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浅岡雄也 Extra Rare BEST 感想①


11月4日に発表された浅岡雄也さんのベスト盤を聴いての感想を書きたいと思います。


※先日書いた記事と内容がかぶっているところもあります。




2枚を通して感じたことは、おもしろいアルバムだなということ。

イメージでたとえるなら、Disc1は遊園地、Disc2は美術館。
ちなみに、現時点で好きなのは美術館のほうなので、若干、Disc2のほうの感想が多くなっています。


★Disc1

【ripple】
いったん完結した物語に続きがあるとしたらこのようになるのかと面白く思いました。
短編・長編という言葉で分けられないし、同じものでもなく別物でもない何とも不思議な曲。
増えた音符の中に遊びごころを感じ、聴いていて楽しかったし、聴きごたえがありました。
テクノっぽい音が聞こえたのは、私がテクノ好きだからという理由だけではないでしょう。


【Re:start】
聴き終わる瞬間「えっ?」と思ったほど、曲の終わりかたに特徴を感じました。
ゆっくりフェードアウトしていく際の残音を楽しむのが好きなので 、この曲で表現されている止めの効果を十分に理解しきれていません。じっくりと時間をかけて聴かなければいけないかも。


【ウタハトビラヲアケテユク】
左右と上から音が聞こえてきました。
ベース(の低音だと思いますが)の響きは耳心地よく、ドラムの音は脳に直接伝わって頭の中で反響します。「音」というものがとても印象的な曲。


【ヒカリ 2008/2020】
サビのハーモニーでは、コーラスパートに強く惹かれるものがありました。
感想は短いですが、この曲に対しては特別な思いがあります。


【突然 ~2020~】
とてもバランスがいいなと思いました。
どちらかが前に出るのではなく、歌と楽器が絶妙のバランスで響いてきます。ピアノの音が優しい。 ギターソロもいい、右耳から聞こえてくる細かくリズムを刻む音も良い。
これまで1995年のオリジナル、2008年と聴いてきました。 それぞれの良さがありますが、この2020年ver.が今、一番好きかもしれません。


【これから】
2番Aメロの「床の上転がる空き缶は 僕の弱さの象徴だ」 という歌詞は、うまい表現だなと思いました。外からは見えにくい弱さも、この表現があることで想像ができます。たぶん聴く人によって捉え方が違うと思います。そこにいろいろな主人公が存在するのは面白いと思いました。


今回この曲を聴いたとき、私は床の上に3本の空き缶が見えました。これが意味するのは自身のみぞ知るというところでしょう。聴く人によって違うように、その時の自分の内面によっても見えるものが変わってくると思います。


【Planet ~生命の惑星で~】
イントロからコーラスへ入る瞬間がとても好き。
(シーケンサーでしょうか?)最初は気になっていたピコピコという音が、2番を聴いたとき、それが生みだす効果がわかった気がします。
この曲はドラムがGood!
2番サビの「笑えるように」の『ように』の箇所のアレンジがとても好き。
次のサビのラスト「守りたいんだ」のあとの一瞬の静止が、次につづく「あなたと」を強調しているように思います。
Disc1を遊園地に例えましたが、この曲はジェットコースターみたいです。先が見えなくて、次は、こうくる?!という驚きと楽しさがあります。


【風花】
【Planet】の最後の一音と、この【風花】の最初の一音のつながりは見事としか言いようがありません。
収録されていたアルバムは違うのに、こんなにも違和感なくきれいに流れるとは。
意表をつかれましたが、嬉しい驚きでした。
あと気のせいでしょうか、曲の軽快さが増したように感じました。


【翌檜】
どの曲もそうですが、特にこの曲ではベースの低音の響きが気持ちよかったです。
今回ヘッドホンをして聴いたのですが、この曲はメリーゴーランドのように、音が上下に揺れながら頭の中でくるくる回って聞こえました。
何がそうさせているのかは、残念ながらまだ分かっていません…


【アシタガクルマデ アシタハクルカラ】
イントロだけでは、タイトルが出てこなかった曲。
Aメロを彩るリズム ー音が跳ねる感じ?ーがとても良い。
Bメロのアレンジはおもしろいですし、サビはアレンジが変わって厚くなった感じがします。
歌ありきなのは分かった上でなのですが、この曲は、インストルメントでも聴いてみたいと思いました。


【森羅の渦 ~花鳥風月~】
この曲は右耳からはいってくる音に気持ちが引っ張られます。歌を聴きたいのに音を追ってしまう。どうしようもなく…
そして体(心?)がふっとどこかへ押し上げられるよう感覚になる。 まるで観覧車のよう。


【モドレナイダケナンダ】
ギターの音色がいいです。切なくも優しい感じがします。コーラスはメロディーと同じ位置からだけでなく、別の場所からも聞こえてきます。
今回のアルバムで聴いて、「こういうコーラスだったのね」と認識できたのは良かったです。
この曲も歌と楽器のバランスの妙を感じます。
終わる最後の一音までやさしい曲。


【鐘の音】☆
歌が始まった瞬間、ぞくぞくっとしました。
曲を支えているリズム、彩っているコーラスが良い 。「良い」という言葉でしか表現できないのがもどかしい。
イントロ前に鳴っている鐘の音は光をもたらし、曲の最後の鐘の音は余韻を残すー
そういった効果があるなと思いました。
とにかく『美しい』 
こんなにも綺麗な曲だったんだと感動を新たにしました。

この曲に隠された『仕掛け』をいくつ見つけられたのだろう...

アルバムを聴きながら特に心に残った曲に星印(☆)をつけていったのですが、その最初の曲がこの鐘の音でした。


【桜色】
冬から春へ。 
雪がとけ、木々が芽吹いていく様子が見えました。
この曲がこの場所にあることの意味が少しだけ理解できた気がします。
Disc1の中では、この曲のアレンジが一番好き。
細かく刻むリズム、それぞれの楽器の音のバランスが良くて、聞き心地が良いのです。
Cメロの「確かな愛へと変わってゆくんだ」の「だ」の音の聞かせ方も好き。
エントロのアレンジからは何か温かいものが流れてきました。


【Show must go on】
【桜色】で流れた温かいものが、この曲でぱっと広がった感じがしまし た。
ここでも曲と曲のつながりが意識できたのが嬉しかったです。


【君の翼で】
イントロだけでは、タイトルが出てこなかった曲のひとつ。※
歌が一段高い場所から聞こえてくるのは何故でしょう。
このふんわりした雰囲気は何を表現しているのでしょう。
「飛ぶ」だから空なのでしょうが、何故か水中をイメージしてしまいます。 漂うような感じ。
アレンジでここまで変わるものなのかと驚きました。美島マジックと言えばよいでしょうか。
聴き終わったあとの浮遊感にもぞもぞしたものを感じました。
大きな深呼吸が必要でした。

この曲を聴いたあと、もう一度【風花】を聴きたくなりました。



浅岡さんは褒められるのが好きじゃないと仰っていた。
なるべる称賛は控えようと思いましたが、好きとか良いという言葉を多用しているのは、心に響くもの・脳を刺激する音がたくさんあったからなので仕方ありません。



2ー②へつづきます。 

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