#バクプリ 上松範康氏の炎上騒動まとめ①

2023年4月1日に起こった「うたの☆プリンセスさまっ♪ BACK to the IDOL」及び原作者・上松範康氏の炎上騒動とその背景についてまとめています。
なるべく詳細に記載している為、非常に長い記事となっています。
また、本記事にはうたの☆プリンスさまっ♪本編に関するネタバレが含まれます
予めご了承ください。

事の発端

2023年4月1日、午前0時。
Twitterで以下のツイートが発信された。

「うたの☆プリンセスさまっ♪ BACK to the IDOL」(通称:バクプリ)と称し、
「アイドル×タイムスリップ」がコンセプトの新時代新次元プロジェクトと発表された。

発表当初は4月1日・エイプリルフールというタイミングもあり、
原作者・上松氏の「ハッピーエイプリルフール☆」発言や公式アカウント等による”嘘ではない”との発表がなかったこと、プレスリリース等裏付け可能な記事もなかったこと等から、本当に始動するのか、エイリルフールネタではないかと混乱の声が上がっていた。

そんな中、昼頃になり各種関係者や声優陣のツイート、キャストオーディションの発表などから”事実である”と事態を把握し始めたうたプリファンによって様々な批判が殺到し、炎上することとなった。

この記事ではバクプリ炎上の原因と批判の内容についてまとめている。

①”プリンセスさま”は既出のタイトルだった

そもそも「うたの☆プリンセスさまっ♪」は、
2011年のエイプリルフール企画を発端としたうたプリの劇中劇シリーズのタイトルである。

ファンの間では紛らわしさからサブタイトルの“まじかるイチコ”を用いられることが多いが、発端の企画名は「うたの☆プリンセスさまっ♪」だ。
内容は、一ノ瀬トキヤ演じる「イチコ」が主人公の魔法少女パロディ。
公式サイトにてあらすじや登場人物、キャスト&スタッフなどの情報が公開された。

その後、2011年発売のゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪Repeat」アニメイト限定セットの特典としてドラマCD化
2017年発売のゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪Amazing Aria & Sweet Serenade LOVE」に続編が追加され、
2020年発売の移植版「うたの☆プリンスさまっ♪Amazing Aria & Sweet Serenade LOVE for Nintendo Switch」でもプレイ可能となっている。

これらは「うたの☆プリンスさまっ♪」において「マジLOVE1000%」よりも前からあるアニメよりも長い歴史を持つシリーズと言える。

この、
既に存在する劇中劇のタイトルを全く無関係の新規プロジェクトに使用したことが大きな混乱を招いた。

Twitterでも
女性アイドルはいいけど、タイトル被せは嫌
うたプリと全く関係なかったら素直に応援したと思う
略称が”バクプリ”ならうたの☆プリンセスさまっ♪である意味は?
といった声が多く寄せられていた。

✦「うたの☆プリンスさまっ♪」にとっての”エイプリルフール”

ここで、うたプリにおける「エイプリルフール」というイベントの立ち位置について触れておきたい。

先述の”まじかるイチコ“を皮切りに、うたプリではエイプリルフールで披露されたコンテンツがその後実現するという流れがお約束となっている。

例えば2013年、「PRIQLO」と称してアイドルがプロデュースしたTシャツが発売されるという内容のWebサイトが公開された。
サイトではアイドルがプロデュースしたTシャツと、それを着た彼等のビジュアルを見ることができた。
もちろんこれらは”エイプリルフール“なので、当日は実際に購入する事はできなかったが、後日本当に発売される事が発表された

このように、うたプリファンにとってエイプリルフールは
その年の新規コンテンツの先行お披露目の場”として親しまれている。

過去のエイプリルフール企画については別の記事にまとめたので気になる人はチェックしみて欲しい。

そんな、ファンが毎年楽しみにしているエイプリルフール企画に被せる形で発表された”バクプリ”に「嘘か本当かわからない」「何故今日(4/1)なのか」と混乱と不満の声が多く上がり、中には「うたプリのエイプリルフールネタだと思ってた」「女性化じゃなかったんだ」などの声も見受けられた。

うたプリの人気を利用したかのような発表の仕方がファンの怒りを買う結果となった。

②8年間更新されない本編と音沙汰なしの新作

また、制作発表から今年で7年目となる幻の新作「Dolce Vita」に関しても非常に多くの声が寄せられていた。

「うたの☆プリンスさまっ♪」は、2次元男性アイドルの金字塔と呼ばれることも多い作品だが、原作が恋愛ゲームという点で他の作品と少々異なる。

作品コンセプトおよびジャンル名は
キスよりすごい音楽って本当にあるんだよ」。

うたプリの楽曲は主人公が作曲、アイドルが作詞というスタンスで制作される。
主人公とアイドルが切磋琢磨し、恋をして、愛を育みながら制作された音楽が、人々を魅了し世界を変える。
そんな「愛と音楽」がテーマの作品で、その2つが描かれなくなって丸8年が経過する。

