKLやAiglatson StudioのConstance TKLなど、最近採用率が上がってきている気がします。
60%部とナビゲーション部のプレートが分離しているタイプ。
元祖はMatrixlabらしい?(詳細不明)
Glare TKLのプレートにはマウントポイントの付け根にカットが入っていますが、これはキーを押し込んだ際の柔軟性を得るためだそうです。
O型⇔U型マウントポイントの形状と同様に、柔らかい素材のプレートの方が効果が実感しやすそう。
前述した天キー Vol.7にて、同じくFFのRioさんのGlareを打鍵させていただきましたが、感触も音も素晴らしかったです。
一方でハーフプレートだったこともあってか、通常の一体型プレートと分割プレートとの大きな差異などは感じ取れませんでした。
(自分は指は超絶鈍感なため、スイッチなどの条件をそろえて横に並べて比較でもしない限り細かな違いはわかりません…)
推測ですがそれぞれのプレートが独立しているため、一体型よりも打鍵感や音が均一になる?のかもしれません。
おわり
色々な種類のプレートを見てきましたが、プレート以外にもキーボードの感触・音に影響する要素は沢山あるので、結局のところは見た目が好みだったり評価の高いデザイナーのものを選ぶのが良い気がします。
(触って明らかに違いがわかりそうなのはスペースバー下のポイントの有無くらいでしょうか)
個人的にはOTDプレートで見た目がかっこいいTKLが欲しいです
おしまい
その他参考
https://www.kbdarchive.org/otd_archive/album_post.php?post_id=41563
https://coolenjoy.net/bbs/36/184228
https://steemit.com/kr/@glenn.lee/2
https://geekhack.org/index.php?topic=104593.0