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映画「チャイルド・プレイ」


名作ホラーシリーズ「チャイルドプレイ」のリニューアル版
バディ人形チャッキーの物語です。


今度のチャッキーはAI搭載で、人形というよりロボットですね。
スマホのアプリに接続して使います。
同じカスラン社の製品ならばどんなマシンとも同期することができ
アレ〇サみたいなのと接続して家の電気系統も支配できるし
ドローンや無人タクシーも操作できて無敵♪

おもちゃというよりもはや暗殺や軍事利用できそうなレベルで、
「ロボットの反乱」的な話になってしまうんだけど
家庭や子どもたちが主軸で展開するところが、やっぱり人形ホラーかな。


話はまず人形を作っているベトナム工場から始まります。

仕事中にぼーっとしてた作業員の男が、現場監督に怒鳴られクビにすると脅され
「おまえは路上生活に逆戻りだ」などと言われている。
工員、腹いせに人形に入れるAIのメモリカードのプログラムを改ざん。
「暴力」など禁止された行動にストッパーがついていたのを全部外してから人形にセットして、そのまま出荷用のコンテナに紛れ込ませた。
その後飛び降り自殺します。

人形を買うことになる富裕層へのささやかなテロのつもりだったのかもしれないが
皮肉なことに、返品倉庫からひそかに持ち出してその人形を手に入れたのは
デパートで働くシングルマザーと難聴の息子という、決して裕福とはいえない家庭だった・・・。


AIの規制を外されたからといってすぐに殺人人形になるわけではなく、
子どもたちのちょっとした悪気のない言動から暴力や殺戮を学習してゆく過程が
わりと丁寧に描かれています。

チャッキーが犯人なのはもうわかって観ているので
何も知らない子どもたちの行動に「あ~あんなこと教えちゃってる」とハラハラするのが前半の醍醐味。


不思議なのは、チャッキーのヤンデレみたいな部分ですね。
アンディを傷つける者を殺し、仲良くしている者も殺し
録画データを使ってアンディを周囲から孤立させようとしたりと
心理戦みたいなものも展開してきます。

子どもたちの粗暴な一面から物理的な暴力を学習したのはわかったけど、
独占欲はいったいどこから学習したのでしょうか??

途中から他の少年の持ち物になったりしてて
そのとき所有者がいったんリセットされてるはずなんだけど
まだアンディにこだわってるのなんでだろ。

アンディはアンディで、チャッキーに異常があるのを親に隠して飼い続けようとしたり
かばったり、どうしても捨てねばならんとなると泣いて惜しんだりしているのですが
彼は引っ越したばかりで友達いなかったし、母は彼氏といちゃこらしてるしで
孤独な子だったという説明が一応あります。


話はそれますが
マンガとかBLでも、キャラの執着心に理解しやすい説明がなされていることは稀だったりします。
すべての女に母性が標準装備されているわけではないように
独占欲だって標準装備でもなんでもないし
私にとっては、決して「説明不要な感情」ではないんですけども
二人が恋人同士の設定なら
「恋とはそういうものなのだろう」というところで、納得できないこともない。

しかしチャッキーとアンディは恋人同士ですらないではありませんか。

あ、そういう
恋人のように1対1の関係という共通認識が本来存在しないはずの関係性に、あえて独占と支配を持ち込むことでホラーが出来上がるのか??


さて凶悪人形のチャッキーですが
弱点は二つあり、
一つは胸部にあるバッテリーを引っこ抜くこと。
充電はどうやっているのかわかりませんが、とにかくあの動力源がないと起動できないみたい。

もう一つは最後の最後に出てくるのですが
追い詰められたアンディがあることをすると、動きが止まってしまうんですね。

なんかこれ・・・

これって・・・・

司馬遼太郎原作の映画「御法度」のラストを思い出してしまいました(´∀`*)


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イラストbyありしゅ。

チャッキーのイメージで描いた。大人バージョン。歩く等身大の人形が部屋に居座っている。

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