夜の涙
1人じゃない夜を過ごしたのは、いつぶりだろうか。
無機質な、ふかふかした感触ではなく、
血の通った温かい肌の感触。
どう思われてもいい。
「なんで泣いてるの?」と言われてもいい。
涙を流す理由が全く見つからないその部屋で、
私は泣いた。
もう一生ずっと1人で夜を過ごすと思っていた。
1人で乗りこなさなくてはいけない、と思っていた。
誰かと一緒にいる。
誰かに体を許す。
もしかしたら、誰でも良かったのかもしれない。
今となっては、もう分からない。
でも一つだけ確かに言えることは、
悲しい涙ではなかったということ。
全然悲しくなかったんだよ、と伝えたいということ。
温かい涙だったんだよ、ということ。
そして、体を許せたのはあなただけなんだよ、ということ。
aS
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