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ちょっと違う友達?

文 小林新

僕は小学校に上がるときに引っ越し、中学に上がるときに引っ越した。大学も。
だからだいたい新しい学校にあがる時は、元々の友達が0から始まることが多かった。

そんな中でも、唯一自分のことを10年くらい知っていて関わり続けてくれている数人がいる。

それは小学校から高校までやっていた、剣道のコミュニティでできた友達だ。なぜか彼らとは一度も所属クラブも学校も被らなかったのに、ずっと仲が良い。彼ら同士は小中高が一緒だが自分だけ違うのに。

というのも僕の父親も剣道をずっとやっていて(自分の先生でもある)で、友達が先生をしているクラブに出稽古に行かせられていたら仲良くなった集団である。
僕が出稽古に行き始めた頃は初心者で、彼らはすでに剣道トップクラスの実力者集団だった。大会で会う時はいつもみんな敵だが毎大会彼らに会うのが楽しかったし勝手に刺激をもらっていた。僕を頑張らせてくれた仲間でもある存在だった。それが高校まで続いた。
そして剣道を一時休憩している今でも連絡を取り合い、年数回顔を合わせている。

そんな友達の1人と今日はご飯に行って来た。

自分は浪人しているので、就活の話から近況報告、恋の話など話は割と?尽きなかった。でも久しぶりだから何話そうか迷う瞬間は正直あった。今までちゃらんぽらんだと思っていたのに、就活の話を聞いている限りかなりやり手だったので見直した。大人になっていた。

いつもいる学校という集団の中には、連続して自分の全てを知ってくれている友達がいなかったのに、剣道というコミュニティを通して彼らはずっと僕を知っていた。
「昔」「あの時は」というトークの幅が広いし、成長の比べがつくから楽しい。
「あの時の」同級生、仲間とは一味違う。

今近くでいてくれる友達や今までの友達はもちろん大切だが、たまに会う幼馴染の爆発力は大きいな、と感じた日だった。

それも込みで根元を辿れば、みんなに合わせてくれた父親、剣道のおかげなんだなと思った。全ての出来事は繋がっていた。

今まで、その定義とはズレていると個人的に思っていたから言うのは控えていたが言いたい。

僕たちは「幼馴染」

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