全ては繋がっている

 自分らしくていいと言われても、何が自分らしいのかずっとモヤモヤしていたけど、尺八をきっかけに日本人のルーツや長野県の歴史を掘り下げて、モヤモヤも薄れてきたし、普段のイライラも無くなった。

 みんなと同じルールを守って、みんなと同じタブレットを使って、という生活は変わらないけど、マインドが変わると物の見方が変わる。そして、今はまだ生活は変わってないけど、そのうち変わっていくんだろうなという予感でワクワクす。

 さて、どうやって繋がってる、自分らしいということに落とし所をもてたかと言うと、きっかけは、まず古事記である。2月に「古事記を読もう」と思いついた。なぜ古事記かというと、定番中の定番で登場人物が多いから。読書が好きなので活字ならなんでもいいんだけど、古事記を選んだ。

 読み進めてみると、子供のころに読んだことがある話がほとんどだった。気づきとしては、古事記に出てくる神様以外にも神様はたくさんいるということ。だから、ここでまず「古事記に出てこなくてもいいんだ。🟰自分も枠から外れていいんだ。」と随分気が楽になった。

 それと、古事記は天皇や宮廷との結びつきが強いから、「雅楽、いいな」となった。2月は、運よく見つけた雅楽の演奏会も行ったし、笙という楽器に興味をもって習いたいなと思って調べたりもした。結局、笙の教室は見つからなくて、邦楽の楽器で尺八を習うことにした。それが2月下旬。

 尺八について調べてみたら、今演奏されている尺八は、あまり歴史が長くないし、尺八で吹いて素敵だなという曲が少ない。私が思ったのと違ったので、レッスンに通ったのは3回だけ。でも、先生と話している中で、尺八や他の楽器の歴史的な位置付けが分かったのがよかった。

 そして3月は、神社と温泉に呼ばれた。寒川神社、熊野神社、明治神宮、諏訪大社、そして穂高神社。私は、初詣も行かないタイプなのに1ヶ月の間にどうしてこんなに呼ばれるんだか分からないけど、呼ばれたからしょうがない。穂高神社の雰囲気がとても気に入った。今まで行った神社の中で一番しっくりきた。こんなに気が合うところってあるんだな。

 温泉は、山梨、湯河原、長野。私は皮膚が弱いので、自ら進んで温泉には行かないけど、月に3回も行くってことは、何かのエネルギーを補充したのかもしれない。

 そして、尺八の話に戻るんだけど、先生と尺八の曲の話や日本史の話ををしていた時に、東大寺のお水取りの音源を流してくれた。

https://youtu.be/MbMTSqPWBMY?si=6gm0MpTWvMQl7A6q


  それを、1、2秒聴いたら、「これは、グレゴリア聖歌だ!」と思って、全ては繋がってるんだなとつくづく思った。

 東大寺がつくられた時代にも、景教(キリスト教)の影響を受けてることが感じられる。グレゴリア聖歌っぽいところもあるし、リズミックなところもあるし、とても魅力的な音楽だった。総合演出みたいな人がいるのかな。

 声明って興味深い音楽だなと思っていたけど、この東大寺みたいに複数の人の声のを聴くのは初めてだった。私が聴いたことがあるのは、高野山での護摩業で、一人の声と、太鼓と、木が燃える音だったから、複数の声が重なってつくられる音楽もいいなと思った。

 仏教もキリスト教も、日本もシルクロードも繋がっているんだな。色々な価値観が混じりあっていいんだな。何層にも重なって、矛盾もあっていい。

 長野のことは、この本を読んで、今まで知らなかった民族のことを知った。  https://amzn.asia/d/8rklhof

 安曇に来た民族、諏訪に来た民族、伊那に来た民族、それぞれ違うらしい。来た時期も違うから、それぞれの文化が重なりあって、独特の文化を創り出している。縄文時代、弥生時代、飛鳥時代あたりの疑問が少し解けた感じがした。

 こんなふうに、色々な文化や宗教や民族が混じりあっているのに、「日本人」とか「縄文人」とか「仏教」みたいに、一括りにされているから苦しくなってたんだな。

 全ては繋がっているけど、同じ価値観に統一しなくてはいけないものではない。でも、私は、それぞれを狭い定義で認識していたから、思考が滞って八方塞がりになっていた。

 そのことが分かったから、自分らしくしていいっていうことも分かった。私が思っている「常識」は、メディアに影響されていることが多い。年中行事も人生設計も。そこから、抜け出していいっていうことが分かった。

 今までは、根っこがない切花みたいな人生だった。尺八をきっかけに、日本人のルーツを考えることができて、地に足がついた暮らしになりそうで嬉しい。

 これからは、人のせいにすることもないし、自分を信じて生きていけばいい。上手くいくから大丈夫。私が知らないところで、ちゃんと繋がっているから大丈夫。

 


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