ティア1
本投稿のGOAL:
ラグビー日本代表の「ティア1」入りが、いかに凄いことなのかがわかる。
アルカスユース熊谷、ヘッドコーチの菅原です。
昨年、日本列島を感動、熱狂の渦に巻き込んだ、我らがラグビー日本代表。
何とその日本代表が、「ティア1」入りする方針が大筋で合意、とのニュースが。
正式発表はまだのようですが。
「ティア(tier)」とは?
「ワールドラグビー(ラグビーの国際統括団体)」が設ける、世界ランキングとは別の「階級」を指します。
テストマッチの獲得ポイント(対戦国との実力差、その勝敗、得失点差等で換算)が高い順に並べられる世界ランキングと違い、明確な基準はないものの、その国のラグビーの実績、伝統、品格等で決定されます。
「ティア」は1〜3まであり、ティア1がラグビー列強国、2が中堅国、3が発展国、というすみわけがされています。
現在ティア1にカテゴライズされている国は、「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」参加の4か国(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン)、「シックスネーションズ」参加の6か国(イングランド、アイルランド、フランス、スコットランド、ウェールズ、イタリア)の計10か国です。※順不同
ただ、例えばイタリアの世界ランキングは5月現在で14位、アルゼンチンが10位、日本が9位ですので、世界ランキングがティアに直接関係していないことがわかります。
「ティア」により分けられた国々は、原則的に同じティア同士の国とテストマッチを行います。
ラグビー日本代表は、これまで長らく「ティア2」国でした。
だからテストマッチの多くは、中堅国との対戦が多かったはずです。
もちろんこれまでに、オールブラックスやワラビーズ、イングランドやウェールズとのテストマッチもありましたが、あくまで例外的です。
つまり。
「ティア1」入りする最大のメリットは…。
「ティア1国とのテストマッチが、これまでよりもはるかに多く組める」
ということです‼︎
もちろん他のメリットもたくさんあるのでしょうが、私にはわかりかねる部分もありますので、ここでは言及しません。
私が高校1年生でラグビーを始めた2002年は、サッカーワールドカップの日韓共催大会が開催された年で、サッカーは日本で絶大な人気を誇っていました。
そのサッカー日本代表がワールドカップに初出場したのは、何と1998年、日韓ワールドカップの前回、フランス大会でした。
それが今や、日本人なら誰でも知っているスター選手が出現し、サッカーをする子どもたちは皆、海外のクラブを志向するなど、サッカーが日本の「文化」となったといっても過言ではありません。
一方ラグビーは当時、低迷期真っ只中。
2003年、ワールドカップオーストラリア大会を控えていましたが、盛り上がっているのはラグビー部員だけ。
2003年、そのワールドカップでも全敗。
その直後、スコットランド代表とのテストマッチで104失点する「事件」もありました。
私もいつしか、日本代表やトップリーグの試合よりも、南半球やヨーロッパの試合ばかり観るようになっていました。
それでも関係者の決死の、いやはやこんな陳腐な言葉では到底表現しきれないような壮絶なハードワークにより、昨年のワールドカップ招致の成功、2015年ワールドカップでの「ブライトンの奇跡」(南アフリカ撃破‼︎)、そして日本ワールドカップでのベスト8進出。
想像しただけでも気が遠くなる道のりです。
私など何にも貢献していませんが、
「ここまで来たか」
としみじみとしたものです。
そして苦節何年でしょう。
「ティア1」入り。
高校で勉強を放り投げた私が、今から20年浪人して、東大医学部に入学するようなものですよ、これは‼︎
20年勉強したら入れる、と言いたいのではありませんからね。
20年浪人すれば、フツーなら3年目くらいで心折れますからね。
ラグビーワールドカップ日本大会は大成功に終わりました。
日本代表の活躍だけでなく、全国各地の「おもてなし」のグレートさも大きく取り沙汰されました。
ティア1入りの条件は、前述の通りラグビーの実績だけではありません。
日本のラグビーの伝統、品格も世界に認められたということです。
まさにONE TEAM ‼︎
日本ラグビー界に強烈な追い風が吹いていることは間違いありません。
ラグビーを日本の「文化」に。
様々な方々がおっしゃっています。
言うほど簡単ではないでしょう。
でも、ウェールズに、スコットランドにコテンパンにされていた時から、本当にここまで来ました。
諦めない人たちがいたんです、間違いなく。
関係者全てに敬意を表しつつ。
女子ラグビーだって。
できない理由なんてない。
そう信じて、私自身にできることを精一杯。
そして私自身にできることを増やしていく。
正式発表はまだですが、とりあえず今夜は、日本ラグビーが「ティア1」入りしたことを祝し、フライング気味でささやかにひとりで一杯やりたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございます。
ARUKAS YOUTH KUMAGAYA ヘッドコーチ 菅原悠佑
ありがとうございます。今後ともアルカスユース熊谷をよろしくお願いいましたす♪