その時、歴史が動いた①

2021年7月25日。この日、日本のCoDシーンの歴史が新しい一歩を歩み出した。

今や日本のCoDシーンの絶対王者となったLibalent Vertex(以下LV)が、初めて王者となったWWⅡシーズンのプロ対抗戦から現在に至るまで、ひたすらに勝ち続けてきた。公式大会において無敗を貫き続け、勝ち取った栄冠の数は11。誰しもが認める国内最強チームとなった。

このLVが日本のCoDシーンを引っ張ってきたことは間違いなく、どのチームも「いかにしてLVを倒すか」ということに注力してきたことだろう。

だが言い換えると、いつまでもLVを倒せず、「LVを倒す」という目標が変わることはなかったと言える。

7月25日に閉幕したCWシーズンのプロ対抗戦においてもLVは優勝、11個目のトロフィーを獲得することになったのだが、その過程においてLVの歴史において、そして日本のCoDシーンの歴史において、大きな、非常に大きな出来事が起こったのである。

それが起こったのは第5戦、Rush Gaming(以下Rush) vs LV。実況のK4SEN氏、解説の鈴木ノリアキ氏共に当然のようにLV勝利を予想。これまでの戦績などからも、LV勝利は固いだろうと思った人が大多数だったと思う。勝利しGF進出を決めたいRush、無敗優勝を目指すLV。どちらも負けられない一戦が始まった。

HP 241-250

SnD 6-1

CTL 2-3

HP 250-142

SnD 6-3

Rush 3-2 LV

激戦に継ぐ激戦の結果、大方の予想をひっくり返し、RushがLVを下した。ついに、LVを公式大会で破るチームが現れたのである。

最終的にはGFでLVはRushを下し優勝となるのだが、2018年9月22日のWWⅡプロ対抗戦GFから約3年。完全無欠の戦績を誇ったLVに、ついに黒星を付けるチームが現れたのである。

RushがLVと並び国内2強になったわけではない。この日、Rushはプロ対抗戦Summerシーズン3位となったCAG相手に0-3で敗れており、4位となったSZとの合計ポイント差は僅か2であった。この3チームに実力差はほぼないのである。

そんな中でRushがLVを下したことは非常に大きな意味を持つ。つまり、LVの無敗伝説は終わりを告げ、もはや手の届く場所になったのだ。たかが一勝、だが勝てることを証明した歴史的な瞬間であり、歴史を動かす出来事となった。

日本のCoDシーンはこれまでの無敗の王者LV一強の時代を終え、最強の座を奪い合う戦国時代へと突入することとなるだろう。連勝記録は止まっても、連覇は継続しているLVを止めるチームはどこになるのか。そしてこれからの日本のCoDシーンがどこまで発展していくのか、新しい歴史の幕開けとなる1日となった。

さて、ここまでは日本のCoDシーンにおいて「LVを倒すことの意味」について書いてきたが、倒した側であるRushにとってもこの日、歴史が動いた日となった。その話は次回の記事で。

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