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あれっ?なんで涙が出るんだろう


気を使い過ぎて、もう誰とも話が出来なくなるかもしれない。

アカウントをすっと削除して行ったひとたちを見て来ました。

才能があるひとほど繊細で躓くでしょう。

今日はずーっとこれを繰り返し聞いていたんです。ほろほろ。



1.いつも何度でも


木村 弓さんがゼロになる身体を歌う、『いつも何度でも』。

最初、「呼んでいる胸のどこか奥で、いつもこころ踊る夢を見たい」というフレーズが浮かんだそうです。

そのまま放置した。曲は作れるけど、作詞の才能はないからと。

ある時、思いついて友だちの詩人に続きを作詞してくださらないかしらとお願いした。

出来てもたぶん、作詞料はお支払いもできないと思うの。

そんなに急がないの、3か月ぐらいでどうかしら。

友だちは、すっと歌詞が降りて来て、20分で作ってしまう。

で、3か月過ぎるのを待った。

こうしてこの曲はできた。


「きっとあなたに会える」とたくさんの悲しみを覚悟したあと、

最後には私の中にいるから「もう探さない」ってなる。

わたしたちは、失敗したり間違えたりしてしまう。

もう、焦って泣きたくなって、もがく。

この歌は、それを遠くからそっと微笑んで見ててくれているように感じる。

だから、そんなコメントがあなたの記事によせられたなら、あなたもこころ緩むでしょう。


「繰り返す過ちのその度、人はただ青い空の青さを知る」

「悲しみの数を言い尽くすより 同じくちびるでそっと歌おう」

「粉々に砕かれた鏡の上にも新しい景色が映される」

こんなふうに見守られると、あなたは失ったと思ってた色々なものを再びに手元に見出すのです。


柔らかさと力強さのある歌です。

 海の彼方にはもう探さない

 輝くものはいつもここに

 私の中に見つけられたから

じゃあ、とふと我に返り、ああ、、頑張るよりも大切に過ごしたいって思う。そして、ゼロになるからだ充たされてゆけと祈りをささげる。


東亜希さんが韓国の歌合戦で歌った様子です。

木村 弓さん、ごめん、若いひとを選んでしまった。あは。


ちょっと騒がしいけど、韓国の人にも伝わって行く。

ジブリはどの国でもみんなが知っている。

騒いでたみんなは、段々静かに魅入られて行く。


彼女を通じて光が放射されるかのよう。

さあ、いつでも何度でも夢を描こうと励まして来る。

さあ、行こう、さあ、生きようって。

ふわぁーっとこの胸が開かれて行く。

その瑞々しさが、わたしを救う。


ジャンプするには一度しゃがむ。

きっと、こころを黒雲が覆う時、それはしゃがむ時。

嫌でもしゃがんで受取らないとならないことがある。

へこまないと、光を求めない。

じゃがんで、ようやく欲と恐れを振り払う。

もう気を使ったり恐れたりする必要が無いことを知る。

ああ、この歌はやっぱり祈りなのです。

女性性は、こうしてハートに繋げてくれる。

荒ぶる男たちは、そしてコウベを垂れる。

また、何度でも立ち上がればいい。

何にも恥ずかしいことなんてない。

繰り返す過ちの中で、輝くものはいつもここに居たのだと抱きしめる。



2.さよならの時の静かな胸


中国のひとたちも、これに喜ぶ。

Zhou Shen(周深)というひとのなんて開放感か。日本語でそのまま歌ってる。

第1声からその喜びに胸をつかまれる。

この歌は、最初のフレーズで魔法をみんなに掛ける。

一見、女性に見える。かなり、すごい。

地声からファルセットへとスムーズに移行する。

こんなスムーズな移行が出来る者を聞いたことがない。

上がり下がりがすんなりされ、聞く方の耳がゆらゆらと揺すられる。

美しい声。明るい声。

わたしの胸がほろほろして行く。


木村弓さんのインタビューも聞いた。

謙虚な彼女が大切にしているものが分かった。

いつも願い続けてくださいと恥ずかしそうにいう。

いつも胸に描き続けていると、きっとそれが実現するのではないでしょうか、と言った。

彼女自身も、ぜひ宮崎監督を応援したいって願い続けた。

認めてもらうとか、評価して欲しいなんてなかった。

お手紙書いて、監督から2週間で返事が来た。

もう少女のようにただただ喜んだ。

そこには、廃墟となった東京を生き抜く、リンという少女のことが書かれていた。

企画はボツになるかもしれませんとあった。もし企画が通ったらご連絡したいと。

かのじょは、リンのことを想い続ける。

そして、ある時、最初の1行が降りて来る。

友だちに、続く言葉をお願いする。


監督にできた曲を送った。

ただ聞いて欲しかっただけだった。

返事は2か月後だった。すぐには、来なかった。

「千と千尋の神隠し」という映画に使わせて欲しいと言って来た。

もちろん、はい、どうぞお使いくださいと返事した。

リンはボツになったことを知る。


『千と千尋の神隠し』は、原作・脚本・監督は宮崎駿が担当。

ベルリン国際映画祭のグランプリ・金熊賞やアカデミー賞長編アニメ映画賞など、国外問わず数多くの賞を受賞しました。

日本歴代興行収入第1位を保持していた不動の人気作です。

「かなしみの数を 言い尽くすより 同じくちびるで そっとうたおう」と励ます。

どうして、こんな気高い曲が出来るのかと何度聴いても不思議に思う。

そして、かれらはなんてうまく歌うんだろうかとも驚く。

胸が振るえる。

たしかにアカウントがどうのこうのなど、どうでも良いなって思う。



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