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「女子座談会を見させられている男子たちの座談会」③

和子「次はわたしだな」
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パートナー男子の第一印象と今の印象をどうぞ!!
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コオリ「オレは『氷の字消士』だからな。表情消すのはトクイだ」
匠「いや、逆に表情を変えなきゃ、クリアにならないんだ。つまり照れろと
コオリ「アァ? …………そりゃ難しーな」

和子「初対面の印象は、最悪だ。最凶不良とウワサされていたとおり、態度もデカいし、無口無愛想無礼だしな」
ブブーッ!とブザー音。

コオリ「だよな。オレだって『不快不敬不幸顔のストーカー女』って思ったしよ」
涼馬「このペアは、おたがいにクリアが難しそうだな」

真、本を読みはじめる。
コオリもあくび。

(中略)
和子「くそっ、ぐずぐずしている間に時代劇が終わってしまうではないかっ。――よし。腹を決めた。望むとおり、それっぽい話を語ってやろうではないか」

和子「わ、わわわわわたしは、ごくまれに、ごくごくまれに、狐屋コオリのいと良きさまに驚かれぬる!

コオリ「ハァ? キサマにおどろかされてヌルヌル? 肝試しで沼にでもはまったのかよ」
涼馬と匠、飲みかけたお茶に、ゲホッとむせこむ。

真「……『いと良きさま』は『とてもすてきなようす』。『驚かれぬる』は『ハッと気づいた』ってことだよ」
コオリ「? ? ?」
匠「天照和子が、おまえのステキなところにハッとした――というこ、」

説明しおえるまえに、コオリ、ぼんっと顔面が真っ赤に噴火。


ぴぽぴぽぴぽーん♪ とクリアの音。


涼馬「氷の字消士、意外と早く溶けたな」
コオリ「う、う、うるせぇ! 次はおまえだろっ。ぜってぇ笑ってやるからなっ」
涼馬「ムリだろ。マメはおれの話なんてしないと思うぞ」

マメ「あたしがトリかぁ……っ。どきどきするなぁ」
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好きな異性のタイプは?
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マメ「ノドカ兄!!!(即答)」

三人「「「ほんとだ」」」

熱くノドカについて語り続けるマメ。

コオリ「すげぇ兄ちゃんのこと好きなヤツなんだな」
涼馬「…………うん」
匠と真、なにかを感じてハッと涼馬を見つめるが、なにも言わずにテレビに目をもどす。

ヒヨ「でも、マメちゃんって、涼馬くんとつきあってんのかと思ってたよー。二人で鬼ごっこするほど仲よしなんでしょ?」
マメ「(顔を蒼白にして)ヒヨちゃんは、知らない。知らないんだ……っ。音速で迫りくるスパルタ塩鬼リーダーの圧を……!」


涼馬「(目をすわらせて)マメのやつ……」

マメ「――って、このままじゃ部屋から出られないもんねっ。ノドカ兄以外の、好きなタイプを考えてみるよ!」

匠「お、新展開だ」
真「そろそろこの部屋から出たいな」
コオリ「さっさと照れろよ」
涼馬「照れる要素がないのに、どーやって照れろっていうんだ」

マメ「あたしがうっかりしてるから、しっかり者の人がいいなぁ。あとは、尊敬できる人がいいな。背中を追っかけたくなるような人?」

匠「涼馬のことじゃないか?」
涼馬「まさか。S組にはそういうセンパイたちがいますから。おれは塩鬼って言われてるくらいで、ちょうどいいんです」

マメ「それから、ふいに見せてくれた笑顔が優しい男子って、きゅんっとするよね」

涼馬「ほら、完全に楽さんのことを言って――、」

三人「「「……だれを思いうかべてるのかな」」」

マメ「へ? だれって、りょ、

ガッ!!!

涼馬、こたつの天板に額を打ちつける。
顔は見えないが、

ぴぽぴぽぴぽーん♪



三人「「「照れたな」」」



~了~



みんなちょろいぞ!

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