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看護学生がPEARSを学ぶ意義

noteへ足を運んで下さりありがとうございます。ニコです。

以前、「看護学生がACLSを学ぶ意義」について記事を書きましたが、今回はTwitterで話題になっている「PEARS」をご紹介したいと思います。

それではSTARTです!

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1.PEARSとは

PEARSはPediatric Emergency Assessment,Recognition and Stabilizationの略で日本語では「小児救急 評価・認識・病態安定化」の意味になります。

BLSやACLSのように救命処置技術・知識を鍛えるというよりかは、それを回避する。つまり

「目の前の患者がどのような状態なのか生理学的にアセスメントし、適切な介入によって急変を防ぐ」

これがPEARSの目標であり、醍醐味であると考えます。


2.PEARSの流れ

PEARSでは、実際の小児の映像を見ながら「評価→判定→介入」の順番で進んでいき、状態の安定化を図ります。

①初期評価(第一印象)

まず最初にパッと見で「外観」「呼吸仕事量」「皮膚色」を確認します。

「外観」:簡潔に言うと元気かどうか(筋緊張、周囲への反応など)

「呼吸仕事量」:呼吸数や努力呼吸などの有無

「皮膚色」:チアノーゼなどの有無

この時点で「意識・呼吸なし」の場合はBLSを実施します。それ以外の場合(=致死的でない・治療が必要)と認められた場合は一次評価へ進みます。

②一次評価(ABCDEアプローチ)

ABCDEアプローチでは、酸素の入って来る順番に評価・介入していきます。

A(Airway)気道から吸い込まれた酸素は、肺でB(Breathing)呼吸をしてガス交換を行います。それがC(Circulation)循環によって全身へ送り出され、その結果D(Disability)中枢神経が維持される。と考えると分かりやすいかも知れません。

つまり、「ABCのいずれかに異常があれば、Dの異常が生じ得る」ことに繋がります。

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これらの評価によって、呼吸障害・循環障害の分類を行い重症度を判定します。

呼吸障害なら呼吸器系のどこに障害があるのか、循環障害なら何ショックかなどを判定→介入→再評価の順で行なっていきます。

                (PEARSプロバイダーマニュアル参照)


3.PEARSを学ぶということ

上述したように、PEARSでは「アセスメント力を学ぶこと」に重きを置いていると感じます。ACLSなどと異なり、定型化されたアルゴリズムというよりは「自分でどのように考えて介入していくか」この考えが大切です。

疾患から特有の症状・異常を発見することも大切ですが、「身体所見などから疾患・病態を挙げて絞り込んでいく」という考え方をPEARSで学ぶことが出来ました。

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4.看護学生がPEARSを学ぶ意義

3.でも述べましたが、やはり「アセスメント力を鍛えること」が一番だと感じています。

バイタルサイン1つとっても、なぜ頻脈なのか?緊張してるから?もしかしたら、何らかの代償の結果?と、得られた情報からアセスメントすることもあると思います。

また、ABCDEアプローチのように、各臓器の繋がりを意識してアセスメントすることが出来るようになり、解剖生理学の知識レベルをUpすることにも繋がると感じます。

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「解剖生理学の知識があれば疾患の知識も入ってきやすくなる」

このように考えています。

・解剖生理学の知識をもっと深めたい

・アセスメント力をもっと鍛えたい

などと考えてみえる方は、是非PEARSを学んで頂きたいと思います。


5.終わりに

ACLSの記事でも述べましたが、資格を取ることがゴールではないと思います。

資格を取得する過程、または取得後も継続的に学習していくことが最も重要だと考えています。

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これで今回の記事を終えたいと思います。最後までご覧頂きありがとうございました。

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