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9月はあまり好きじゃない


 9月はあまり好きじゃない。

14年前に親友を。
そして今年。
2022年9月1日、友であり、家族でもあった大好きなアルを失ってしまったから。

 だから、9月はあまり好きじゃない。 


 手のひらに感じる温もりが、まるで小さな砂粒のようにさらさらと零れ落ちていく。どんなに指先に力を篭めてみても、イノチはさらさらと音をたてながら零れ落ちていく。
涙を拭った。何度も何度も。
その小さな砂粒を流してしまわないように。


 アルが旅立ってから、彼の友として、父ちゃんとして何が出来るのか。懸命に考えた。
そして、彼の居場所を作った。


 
 彼が落ち着いて過ごせる場所。

 彼が気に入ってくれるといいなと願いながら。


 
 彼が旅立って50日余りが過ぎた今も、家中のあちらこちらに彼の温もりが残っていて、時々どうしようもなく逢いたくなることもあるけれど、彼の旅が穏やかなものであるよう、ずっと願っていこう。そして、話しをしよう。

 毎日、毎日。

 たくさん、たくさん話をしよう。


 9月はあまり好きじゃない。



 それでも9月は、自分にとってとても大切な月になった。









PS

 アルの姿が見えなくなった生活にもだいぶ慣れてきました。毎日アルにごはんを作ったり、話しかけたり、割と忙しく? 穏やかな生活を送っています。
彼のために花を送ってくれる友人が何人もいて、今のところとても賑やかな居場所になっています。

 花瓶も買いました。(花瓶って割とお高いのね...)

 




 彼を想ってくださった皆さん。

 彼を悼んでくださった皆さん。

 ありがとうございました。

 おかげさまでアルも良い旅を送っていると思います。