うてなと楽の夏休み(サバイバー)
「おーい、楽さぁぁ~~ん」
校庭を横ぎり、寮へ近道しようとしていたおれは、ふと足を止めた。
だれもいないはずの、お盆休みの校庭。
その朝礼台に、だれかが転がって、こっちに手をふっている。
ネコみたいに背伸びをしながら身を起こしたのは、五年S組のディフェンダー、空知うてなだ。
「うてなちゃん、なにやってんの? もう夏休みに入ってるよね?」
近づいてみると、彼女はやっぱりネコみたいな顔で、ふにゃりと笑った。
「花だんの水やり当番~。夏のトクベツ講習で、赤点とったらさ