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みんなで決めちゃう!? 「匠の、モモの誕生祝いプラン」③

矢神匠の精神がいつまでもつか大会になって参りました、モモ誕御礼企画、今日もご投票をありがとうございました!
結果は、今度は大差!


「二人きりになれる大観覧車」になりました~!

それでは、モモと匠観覧車に乗るの巻をどうぞ~☆

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「お台場って浜辺があるんだよね。あっちも気持ちよさそう。ちょっと散歩してみない?」
モモに誘われ、頷きかけた匠は首を止める。

風が出てきた。
そして、かつてない短さのスカートから伸びる、脚!!!

嫌な予感がしたとたんに吹いてきた風に、匠は思わず後ろからモモを抱きしめて完全ガード!

「ひ、ひえええっ!?!? どうしたの矢神くん!」

気が動転すると、いまだに「矢神くん」が出てくる、八年目の恋人。
匠は「なんでもない」と低く呟くことしかできない。

どこか風を遮れるところ……!

と、すぐそこの大観覧車が目に入った。


シースルーゴンドラ、今なら並ばず乗れますよ~」
スタッフに勧められたゴンドラに、匠は絶句。

なぜ、椅子に床まで透けている必要がある!  ないだろ!

「足もとの景色まで透けて見えるんだね。ど、どうする? 真上に来たら怖いかな。でもせっかくだし……」
「止めておこう」

「でも、匠くんはせっかくだから、こっちの方がいいでしょ? わたし頑張るから大丈夫だよ」
「いや。おれが怖い」
「ええっ? 狭いとこは苦手でも、高所恐怖症は……なかったよね……??」
「いま発症した」

匠は半ば強引に普通チケットを買う。

というわけで。
無事に赤いゴンドラに乗り込んだ二人。
が、椅子に座ったら座ったで、正面に座るモモに、目のやり場がない。

「ね、レインボーブリッジ見えるよ。どんどん車が小さくなってくね。ハジメさんと類くんって、よくそこの高速道路を使って、こっちに来るんでしょ? 今もいたりして」
「だったら面白いな」

 はしゃぐモモに、匠は平静を装ってうなずく。
 そして外の景色ばかり眺めてしまう。

「…………あの、ごめんね」
「え?」
「わたし、いったん着がえて来ようかな。それとも、近くのお店でズボンとか買っていい? こんなミニ丈、やっぱり変だよね。」

 モモが急にしょんぼりしてしまったのに気づき、匠はハッと青ざめる。

「そんなことはない! 断じてちがう。…………似合ってる。短いのも」
「でも、今日はぜんぜん目を合わせてくれないから、わたしよっぽど……」

匠は冷や汗をぶわっと噴き出し、首を振った。
そして向かいのモモの手を掴み、今度はまっすぐに見つめる。 

「――ちがう。二人で会うとき、モモはいつもがんばって来てくれるだろ。服とか、髪とか」
「う、うん」
「緊張するんだ」
「え……?」

「普段と違う感じだと、緊張して、顔しか見られない……。か、可愛いから」

匠は耳まで赤くなり、必死に正面から見つめたまま。
モモはボボボボボッと赤く染まっていく。

「あ、あのっ。わ、わかりましたっ。わかったから、もうだいじょ、」
「いや違う。語弊があった。おれの主さまはいつも可愛い。会うたびに毎回惚れ直すのに、これ以上は――…………って、何言ってんだ、おれ」

匠は口を手のひらで覆い、いよいよ顔を背けるしかない。
モモもつないだ手が手汗でべたべただし顔を上げられない。
「大体おれたち、もうすぐ毎日一緒にくらすのに、いい加減慣れろって話だよな」
「わ、わたしもね、全然慣れなくてっ。だからお互い様だから、あの、だ、大丈夫です」
ゴンドラの色より真っ赤になったまま、うつむいて何も言えなくなってしまう二人。

しかし匠が意を決したように顔を上げた。

「――だが、やっぱり、お願いしていいか」
「お、お願い? う、うん。匠くんのお願いながら、なんでも」



「おかえりなさーい」
観覧車のスタッフさんが、ゴンドラのドアを開ける。
すると二人とも真っ赤な顔をした初々しいカップルが、ぎこちない様子でおりてくる。
乗ったときはミニスカートだった彼女の腰には、ぎっちりと袖を結んで巻きつけられた、彼の上着。

あらあら、まぁまぁ。
スタッフさんは思わずうふふっとほほ笑んだのでした。




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やっぱりですが、匠の精神力、もちませんでしたね!!(笑)。

この後、独占欲強めの彼氏は安心してお台場デートでモモの誕生日を心おきなく祝いまくり、直毘家まで送り届けて、恐縮しながら夕飯までごちそうになっていったそうですよ。

というわけで、モモの誕生日祝い、みなさん本当にありがとうございました~!!! 少しでもみなさんの愛にお応えできてたら嬉しいです♡

次はたぶん、3/31のヒヨの誕生日周辺で何かー!

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