よく勘違いされがちなのが、スマホ向けアプリゲーム「Shining Live」はスピンオフの音楽ゲームであるという点。
他のアイドル作品と異なり、アプリ内に本編ストーリーが存在しない
一応「メインストーリー」というカテゴリはあるが、アイドルのお仕事風景にスポットを当てたものでイベントやサイドストーリーと大した差はない。

主人公とアイドル達の成長や楽曲制作の過程を描いた物語は、2015年発売の「うたの☆プリンスさまっ♪All Star After Secret」以降8年間止まったままなのである。

✦「音楽がキスよりすごいかどうかは、キスしてみないと分からない」

これは、2019年公開の映画「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」の舞台挨拶後に投稿された一十木音也役の声優、寺島拓篤氏のブログの一文だ。

音也たちの音楽がキスよりすごいかどうかは、やっぱりキスしてみないとわかんないと思うんですよね!
だから、また音也たちには恋愛をしてほしくなってしまうんです。七海春歌と魂が重なるあなたと。
今、王国の影からステージを見守る彼女が何をみているのか、誰を見ているのか。

http://blog.livedoor.jp/terashimatakuma/archives/2452212.html

この記事はファンから多くの支持を集め、「てらしー」やブログタイトルの「テラシマ流星群」がTwitterでトレンド入りするなど大きな反響を呼んだ。
原作未プレイのファンからも「プレイしてみようかな…」といった声が上がり、原作ゲームおよび新作の「Dolce Vita」に一層大きな期待が寄せられることとなった。

そんな期待が寄せられた「Dolce Vita」だが、2016年の制作発表から音沙汰がないまま7年になる。
開発は進んでいるのか、中止になったのかさえも分からないまま突然同じ会社・同じ制作陣による新規プロジェクトが発表されたことで、
新規プロジェクトよりも他にやることがあるのでは
Dolce Vitaを先に出せ
といった批判が殺到することとなった。

③共通する名称・世界観(?)

✦物語の舞台「”早乙女”女学園」

公式サイト上でバクプリの舞台と紹介されている「St.早乙女女学園」。
「うたの☆プリンスさまっ♪」の舞台「早乙女学園」に非常によく似ている。
Twitter上では同じ学園と勘違いしていると思われる声も多く、同じ世界観なのではないか、うたプリのアイドルと絡む可能性があるのではないかと更なる混乱を招いた。

✦うたプリの根幹である「早乙女光男」という人物

「うたの☆プリンスさまっ♪」の舞台である芸能専門学校「早乙女学園」。

この”早乙女”という名は、学園長及びデビュー後の所属事務所の社長である「シャイニング早乙女」(本名:早乙女光男)に由来するものだが、彼がうたプリの世界において非常に重要な人物であることに着目したい。

というのも、学園・事務所創設者である早乙女がアイドルを志すきっかけが
タイムスリップした未来で出会った主人公達”だから。

これは2011年発売のゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪ -Amazing Aria-」に含まれる内容である。

そしてこの早乙女ルートの中で制作された楽曲がうたプリのテーマ曲とも言える「Welcome to UTA☆PRI world!!」である。

この楽曲は、
初期攻略対象の6人で歌われた「Welcome to UTA☆PRI world!!
クラス別の「Aクラスver.」「Sクラスver.
隠し攻略対象のセシルを加えた「Welcome to UTA☆PRI RAINBOW world!!
2019年公開映画のアンコール曲「Welcome to UTA☆PRI KINGDOM!!
早乙女ルートのEDや10周年の特設サイトでBGMとして使用されている「永遠のantique gold」など様々なバリエーションが存在し、
他の楽曲にメロディが引用されたり、ファンミーティングのタイトルに用いられるなど重要な場面で扱われることも多い。

そんなうたプリ世界のルーツである「早乙女」の名が使用されたバクプリの舞台に疑問や不安を抱くファンも多かった。

④運営元・株式会社ブロッコリーへの不満

✦度重なる商品不良・販売不備

うたの☆プリンスさまっ♪では度々商品不良や販売不備などで運営元の株式会社ブロッコリーへ不満が上がっていた。

今年に入ってからだと、2月発売の「ブロッコリーくじ うたの☆プリンスさまっ♪ Ice Crystal Ver.」ではアクリルスタンドの顔部分に印刷欠けがあるも、仕様の為交換不可との回答があった。

また、3月発売のアクリルスタンドでも印刷不良が見つかり交換対応が案内されている。

さらに3月に開催された3Dライブ「SHINING STAR STAGE -SONG PARADE☆-」では、シリアルコード1枚での重複当選はないと案内されていたにも関わらず、同一日時公演での重複当選があったとの発表がされた。

Twitter上では
単番で申し込んだのに同一日時公演がSSS席×3で重複当選した
返金方法は記載されていたが、それ以外の重複分の行方等は不明
とのツイートが見られた。

この「ビデオグラム最速先行抽選販売」は、アイドルの直筆サイン付き招待状が付属するSSS席(20,000円)を最優先受付するもので、前回公演のBlu-rayまたはDVDに封入のシリアルコードでのみ申し込み可能だった。
※キャンセル席が発生した場合のみ、アプリ先行で取り扱うとの案内あり。

