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なんて素敵な、あなたと奏でる歌だ


歌はわたしがいいなって思ったからといって、あなたもイイネと受け取るとは限らない。

それは「好み」という言葉で説明されるけど、なぜ感じ方が違うのかな?

うまいカレーは大勢がうまいという。

素敵な俳優はたいがいの人が素敵だという。

いや、そうでもないか。

気分によってはその情緒を受け取れない時もあるんだし。

で、ご紹介する2曲は、わたしはいつ聞いても素敵なのだ。

わたしに”贅沢な”時間をもたらす。

なにに惹かれているんだろう。なぜ、満たされて行くんだろ。。不思議だ。



ジャズスタンダードの『Fly Me to the Moon』に『Lucky』を重ねている。

なかなかこんなに軽やかで沸き立つ歌い方は無い。と思う。

Rick Haleの鼻にかかってちょっと男臭く、ダサイい声がいい。

目がイタズラっぽい男の子のままだし。この手の男子は魅力的だ。

追っかけてBreea Gutteryが続く。

ふたりがディエットしてゆく。

Rick Haleは男を崩さず、Breea Gutteryは繊細な女性のまま。すごく可愛い。

ああ、、なんて素敵だ。

こころがふわっと浮き上がり、広がってダンスする。楽しいっ。

この世に、2つの性があることが嬉しい。

どこまでも違う。けれど、2つの糸でこの世を紡げる。

違うから紡げる。

いくつになってもFly Me to the Moonが好きなじぶんが嬉しいっ。

なぜそんなことを思うのか、分からない。

でも、こころが沸き立つ。

月どころか、わたしをあの世に連れてってくれ!


こころが満たされる時、わたしはなにも考えていない。

流れに乗り自由に漂う。

この理屈っぽい男が。

もう胸がYesと言ってしまったら、思考が何言ってもだめだ。

いつもいつも、ぐだぐだと解釈ばかりしている思考が相手されないなんて、意外だし、面白いっ。

思考を落とそうなんて、禅ぼうずだって難しい。

でも、とても簡単なことでもある。



もう1つは、『ラ・ビィアン・ローズ』。エディト・ピアフが歌った名曲。

ポロポロとピアノが先導する。

まず、ピアノを弾いてる男性が素敵だ。

歌うNieka Mossも繊細で素敵だ。

彼女はひとりで歌ってる?

いいえ、後ろで伴走している濃い目の男性が添うているのが分かる。

やっぱり、2つの糸でこの世を紡げる。


わたしは、高校生の頃からこの手の曲に弱かった。

大人の色気、なんだか素敵なのだ。メロメロになってしまう。

高いたかいマンハッタンのビルの最上階に、実際、ラウンジがあるのか知らない。

そこで、ゆっくり時間が流れる。

地にどこまでも続く圧倒的な光の絨毯を見下ろしながら、わたしはウィスキーを飲むのだ。

ほんとは、アイリッシュ・コーヒーが大好きだ。

コーヒーの上に生クリームを浮かべてる。

アイリッシュウイスキーをベースとしたカクテル。

けど、なかなかうまいものに行きあたらない。


いや、この名が付けば、わたしはどんなアイリッシュ・コーヒーも大満足だ、大喜びだ。

高いたかいビルの上で、渋いおじさんバーテンダーがさっと出してくる。

どんなに希少なアイリッシュウイスキーかなんてまったく気配もさせない。

わたしは一口、口に含む。

アルコールの芳醇さに酔う。

静かにしずかに時が流れる。雨が地に降ればなお、いい。。

ずーっとそんなことを憧れている。


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