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自前のソレ

私のバンド活動デビューは大学時代だった。当時の私が練習で持ち歩いていたものは、ジルジャンのスティックバッグのみ。他のドラマー部員たちも似たようなものだった。むしろスティックは皆裸で持ち歩いており、バッグで持ち歩く私の方が珍しかったかと思われる。同期のドラマーたちと同様に私も当時はスティックにばかり焦点を置いていた。

外部のバンドを観たり交流したりする中で、ようやくスティック以外のドラマーの持ち物にまで意識が向くようになる。キックペダル、スネアドラム、そしてシンバルだ。

最初に交流した社会人ドラマーが、スプラッシュシンバルを持参していたのだ。CDなどで聴いたことのあるあの高く澄んだ音はこの楽器だったのかと感動した。いつかは自分も自前のシンバルを持ちたいものだと思った。

それから何年経ったか。自分も社会人になってやっと買ったのが、このイスタンブールアゴップのスプラッシュシンバル。9インチという珍しい大きさで、深遠な音がする。

イスタンブールは実は高校時代に所属していた吹奏楽部で合わせシンバルとして出会っていた。そのシンバルは非常に重く、演奏中ミュートするたびに胸骨にヒビが入るのではないかと怖れた位だ。しかしそれは初めて出会う味わいのある深い音で、当時の私は一目惚れならぬ一聴き惚れしていた。

されどシンバル、である。

イスタンブールは自ずと好きになったメーカーだが、後になって聖飢魔Ⅱのライデン湯沢氏のセットにイスタンブールが組まれていて驚いた覚えがある。バンド映像でそうそう見かけるロゴではないので。さらに最近も知り合いのドラマー先輩がイスタンブールのハイハットを愛用していることを知ってまた驚くと同時に今度はにやりとした。やっぱり好きな人は好きなのだ。あの音が。

大切に、できるだけ長く使いたいものである。

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