申込者からはビデオグラム先行の落選者による「再抽選」が望まれていたが、重複分のチケットの扱いについて案内がないままその後のアプリ先行でSSS席が販売されることとなり、不満の声が続出した。

同イベントではその他にも
マグネットライトの色が実際と異なる(2名のみメンバーカラーではなく白)
購入特典の日替わりピンズを渡し間違える
など、運営の不手際が目立った。

✦在庫不足と赤字決算

そして商品不良と同じ、もしくはそれ以上に問題視されていたのがグッズの在庫不足および機会損失についてである。
直近だと先述の「SHINING STAR STAGE -SONG PARADE☆-」(通称SSS)の物販、そして昨年公開の映画「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」のグッズが目立つ。

スターリッシュツアーズではパンフレットやペンライト、Tシャツ等のグッズが販売されたが、そのほとんどが在庫の非常に少ない劇場販売と事前通販によるものだった。
特に球体のライトやTシャツは劇中でも登場する為、映画を見てファンになったという人や事前に購入しなかった人から再販希望の声が多く上がっていたが、その後販売されることはなかった

SSSでは当日物販が事前抽選制で人数制限をしていた中、事前物販になかったグッズが追加されるも販売開始から10分で完売となるなど、在庫不足・管理の甘さに対する不満の声が続出した。
その後、事後通販にて上限120個での受注生産が発表されたが、ファンからは「事前に買いたかった」「ナメてるとしか思えない」「そういう事じゃない」と批判された。

そして、2023年1月に公開された運営元・株式会社ブロッコリーの決算報告資料
資料内のコンテンツ別売上高構成比を見ると分かるが、ブロッコリーの売上の4〜5割をうたプリが占める
自分達が落とすお金がコンテンツどころか運営会社の存続に関わる状況での先述の結果に対し、このレポートではうたプリグッズの売上低下が”オンリーショップの高価格帯商品のラインナップ不足”と分析されている。
Twitter上では「それ以外にもあるだろう」「買わせる気がない」「商売下手すぎる」といった不満の声が上がっていた。

✦後発グループ「HE★VENS」の待遇

2013年のアニメ「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%」から登場したアイドルグループ「HE★VENS」。
「レイジングエンターテインメント」という事務所に所属し、主人公達が所属する「シャイニング事務所」のライバル的な立ち位置にある。

初期メンバーの3人は初登場から10年、他メンバーも8年が経つが、彼らがゲームに登場したことは未だ一度もなく、人となりやバックボーンについても不明な点が多い。
CDは1年に1回程度ミニアルバムやグループ曲が発売される程度で、年間2〜3曲のソロ曲と同程度のグループ曲が発売されるシャイニング事務所のアイドル達とは雲泥の差がある。

うたプリの関連ゲームやイベントは「シャイニング事務所」に因んだ名称が多く、オンリーショップ「SHINING STORE」や2017年リリースのスマホ向けリズムゲーム「Shining Live」にはHE★VENSが登場しない。
先述の3Dライブ「SHINING STAR STAGE」にも、もちろん出演していない。

2019年以降はオンリーショップが開催されているが、完全に別物として動いていることが多く、シャイニング事務所のアイドルのファンはHE★VENSの動向に気付かないケースも多い。
そして、うたプリの記念日である6月24日に公開される特設サイトでもHE★VENSの情報には全く触れられない。
HE★VENSは公式Twitterが開設された7月7日を記念日としており、この日に各種情報が発表されることが多いが、ファンからは「ハブられている」ように感じるとの声が上がっている。

こうした扱いやプロモーションへの不満から、HE★VENS以外のファンからも
新規コンテンツを始めるよりHE★VENSの待遇を改善してほしい
との声が多く上がっていた。

✦出遅れぎみの3D

うたプリは今年で13年目の長寿コンテンツだが、3Dに関しては他の作品に比べやや出遅れ気味である。

うたプリが本格的に3Dに参入したのは2017年からだが(補助ではなく完全3D)、この6年間で3DMVが存在するのは287曲中6曲*のみで、劇場版・3Dライブで披露されたワンコーラスverの映像と合わせてようやく84曲になる。
未だ3分の2以上が映像化されておらず、一部楽曲は3Dライブが円盤化されていないため現在視聴する手段がない

初の3DMVは2017年リリースのスマホ向けリズムゲーム「Shining Live」のテーマ曲だったが、その後2019年に発売の「テーマソングCD2」および2022年発売の「5th Anniversary CD」では3DMVが制作されることはなかった

こうした”新曲や記念曲でさえ必ずしも3D化するわけではない”といううたプリの現状と比較して、プロジェクトの発表とともに3DPVが投稿されたバクプリに対して「うたプリはまだ数曲しかないのに…」「その予算をうたプリに使って欲しかった」と大いに反感を買うこととなった。



非常に長くなった為、一旦ここでストップさせて頂きます。
その他の問題については折を見て投稿予定。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?