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永遠の少女性 〜Welcom to Takarazuka〜

 昨日、宝塚大劇場千秋楽を迎えたWelcom to Takarazuka。松本悠里先生のご卒業公演でした。ありがたいことに、千秋楽を観劇することができました。

 チョンパで始まり、誰もが知っているクラシックの名曲に乗せて日本舞踊を舞う、というこれぞ宝塚な日本物のショーでした。どのシーンも素晴らしくて、感動の嵐。コロナがなければ東京オリンピックを目的に来日した、大勢のお客様が宝塚を知るきっかけになるはずだった作品だったでしょうし、その意識を至る所に感じました。本当にいろんな人に見ていただきたい、素晴らしい作品。

 どのシーンも素晴らしいのですが、特筆すべきはやっぱり松本悠里先生の雪のシーン。雪の中佇み、恋を思う…恋慕の情。恋焦がれる乙女の表情から、叶わぬ恋を知った女性まであのシーンの中に全てが詰まっているように思えました。そして、しなやかに舞う松本先生、先生を照らし出す照明、舞台転換、舞う雪、ビバルディの冬…全てがその世界を作り上げていて、清潔で清廉、宝塚以外ではなかなかこの磨き上げられた空間はないのではないかなと思いました。松本先生が舞台に立たれていると本当にそこに乙女が立っているように見えることに、いつも驚きます。それは先生が64年間「清く正しく美しく」宝塚の舞台に立たれてたからなんだろうと、全然日舞も芸事も知らない素人の私ですら感じました。そして、この感動を後世の宝塚ファンに聞かれなくても語ってしまうんだろうな自分は…そして、この先松本先生のような方がまた現れることを心から祈ってます。長く続けられるタカラジェンヌを大切にして欲しいなと願います。

 さて、他の場面ではトップスター珠城りょうさんの包容力、懐の深さ、大らかさが日本物にぴったりでこれぞトップスターと言った貫禄を感じました。月組生一人一人の個性がうまくはまっていて、たまちゃんが大らかなら、れいこちゃんはさすがしなやかで繊細な表現力、といったように月組の魅力を堪能することができました。

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