4月25日(日)関西サッカーリーグ 第2週 VS おこしやす京都AC
2021 Match Report #3
大 会:関西サッカーリーグ 第2週 vsおこしやす京都AC
試合結果:1−1
ホーム開幕戦。有観客試合
京阪神では三度目の緊急事態宣言が発表され、和歌山県内でも過去最多のコロナ陽性者数が出ている情勢。無観客試合も止むを得ない状況でしたが、クラブとサッカー協会が協議し、250名限定の有観客試合になりました。
何しろこのゲームは関西リーグのビッグマッチ。しかもホーム開幕戦。会場は紀三井寺陸上競技場メイン。盛り上がる条件が揃っていました。私自身もこのゲームは和歌山のサッカー文化の発展に重要な試合だと感じていましたし、それは有観客試合を進めたクラブもサッカー協会も同様の思いだったと思います。感染リスクがある中で来てくれるサポーター、感染者を出さないように必死で準備をする運営スタッフ・関係者。その気持ちになんとか勝利で応えたい。会場に向かう車の中、ハンドルを握る手はいつもより力が入っていました。
試合前のミーティング。
「感染リスクがある中で来てくれた人たちに、我々見せるべきは、魂。綺麗なものを見たい人は美術館に行く。俺たちは闘争心を見せよう。相手の攻撃力は高いけど、こっちの能力も充分高い。受け身にならず、殴り勝つ精神を常に忘れずに闘おう」
相手のFWは身体能力が高く、おそらく高さとスピードを活かして押し込んでくると予想していました。準備していたブロックからカウンターの形を再確認し、大一番に臨みます。
《前半》カウンターからチャンスをつくるも決め切れず
ピッチ上は強い風が吹いていました。GKが中央に蹴ったロングボールがタッチラインに大きく流されてしまうほどの風です。
おこしやす京都GK真田のキック力とFWイブラヒムのスピードは相手のストロングのひとつ。おそらくロングボールの多い試合になると予想していたので、相手の長所を消すためにも、前半は何としても風上の陣地を取りたいと思っていました。
運良くコイントスでこちらが追い風になる陣地を取れ、キックオフ前には少し安心してベンチに腰を下ろすことができました。
キックオフ。予想通り、ロングボールを主体とした攻撃で、こちらを押し込んでくるおこしやす京都。しかしこちらは押し込まれても決して受け身にならず、相手が押し込んでくるということは相手の背後に大きなスペースができている、という感覚を持っていました。練習で準備していた、引き込んでカウンターを狙う戦術がうまくハマります。
序盤から堀野や久保がシュートを放ち、相手ゴールを脅かすシーンを度々つくり出します。
おこしやす京都も個の能力が充実しており、バー直撃のシュートなど、危険なシーンもありましたが、ゴールは許さず。まさに一進一退の攻防が続いた前半でした。
風のアドバンテージもあり、チャンスはこちらの方が多かっただけに、ゴールを決めておきたかった前半でした。
《後半》先制を許すも土壇場で執念の同点弾
後半も前半同様、ロングボールの多い展開に。今度は風下に立たされたアルテリーヴォがさらに押し込まれる場面が増えます。その上、ボールを奪った後、徐々に前線でボールの出し手と受け手のタイミングが合わなくなってきて、ボールロストが増えていきます。前半に武器となっていたカウンターの精度が落ちてきてしまいました。
すると、後半19分。自陣深くで与えてしまったFKの流れから相手DFに頭で押し込まれ、先制を許してしまいます。しかし、まだ慌てるような時間ではないので、落ち着いてプレーすることが重要です。しかし、体力的にきつい時間帯の失点は少しダメージが大きく、徐々にパスやセカンドボールへの反応が遅れていきます。特に前線の選手に疲労の色が見え始めていました。ロングボール主体の攻撃は走る距離も長くなり、体力の消耗が激しいので、髙橋俊樹、宇都木をピッチに送り、ボールを保持しながら攻撃するように指示します。後方でボールを動かしながら、髙橋俊樹と中西のコンビネーションでチャンスを作り出しますが、ゴールは奪えず。スコアは0−1のまま終盤に差し掛かります。それでもチーム全員がまだチャンスはあると信じていました。
後半アディショナルタイム4分。相手陣内でスローインを得ます。左SB奥津の武器であるロングスロー。白、篠原の両CBもゴール前に上がります。これが最後のプレー。
ロングスローはゴール中央で弾かれ、ペナルティエリア外の髙瀨の足元へ。高瀬の叩きつけたミドルシュートに髙橋俊樹が渾身のオーバーヘッドで合わせます。スーパーゴールがゴールに突き刺さり、土壇場で同点に追いつきます。
髙橋俊樹は昨シーズンにおこしやす京都からアルテリーヴォ和歌山に加入。二度の前十字靭帯断裂も、彼はプレーすることを諦めず、辛いリハビリを重ね、ピッチに戻ってきました。さらに2週間前の練習では鼻骨を骨折。それでもこのゲームでプレーするために必要なことを怠らず、チャンスもモノにし、チームを救ってくれました。彼のこの2年間の努力が報われた形にチーム全員が歓喜しました。その後、キックオフ直後にタイムアップ。
劇的なアディショナルタイム同点弾で、何とか勝ち点1を拾った形になりました。
しかし、シュート数は相手が5本に対し、こちらは10本。
試合の展開的に勝ち点1を拾ったという感覚になりますが、多くの決定機を作りながら得点できなかった前半を悔やみたいと思います。それを決める力があれば、ドローではなく、勝ち点3を取れた、そう考えています。
おこしやす京都は力のあるチームでしたが、こちらも決して引けを取っておらず、関西のチャンピオンになるポテンシャルがあることを示せたゲームになったと思います。ただ、上に行くにはそのポテンシャルを実力に変えていかないといけない。そのためには毎日のトレーニングで、小さなことにでも結果を出し続け、不可能を可能にしていかなければなりません。そのパスは通せなかったか。あのシュートは決めれなかったか。チャレンジしてOKにしてはいけません。惜しい、でOKにしていては甘い。JFLに昇格するため、より一層、厳しくトレーニングしていきたいと思います。
今回はサポーターの皆さんの力ももらえ、やはりホームゲームは最高だと感じました。
今シーズンのリーグ戦ではあと6試合、和歌山での開催があります。
コロナの感染状況はあまり良くありませんが、可能な限り多くの皆さんに今年のアルテリーヴォのプレーを見ていただければと思います。第2週も応援ありがとうございました。
次戦は和歌山県サッカー選手権大会(天皇杯県予選)決勝です。
準決勝同様、難しい試合になると思いますが、勝って13年連続の天皇杯本大会出場を決めたいと思います。
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