画廊を飛び出して
「Helpless 2」はF50号のキャンバスに西野内和紙を貼り込み、黄土色と金色のアクリル絵の具で描いた作品だ。西方浄土のようなイメージである。
この作品を、和室に展示してくださった方がいる。背後のふすまは殆ど開けることはない。そこに、クライアントの趣味で元々かけてあったバリ風の木彫ハンガーをあえて合わせてみたところ、東洋的で面白い調和をみせた。クライアントの方もお気に召したようで良かった。
実は私自身、日本家屋の古民家に作品を展示することが長年の夢である。薄暗い土間や煙に燻された梁、白い漆喰の壁などがあったら最高だと思っている。また、少し逸れるが北茨城にある岡倉天心の邸宅や六角堂も雰囲気が良くて好きだ。実際に現代美術作家の展示が行われていたこともある。
そういうわけで、渋い古民家で、来場者数もそこそこ確保できる場所があれば、前向きに現地踏査してみたいものである。
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