見出し画像

ノートルダム大聖堂が燃えた


ノートルダム大聖堂が燃えた。

いつか行ってみたい場所だった。

ごうごうと赤く燃えてからポッキリと折れてしまう塔を見て、もう二度と会えないであろう人のことを思い出した。

行こうと思った場所に行ける。
会おうと思った人に会える。
やろうと思ったことができる。
言おうと思ったことが言える。

いざ動き出せる環境が整っていたことをやっと知るときに、塔は折れてしまうものだ。

ふりかかる不可能性や理不尽さには敏感だけど、幸せに気付きにくいものなのかもしれない。

スケジュール帳に書いてあることが起こるという保証はどこにもない。
明日には新宿がなくなるかもしれないし、新宿に向かう身体がなくなるかもしれない。

塔が折れる心配をし過ぎるのもよくはないけど、すぐに忘れてしまう私にとってはきっとそのぐらいが丁度いい。

思い立ったが吉日とは言い得て妙だなあ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?