田中一村・・芸術家だからこその言葉に共感
【えかきは我がまま勝手に描くところに 絵描きの値打ちがあるので、もしお客様の鼻息を窺って描くようになったときは
それは生活の為の奴隷に転落したものと信じます。】
私の信条に合致する言葉、好きな言葉です。
私は、自分に記憶がない幼少時から、とりつかれたように絵を描いていた。でもずっと思っていたのは、『何が売れるかという動機の【売り絵画家】になったらおしまいだ』ということ。
自分の周囲にいる著名な画家と生き様で、心惹かれる人はいなく、うまいなあ、逆立ちしてもかなわないなあーと【感心】する作品はたくさんあるが、魂を震わせるような【感動】する作品は見当たらなかった。自分が感動してきたゴッホやセザンヌも、そして彼も生業としては成功者ではなかった。生活の糧は大島紬の絵付けのお仕事で得ていました。
だから【生業成功者としての画家】になろうとするなら、
私が思う画家から外れ・・おしまいだと思っていた。もう今の時代に、懐の深い画商も存在せず、
高い値がつくことを誇りにするような作家や画廊が占めているんだろうなと。そんな折に出会ったのが、田中一村のの作品展示だった。
彼は、私が産まれた頃、奄美に孤高で移り住んだ、珍しく純粋な画家。
彼が残した言葉で一番すきなものは、これです。
【えかきは我がまま勝手に描くところに 絵描きの値打ちがあるので、もしお客様の鼻息を窺って描くようになったときは
それは生活の為の奴隷に転落したものと信じます。】
これは、注文にまったく応じないと言う意味ではないはず・・
一村氏も時折、注文されて描いてはいますし、私も注文してくださることは感謝します。
ただ作家の感動や内奥から形作られたもので、描かせていただくようにお願いし、ご理解いただき喜んでくださっています。
この心情、信念を まず第一にしている
彼のような魂の生涯を送る作家を、
私はほとんど知りません。
自分も、そうありたきと歩んでいるつもりです。
独学の画家 香本博(コウモトヒロシ)です。北海道から沖縄まで約130回の個展を開催してきました。より多くの方に見て知っていただけるよう、絵本出版なども考えています。応援よろしくお願いします。