『〇〇の街』豊岡
兵庫県豊岡市は『鞄の街』として売り出し中ですが、豊岡市には鞄以外にも〇〇の街
と称するものがあります。
それは『演劇の街』
今回は鞄から少しはなれて、豊岡市を紹介したいと思います。
豊岡市には温泉地として有名な城崎温泉があり、日本海の漁港も近く、カニシーズンには特に多くの観光客が訪れますが、人口の減少がすすんでいる地方都市です。当時の市長は、市が生き残るためには他にはない突き抜けた価値が必要だと考え、劇作家の平田オリザさんとの交流をきっかけに、演劇を活かしたまちづくりを始めました。
2014年には当時休館していた城崎大会議館を県から譲り受け、『城崎国際アートセンター(KIAC)』をオープンさせます。ここは『アーティスト・イン・レジデンス』という、アーティストが一定期間滞在し作品の制作活動が行える施設です。世界的に有名なアーティストも訪れ、試演会やワークショップが開催されるなど、一流アーティストと市民との交流の場となりました。
アートセンターを拠点とした演劇文化が少しずつ実を結び始めると、演劇をアートセンターからまち全体へと広げようという取り組みにも着手します。その代表が、2020年から始まる『豊岡演劇祭』です。会場となるのはアートセンターやホールだけでなく、城崎温泉の小路や江原駅前まで様々。市民にとってありふれた場所で演劇やダンスが上演されました。コロナ禍により中断もあった演劇祭ですが、2023年には期間中に延べ2万人を超える来場者がありました。
2021年4月には、国内で初めての演劇やダンスが本格的に学べる公立大学「芸術文化観光専門職大学」が開校します。
学生たちは講義や実習で忙しいなか、脚本から舞台美術、宣伝にいたるまで自主で行う公演をひと月に何本も開催しています。おかげで仕事終わりにちょっと舞台でも観て帰る、そんなぜいたくな機会も増えました。
演劇という文化は豊岡市に幅広く浸透しつつあります。
先日は出石の古民家を改装したカフェで、食事と劇団『青年団』によるリーディング公演がセット開催されています。
かくゆう私も『豊岡市民プラザ』で開催された舞踏公演に市民参加者として参加、舞台へ立たせていただきました。平日の夜と土日を稽古に費やすため業務に影響がないとは言えませんが、会社は快く送り出してくれます。
それぞれの個性の違いを活かしてひとつのものを作るという演劇的手法は、それぞれの人にはその人らしい生き方があると認めあえる多様性として確実に豊岡に広まっています。
鞄を見に来たついでに演劇を
演劇を観に来たついでに鞄を
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