Twitter777フォロワー御礼「SSりくえすと企画② いみちぇん、ひふみ学園中等部体育祭での借り物競争で「好きな人」を引いた矢神くんとモモの掛け合い」」

Twitter777フォロワー様御礼企画、お二人目、すっかりおそくなっちゃってすみませんでしたー!

すももさん@su_momo3  からいただいたリクエスト、
「いみちぇん、ひふみ学園中等部体育祭での借り物競争で「好きな人」を引いた矢神くんとモモの掛け合い」
とのことで、こちらに掲載いたします♡

楽しんでいただけたらうれしいでーす!!
すももさん、そして応援してくださるみなみなさま、ありがとうございますーーー!!!

またこういう企画、どっかのタイミングでやりたいなーと思ってるので、ぜひその時、またよろしくお願いいたします♡

↓ ↓ ↓

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「いみちぇん、ひふみ学園中等部体育祭での借り物競争で「好きな人」を引いた矢神くんとモモの掛け合い」========================================


■ひふみ学園中等部体育祭
陽気なBGMが流れている。

司会A(放送部女子)「借り物競争へ出場の選手、スタートラインに出そろいましたね」
司会B(みずき)「おおっ! なんと第一レースには、一年大注目の矢神選手、そして夏海選手がならんでおります!」 
司会A「ワクワクしますね! 各ファンクラブの生徒たちが、すでに歓声をあげております!」



一方、救護係のモモ。
司会の声を聞いて、テントから顔をだす。
モモ「わっ。にぎやかだなと思ったら、矢神くんの出番か」

リオ「いいよ、モモ。観てきなよ」
モモ「えっ、でも係が……」
リオ「大丈夫だって。あたし今や外部生だけど、勝手わかってるもん。たぶん、分かりやすいトコから観といたほーがイイよ」
モモ「え?(首をかしげた後で、やはりソワソワしてしまって) ――ごめん、ありがと、リオ! せっかく遊びに来たのに、ごめんね」

スタートのピストルの音。
わああっと盛りあがるギャラリー。
モモ、厚いギャラリーのカベの後ろから、なんとかスキマをさがして、顔を出す。
真剣に走る匠のりりしい姿に、きゅんとする。



匠と陽太が互角に競りながら、中央ラインに並べられた「借り物メモ」をゲット!

陽太「やった! 同時だ!」
匠「これからだ」

バッとメモを裏がえす二人。

陽太&匠(ギョッとした顔で)「「…………っ!?」」

モモ(ど、どうしたんだろ?)

陽太と匠、サッと目線を交わし、おたがいにカクゴを決めた顔に。

陽太が、観客席にドドドドドッと走っていく。
陽太「朝ちゃーん!! 一緒に来てくれ~~~~!」
朝子「ええっ? わたし!? わたしただ、見学に来ただけなのに……っ!」


匠、ぐるりとギャラリーを見まわし、校庭の隅の隅、ちんまり顔を出していたモモに、ビタッと視線を定める。

モモ「なっ、なにっ?」
モモが驚く間もなく、駆けてきた匠にメモを突きつけられる。

匠「こういうコトだ。――すまん」

メモには「好きな人」の文字!

モモ「えっ、えっ、ウソォ!?」


司会(みずき)「ナントォ、第一レースの借り物のお題は、全コース『好きな人』! です! 夏海選手、矢神選手、それぞれ『好きな人』を勧誘しているもようですーゥッ!」

キャアアと悲鳴と歓声がいりみだれるギャラリー。


匠「モモ以外、連れてけないだろ」
モモ「え……っ!」

あれよと言う間に、お姫さまダッコされてしまったモモ。

そしてコースを、朝子をおんぶして走ってくる陽太!
陽太「矢神、おさきにーっ!」
匠「負けるか!」


ドドドドドドドドドドッ!!
(「借り物」を前に抱き、後ろに背負ったまま、爆走する二人)


朝子&モモ「ひぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 


■打ちあげのクレープ屋さん

それぞれ、いつものクレープを食べているメンバー。

みずき「……そうして、伝説となった、中等部体育祭・借り物競争第1レース」
リオ「中等部一年生男子、人気投票一位二位の二人は、みごと同着を果たし、」
みずき「直毘モモ・矢神匠カップルは、とうとう全校生徒公認となったのでした♡」

匠「でした♡ じゃない」
陽太「ホントだよーっ、あの後、みんなに超からかわれただろーっ?」

朝子「とんだトバッチリは、こっちよ。ねぇ、モモちゃん」
モモ「……………………えっ、あ、うんっ」
(モモ、いまだ全校生徒の前で匠にお姫さまダッコされた衝撃から、立ち直れていない)

朝子「ところで、みずきちゃん」

ぎらり、メガネを光らせる朝子。

朝子「実はね。わたし他校ではあるけど、長年児童会をつとめた者として、生徒会にたのまれて、体育祭準備のお手伝いに来たのよね。そのときちょうど、借り物競争のメモを作るの、わたしも手伝ったのよ」
みずき「……ぎくっ」

朝子「あの時は、メモに『好きな人』なんての、一枚もなかったわね? どういうコトかしら」
みずき「……ぎくぎくっ」

朝子「み~~~ず~~~き~~~ちぁん~~~~っ!?」


ピシャーン!っと朝子のカミナリが落ち、お説教に。

いつもの光景に、呆れ顔の匠。
匠「……モモ、クリームついてるぞ」
モモ「(はっと我に返って)あ、ほんと?」
匠「りんねみたいだな」
(笑いながら、モモの口の横についたクリームを指でぬぐい、自分がぺろり)
モモ「……!!」
(恥ずかしさにぼんっと頭部を爆発)

匠「……わるかったな。モモ、めだつの好きじゃないのに」
モモ「えっ、あっ、そのっ、それは……!」
  (めちゃくちゃ恥ずかしかったけど、でも……っ。
   ダメだっ。このままうなずくだけじゃ、匠くんに誤解されちゃう!
   わたし、ちゃんと言葉を伝えてかなきゃ!)

意を決したモモ、真っ赤な顔で、ぷるぷると匠を見上げる。

モモ「あ、あのねっ。たしかに恥ずかしかったけど。でも、匠くんがほかの女子をつれてくの見たら、すごくショックだったと思うから……っ。だから、だいじょうぶ、デス!」

匠、目を大きくしばたたいて。
数秒後、ボッと真っ赤になって顔をそむける。

2人とも赤面してだまってしまう様子を、いつの間にかお説教の終わった一同が、ニマニマとながめている。

スッと携帯カメラを立ち上げるみずきに、
朝子「コラッ、撮影禁止!」
みずき「てへっ☆」


~了~


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